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アリスとミノタウロスという展示を鑑賞する

先日、「アリスとミノタウロス」という写真展を鑑賞した。
「アリス」は勿論、「不思議の国のアリス」で、ミノタウロスはかの有名なギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物である。
「アリス」は大半の日本人女性なら好きだろうと思う(私もご多分に漏れず)し、なぜそれがミノタウロスと、ということにも興味があり、会場は自宅からも会社からも遠い、あまり治安のよいとは言えない場所にあったが、オープニングの日なら人通りもあるかと思い、とある会社帰りに訪れた。

不思議と迷宮の魅惑の国へようこそ。常識が溶解し、ルールが単なる暗示に過ぎなくなる場所へ。この前代未聞の写真展は、非日常的で幻惑的な空間の中で、対話が可能な独創的な設定で提案される。ここでは、来場者はそのような存在になることを求められるだけでなく、展示作品を精緻なプロジェクトに結びつける想像の旅の主人公にもなる。

「アリスとミノタウロス 」は、不思議な感覚に支配された特異なビジョンによって結ばれた作家の集合体であり、迷宮のような小道に集められ、その中で写真家たちが作品とともに、暗示に満ちたステージを作り上げる。

テーセウスに裏切られたアリアドネは、もはや私たちを導くアリアドネではなく、アリスにバトンを託す。アリスは不思議な感覚を呼び起こしながらも、文字や数字が崩れたり、(中略)、上から落ちてくる写真や写真の家具、古代の印刷技術の分解等のシュルレアリスム的な雰囲気に浸らせてくれる。

展示会案内より

「非日常的で幻惑的な空間」とか「迷宮のような小道」とか言われると、たまらなくなるシマ子😂説明文だけで満足してしまいそうになるが、迷宮とは言えないまでも、きちんと設定された裏道のような道を通ったりしながら、十分に作品を堪能したので、お気に入りのものを幾つか紹介しよう。

村上春樹の「海辺のカフカ」の、「自分の外にあるものは自分の中にあるものの投影であり、自分の中にあるものは外の世界の投影である。だから多くの場合、自分の外の迷宮に入り込むと、自分の内なる迷宮にも入り込むことになる。」にインスピレーションを受けた作品だそう。
「海辺のカフカ」はミラノに持ってきていないので、もしかしたら載せた訳と原文と少し異なるかもしれませんがご了承ください。

何となく、「子供の頃に読んだMichael Ende氏の『Momo』に出てくる灰色の男たちを思わせる作品だな、当時はこういう情景を頭に描いて読んでいたな」と懐かしくなった作品。と思いEnde氏の年表を見ていたら、「Momo」を書かれた頃にはイタリア在住だった様子。そういう小さなことからも、シマ子は何かしらの影響を受けていたのかもしれない、というささやかな発見をさせられた一点だった。

作品の横に付されていたフレーズは次の通り:
「なんて面白い時計なの」とアリスは言った。「 月日は表示されるけど、時間は表示されないのね」「どうしてそうじゃないといけないんだ?」と帽子屋が言う。「君の時計は今が何年かを示しているの?」「そんなはずないわ、だって同じ年がずっと続いているのだから」とアリスは答える。「私の時計もそう」と帽子屋は言った。

この写真に撮られた時計の部品を実際に見たくないですか?
横にある目覚まし時計は単なるイメージだと思うけれど、針が可愛いので、ズーム😆


その後の写真ではない作品はあまりタイプではなく、飛ばし、奥へ進んだシマ子。「迷宮のような小道」ではなく、メイン通りを歩いてみた。

「外で雨が降っていた時、君が微笑みながら、『私が微笑みながら見つめていない写真をまだ持っているか』と私に聞いてきた。(中略) 私が理解できずに『うん』と答えると、あなたは言った。『あなたが持っている私はそれだけ、私が持っているあなたもそれだけ』と。

どうやら、イタリア人の歌手の「マスカラ」という曲の歌詞をインスピレーションに撮った写真らしい。きっと、昔の彼女を想ってノスタルジックな気分に浸りながら、「そういえばあの花火の夜、彼女はこう言っていたっけ」とか「あの町で彼女と見たあの空は、今日の空の色に似ているなぁ」とか思いながら撮ったんじゃないかな、と想像したりする。

作品の横に付されていたフレーズは次の通り:
「物事が起こる前のことを思い出せないから。私のは一方向に動くの」とAliceは言った。「逆向きにしか働かないなんて、なんて惨めな記憶力なの」と白の女王は言った。

被写体も美女ながら、このぼかし方、モノクロの色調が絶妙で、「一度でいいからこんな風に撮ってもらえたら、一瞬でも人生が華やかになった気がするんじゃなかろうか」と思わされた。

Louis Jacques Mandé Daguerreの1838年のパリの写真に細工をした作品らしいです。

Louis Jacques Mandé Daguerre(1787年11月18日 - 1851年7月10日)
フランスの画家、写真家。史上初めて実用的な写真技術を完成した人物として知られる。
フランス初のパノラマ画家に弟子入りし、建築、劇場の設計、およびパノラマ絵画を学んだ。劇場にイリュージョンを作り出す技術に長け、演劇の有名デザイナーとして活躍した後、1822年7月パリに自分が発明したジオラマ劇場を開設した。

Wikipediaより


文字や数字が壊れた作品群へ移ろう。

「モダン・タイムス」というタイトルが付けられていますが、現代って確かに、こんな風に偏っているというか、刹那的というか、そう思わせられる瞬間が多いですよね。
中央はアルファベットが崩れ落ちている作品で「自由落下」というタイトル付。右はサンダルの鼻緒が有刺鉄線で「棘のない薔薇はない(il n’est pas de roses sans épines)」というフランス語の諺がイタリア語で書かれている。なんともメタファーに満ち満ちた作品群。

三月うさぎの台詞が付けられているが、小さくて読み取れないので割愛し😁、空間の雰囲気写真を幾つか載せよう。

雰囲気①
雰囲気②
雰囲気③
私を食べなさい。それぞれの色には味があります、私を食べなさい。あなたは見方を変えましたか?という説明がある。
「食べなさい」とあって、肉とチョコレートと虫じゃなければ基本的には食べてみたいシマ子😂林檎のかたちのグミはなかなか美味しかったです、あとはちょっとよくわからなかった、かな🤫Flying Tigerとかに売っているんでしょうかね、これ?

さて、最後に一番好きなシリーズを一気に展開しよう。
好きなものは最後に食べるタイプなので、気に入ったものはできれば最後に紹介したいタイプ、ともいえる🤣
かなりエロスな雰囲気なので、ソフトからハードへ移るが、そういうムードで、そういう曲をかけながら見ていただければ、と思う。

シュルレアリスム的な要素がすごいですよね
アイライナーが、年を取るとボヨボヨになることが増えたのですが、それってやっぱり、たるみでしょうか?この被写体のアイライナーもボヨボヨで、40代なのかな、と思ってしまった🫢
マジックミラーを使っているのでしょうかね、これ?
バレエ脚のフェチのシマ子は、この右の足の甲にそそられる。
指先や手首のしなって、描かれ方、撮られ方によっては、裸よりもエロスだと思いませんか?
遠景だと、うん、まぁまぁ、上半身と下半身を組み合わせたりしたの、と思わせるけれど、、、
近景だと、一気に、「うふっ」とか「イヤ~ん」という効果音を付けたくなりませんか?
これは、インリン・オブ・ジョイトイを思わせますよね💜😂💜
あの方、私よりもいくらか年上ですが、まだ日本で活動されているのでしょうかね?

会期が短い展示だったか、かなり気に入ったので、ニュースレターに登録してみた。次回のここでの展示を楽しみにしたいと思う。

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シマ子
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