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SUBWAYへの恐怖と愛情

最近、何が恐いって、SUBWAY(サンドイッチ専門店)のカスタマイズ地獄っぷりが一番恐いです……。「ファストフードなのにカスタマイズ出来まくり」という企業理念は分かるけど、そのせいで、店員とお客の間にも、それぞれにカスタマイズされまくった、唯一無二の戦いが生まれちゃっているという皮肉。

一から説明します。
私は週に一度はSUBWAYに行く。2013年に「第5のパン」として登場した、フラットブレッドというモチっとした生地のパンに、生ハム&マスカルポーネが挟まったサンドイッチと、封を開けた直後から、半径10メートルはチーズ臭が漂うのでは?という程の濃厚なチーズパウダーが散りばめられたポテトが大好物の為、ついつい足が向くのだけど、それらを無事に口にする為には、毎回、ちょっとした戦いが必要。

例えばマクドナルドなんかだと、何が何でも、最初にハッキリさせないといけないのは「店内で食べるのか、持ち帰りなのか」ってことであり、それを忘れて、ついボケっと「ダブルチーズバーガーとぉ……ポテトのMとぉ……」なんて言い出そうものなら、「店内でお召し上がりですか!それとも、お持ち帰りですか!」と、レジの角をトントンと指で叩きながら、バイトのお姉さんにキッと睨まれる、というのがお約束なんだけど、SUBWAYの場合、最初に求められているのは、イートインor アウト問題ではなくって、サンドイッチの種類の模様。

何故なら、最初に「持ち帰りです」と、気を利かせたつもりで言ってみても、ウンともスンとも言わずにスルーされ、「サンドイッチの種類は!」と食い気味に問われる。「生ハム&マスカルポーネを、フラットブレッドで」と答えると、「生ハム&マスカルポーネですね!」と、今はサンドイッチの内容しか聞いてねぇんだよ、という強い主張が感じられる返答。
その上で、「パンの種類はどうしましょう?」と、フレッシュな仕切り直しが入る。今、言ったよね、と思うものの、「フラットブレッドで」と、こちらもフレッシュなふりして返答。「フラットブレッドですね!このパンは必ずトーストすることになっていますが、宜しいですか!」と毎度、仰々しく聞かれる。キタキター、知ってるっつのと思いながらも、「はい」と大人しく答える私。たまにはそこで大きくのけぞって、「えっっ!!??必ず、必ずや、焼くんですか?え……マジで……?マジか……じゃぁやめます。ハニーオーツで」とか言ってみたいけど、むしろ焼いて欲しいので、快諾。

その後も、「トッピングは如何ですか?アボカド追加がお勧めです!」だの、「ドレッシングはバジルソースをお勧めしています!」だののプチお誘いが淀みなく続く。私には、トッピングを断る勇気はあるけど、ドレッシングを違う味にしてみる勇気はない、というか、生ハム&マスカルポーネがフラットブレッドに挟まってさえすれば、それでいいんだよ、サンドイッチひとつでどこまでウルセーんだと、この時点で半分白眼。

ただし、このカスタマイズ地獄の中で、助かることがひとつだけ。私は生の玉ねぎがあまり好きではない。だから、次の「お野菜は全てお入れして宜しいですか?」の問いにはハッキリとこう答えます。「玉ねぎだけ抜いて下さい」---
あれ?そうなんだ、と、店員さんの顔に少し驚きの様子が浮かぶと、ちょっと愉快。そうよ、私、そこまでイエスマンじゃないんだからぁ。
だけど、次の瞬間、「オニオン以外、全てで?」と返されると、「あ、玉ねぎじゃなくてオニオン、そして、抜くんじゃなくて、それ以外は全て入れてOKという方向で答えるべきだったんですね」と、またモヤモヤした気分に。店員さんは勝ち誇ったように、オーブンから取り出したフラットブレッドに、あらかじめ小分けにされた生ハムを広げ、その上にチューブに入ったマスカルポーネペーストを絞り出し、野菜を並べていく。……ここで、思いきり、玉ねぎ、じゃなくてオニオンを乗せられることがある。

「オニオン以外、全てで?」とスカして言ったくせに、その直後にオニオンを乗せるというのは、なかなかすごい。その上、自信満々の表情で、「仕上がり、こちらで如何でしょう?」なんて、左右の手を広げて確認してくるのはどういうわけ?
「オニオン入ってますよね……」と冷たく言い放つと、急に人が変わったように、ハッとして「大変失礼しました!作り直します」と言ってモジモジするのはどういうわけ?
更に、「フラットブレッドで宜しいですか?」と、もう一回聞くのは、どういうわけ?

……と、SUBWAYには思うところの多い私だけど、今回、この投稿をするにあたり、SUBWAYのWikipediaを見てみたら、「アメリカテキサス州のクラブハウスサンドイッチ」として、以下の写真が載っているのを見た。

これ笑えませんか?どんだけ雑なの!どんだけ不味そうなの!
このクオリティを見ますに、テキサス店で、米人バイトが間違ってオニオンを入れちゃったとして、私が「Onion, No!!」とか訂正してみても、ペッペッ!と、表面に見えているオニオンだけ適当に払われて、どや顔で「OK~?Yeah!!」とか切り上げられる気がする。
終始マニュアル通り、かつ、途中までは偉そうでも、間違えたとあらば、「作り直します!」と気持ちを切り替える日本のSUBWAY、可愛いかも。許す。

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