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XI[sai] JUMBO ノルマアタックRTA 解説 第6回(未来予知編)

本記事は、 XI[sai] JUMBO ノルマアタック RTA 解説の第6回(最終回)です。各回の目次はこちらより参照できます。


前記事(第5回)ではノルマを捨てるかどうかという比較的大きな選択について考えましたが、ノルマを通常通り達成する場合でも、次のノルマが何であるかを意識することで立ち回りが変わることも多々あります。本章ではそのような「未来予知」について考えます。なお、最適な行動が何であるか言い切れない部分も多いため、確実でなくても短縮の可能性がありそうな行動についてはできるだけ挙げる形にしたいと思います。

チェインの持ち越し

ノルマ同士の影響で最も分かりやすいのは、「直前のノルマで行ったチェインを切らずに次のノルマに持ち越すかどうか」の問題だと思います。例えば、あるレベルの8問目が「4で8チェイン」であったとき、次の9問目が「4で220点CS」であると分かっていれば、チェインを切らずに継続することですぐに9問目を達成できます。基本的に後続ノルマが同じ目のチェインノルマCSノルマつなごうノルマ(以下まとめてチェイン系ノルマ)の場合には、チェインの持ち越しが可能です(場合によって予約ノルマも可能)。

次のノルマが確定している場合

次ノルマが確定しているケースでは、(出題済みノルマの記憶が難しいという点を除けば)複雑な立ち回りは必要なく、基本的に次ノルマに向けてチェインを継続するかどうかだけを考えれば問題ありません。なお、やや細かい例としては、「3で540点CS」→「3で20チェイン」の順で出題される場合などがあります。この場合、基本的に「3で20チェイン」のほうが時間がかかるため、最初からこちらだけを達成するような意識でチェインを行うほうが効率が良くなります。すなわち、リンク数は重視せず、チェイン数の増加を第一に考えて行動するほうが良いと考えられます。

次のノルマが確定していない場合

問題は次ノルマが未確定の場合です。例えば6問目が「4で8チェイン」で、それ以外に「4で220点CS」「2で10チェイン」「3を7個同時に」というノルマが残っている場合はどうでしょうか。この場合、次のノルマは確定していませんが、基本的には「4で220点CS」を引いた場合の短縮を考えて、次のノルマ出題まで4の目のチェインを継続するのが良いと考えられます。

別の目のノルマを引いた場合には沈みかけのダイスが邪魔になるという欠点もあるのですが、(特に後半レベルでは)持ち越しによるノルマ達成の短縮幅が大きいため、基本的には持ち越して得になるノルマが1つでもあればチェイン継続として良いと考えています。なおその際、リンクを増やすかどうかは次に引く可能性があるノルマによります。持ち越せる可能性があるノルマがつなごうノルマの場合は当然リンク数が重要ですが、チェインノルマなどの場合リンク数に関係なく達成できるため、その場合は邪魔にならないようリンクを広げすぎないこともある程度意識すると良いかもしれません。

予約チェインの使い道

やや応用的な話ですが、予約チェインはプレイヤーと離れた場所でも発動させられるため、これをチェインの確定や継続に利用するテクニックも存在します。以下で紹介するどちらの予約の利用法も、確実に短縮になると保証できるわけではないのですが、取り入れることで状況によっては効率的な立ち回りが可能になるかもしれません。

ノルマ達成を確定させる予約

チェイン中のダイスに予約ダイスを乗せておくことでノルマ達成を確定させておき、その間に別のノルマの準備をするテクニックです。例えばノルマが「4で10チェイン」のとき、2つダイスが予約されていれば6チェインまでつないだ段階で達成が確定するため、この6チェイン目をつないだ瞬間に別のノルマの準備を始めることが可能です。予約チェインでの達成は通常チェインで達成するよりは若干時間がかかることが多いため、次のノルマが確定している場合か、ある程度予想が可能な場合に使うのが良いと思われます。また、残っているノルマが複数ある場合は、場所を取らないチェインノルマの準備(事前チェイン)を優先するのが無難な選択かと思います。

チェイン継続のための予約

予約チェインの別の使い道として、ノルマ達成後にチェインを持ち越せるかどうか確定していない場合に、とりあえずチェインが切れないよう乗せておくという使い方もあります。想定と別のノルマを引いてしまった場合でも予約を無視して瞬時に対応できる利点がありますし、こちらも事前に次のノルマを予想して準備を始めておくことも可能です。例えば、「4で240点CS」を達成した後の残りノルマが「4で9チェイン」「3で10チェイン」の2つである場合、とりあえず消えかけの4の目に予約ダイスを乗せておき、別の位置で3の目をチェインし始めるなどの動きが可能です。

全消しノルマ直前の動き

各レベルの最終ノルマである全消しノルマは、唯一盤面状況によって要求数が変化するノルマとも言えます。すなわち、開始時のダイス数が少ないほど要求数が減り、ダイス数が多いほど要求数が増えるノルマであるといえます。そのため、できるだけ盤面のダイス数が減った状態で全消しノルマに突入できるようにすることが一つの短縮要素になります。

盤面のダイス数には出題順の運も影響しますが、それ以外に意識できることは消えかけのダイスができるだけ沈まないように直前のノルマの間チェインをつないでおくことだと考えられます。特にチェインノルマにおけるリンク数の急激な減少はダイスの大量発生を引き起こす可能性があるため、全消しノルマ直前でリンク数を減らさないように動くのが重要そうです(加えて言うと、全消しノルマ直前がチェインノルマやCSノルマである場合、普段よりもリンク数を増やすことに重点を置いても良いかもしれません)。ただし、次の全消しノルマの追加ダイスがゆうれいダイス、石ダイス、ジャンボダイスの場合は詰まないよう適宜調整することも必要になってきます。

また、沈下中のダイスの上には(ジャンボダイス以外の)追加ダイスが降らない仕様があるため、全消しノルマ突入時に盤面の片側をチェインで埋めておけば、ある程度追加ダイスを密集させることができます。細かい話ではありますが、特にレベル9の全消しノルマで追加ゆうれいダイスを遠くに孤立させないためには役立ちます。

インターバルの立ち回り

インターバルについては、次に出題されるノルマ(「~個消そう」)が常に確定しているという理由で、考えるべき点がいくつかあります。

次ノルマで必要な目を残すかどうか

次ノルマで要求される目のダイスについては、インターバル中にできるだけ消さないほうが良いのではないかという論点があります。例えば、次のノルマが「4を30個消そう」の場合、インターバルが「残り2個」のタイミングで4の目を消してしまったりすると多少損になります。しかし当然ながら、特定の目を残しながらインターバルを達成しようとすると効率が落ちるという面もあるため、これらの兼ね合いが難しいところです。基本的にはインターバルを早く達成することを優先したほうが良いと思うので、個人的には「残り10個」程度になってから考慮し始めれば良いのではないかと考えています。なお、この点は次ノルマを積み込みを利用して達成する場合は、あまり考えなくても良いと思われます。

インターバル達成を遅延させる

インターバルの次の「~個消そう」ノルマに関しては、積み込みで達成するかどうかにかかわらず、盤面のダイス数が多いほうがタイム的に有利になります。インターバル中のダイス発生速度はかなり速いですが、通常ノルマに切り替わった瞬間に遅くなることを考えると、ダイスを増やしたいならインターバル中に増やすのが効率的です。そのため、インターバルを達成する前に少しだけ待ち、ダイスを増やしてから「~個消そう」ノルマに突入したほうが有利な場合があります。具体的な基準は難しいですが、特に後半レベルで積み込みをする場合、ダイス数が少ないと苦しくなる場合が多いため、盤面の沈下中ダイスがある程度沈み切り、ダイスが発生し始めるのを待ってからインターバルを達成するようにしても良いかもしれません。

各レベルの意識

以上、全体を通して共通して言える項目を挙げましたが、最終的には各レベルで個別に考える要素もありますので、短縮に関与しそうな点、ノルマの順序が絡む点をレベルごとに雑多に書き記しておきます。

レベル1

あまり盤面を広く使うノルマはありませんが、盤面のダイス数が少ないため足場が無くならないようなルートを取るのが大事です。固定2問の後は「2を5個つなごう」を引く可能性があるため心の準備だけしておきましょう(この持ち越しの意識はレベル8以外共通です)。

4の目と5の目のノルマは2つずつあるため、チェインの持ち越しが可能な場合は若干短縮になります。その際、要求チェイン数は多くないため、1つ予約ダイスを乗せておいて他の目をそろえに行く行動も取れると思います。基本的にはチェインを持ち越せるのは後続がチェイン系ノルマの場合ですが、レベル1では「5で70点CS」→「5で1個予約」の順に引いた場合でも容易に飛び乗りで連続達成できます。予約し損ねると再度5の目を集めるのに時間がかかるので、「5で1個予約」が残っている場合は意識しておくべきかもしれません。

「2を5個つなごう」などはすぐ達成できるため、達成後もその前のチェインが沈み切っていないこともあります。そのため「4で70点CS」→「2を5個つなごう」→「4で3チェイン」などの出題順の場合は、以前消した4の目にチェインを引き継げる可能性もあります。細かい点ですが、前半レベルは詰めようとすると意外と詰められる点があるようにも感じています。

レベル2

2の目と6の目のノルマが多く、手が空いた場合はこれらのノルマの準備ができないか考えておくと良いと思います。「2で6チェイン」が持ち越しで達成しやすいノルマなので、私の場合このノルマの出題まではなんとか2の目のチェインを維持できないかと考えていたりします。通常「6で2個予約」は「特殊ノルマ編」で紹介したような飛び乗り予約で達成できますが、「6で100点CS」の直後に判明した場合は急な予約が難しいこともあります。そのため「6で2個予約」が残っている場合、「6で100点CS」の達成の際に6の目のダイスを1つ乗せておくか、次ノルマの出題前に事前に飛び乗っておくのが良いように思います。

レベル3

3の目と4の目のノルマが多いですが、3の目は同時消しノルマと予約ノルマがあるのに対して、4の目はすべてチェイン系ノルマなので、迷ったら4の目をチェインしておくと良いでしょう。「2で10チェイン」は他に共通の目のノルマがないため、単独で最速で達成することを考えれば良いです(レベル5まで同様に「10チェイン」のノルマがあり、同じことが言えます)。前半レベルの中では比較的ノルマの目が固まっており、当たり外れが大きいレベルのように思います。

レベル4

割と幅広い目のノルマがあり「予知」できるタイミングが少ないですが、4の目のチェイン系ノルマが2つあるため4の目の準備が優先になると思われます。2の目のノルマ2つについては、「2で4個予約」→「2で240点CS」の順の場合はチェインを持ち越しますが、逆順の場合は直前のチェインは無視してしまって新たに準備しても問題ないと思われます。

レベル5

この辺りから1ノルマあたりの所要時間が長くなってきます。同時に持ち越し成功による短縮幅が大きくなるということでもあるため、持ち越せる出題順の場合は確実に達成して短縮を狙いましょう。3の目のチェイン系ノルマが2つあるため、これが続くと短縮になります。そのため手が空いた際はとりあえず優先して3の目を消しておくと良いと思います。5の目のノルマ2つについては、「5で5個予約」を先に引いた場合通常通り持ち越しを期待します。確定度合いにもよりますが、逆に「5で350点CS」が先に来た場合でも、ある程度次に予約ノルマを引くかもしれないということを意識したほうが良いでしょう。次ノルマが「5で5個予約」確定の場合は、3~4個予約を乗せてからバニッシュし、予約が発動しないようチェインし続けてCSノルマを達成できれば理想的です。

レベル6

4の目のノルマが多いため、基本的には4の目をチェインし続けるのが主となります。チェイン系ノルマのうちリンク数が必要なのは「4を18個つなごう」のみなので、これが出題された後はリンク数を気にする必要はありません。「3で16チェイン」のみ単独の目なので扱いに困りますが、持ち越しがないためリンクをあまり増やさず消すのが良いかもしれません。「3で16チェイン」に関しては、最後を予約チェインに任せて4の目を消し始めるなどの立ち回りは可能だと思います。6の目のノルマ2つはレベル5における5の目のノルマ2つと同様と考えて良いでしょう。

レベル7

個人的には、最も出題順による差が大きいレベルではないかと思います。基本通り、2の目のノルマは先頭に引ければ得、3の目のノルマは「3を6個予約」→「3で420点CS」の順では持ち越し可能、5の目のノルマは「5を13個同時に」を後から引く以外は持ち越しで達成できれば得となります。逆に持ち越せない順番で引いた場合は、テクニックのみでは対処が難しい点もあるように感じるので、最終的には運も大きく絡むことになります。

「3を6個予約」については最終的に合計6個予約ができれば良いのですが、「3で420点CS」が残っている場合はできればチェインを切らずに達成するのが理想です(持ち越しの可能性があるため)。逆に「3で420点CS」が出題済みなら、別々に予約を行っても構いません(以降のレベルにも言えます)。

全消しノルマでは10個の石ダイスが追加されますが、直前のノルマでダイスを消しすぎていると普通のダイスが少なくなり、達成に時間がかかる場合があります。理論的にどの個数が早いとも言い切れないのですが、ある程度ダイスを残して全消しノルマに突入したほうが達成しやすいように思います。

レベル8

5の目のノルマがないため、唯一固定2問の後すぐにチェインを切るレベルとなります。3の目のノルマが全てチェイン系のため、迷ったら3をチェインするのが良いと思われます。「3を20個つなごう」は要求リンク数が多いので、このノルマが残っているうちは突然出題されても対応できるようにしておきましょう(3の目が沈み切らないように高頻度でのチェインを心がけましょう)。4の目に関しては、「4で7個予約」→「4で540点CS」の順の場合は持ち越せば良いですが、逆の場合は難しいため、とりあえず元のチェインに飛び乗りで1~2個予約し、後は新たに組み直せば十分だと思います。

「2を7個同時に」でハッピーワンを行った後はそれなりに待ち時間があるため、次のノルマがある程度把握できているならそれを準備するのが良いかもしれません。ただし発火前の土台の2を消してしまわないよう注意しましょう。全消しノルマ前はリンク数を増やさないほうが詰みにくく安全です。

レベル9

2の目、4の目、5の目のノルマが存在しますが、どれも2つずつなので思いの外持ち越しの確率は低いです。「2を80個消そう」を積み込みで達成する場合は、ランダムノルマ先頭が2の目のノルマならそのまま持ち越しで達成でき、大きな短縮になります(そのため最速を狙うなら「2を80個消そう」は積み込みになります)。積み込みを行わない場合はダイス数の関係で「2を22個つなごう」への持ち越しは難しいかもしれませんが、それでもある程度出題された場合の心構えはしておいたほうが良いと思います。

レベル9は前半と後半でダイスの最低個数や発生速度に大きな差があるため、これを意識するのも重要です。前半では「1を40個同時に」の出題も想定し、余計なダイスを消しすぎないように心がけたいです。

レベル10

6の目のチェイン系ノルマが2つあるため、それらがランダムノルマ先頭か「6を25個同時に」の直後に出題された場合は持ち越しが可能です。レベル7で述べたことと同様ですが、「2で10個予約」については、「2で700点CS」出題前の場合は可能な限りチェインを切らずに達成できると望ましいです。各ノルマが難しく、多くのチェインやリンクを要求するため、どちらかというと各ノルマを確実に達成することが重要になってきます。そのため捨てノルマ編で取り上げた話題以外には、それほど出題順絡みの改善余地はないように思います。

まとめ

今回は「未来予知編」ということで、次のノルマへのチェインの持ち越しなど、前後のノルマとの関連による立ち回りの変化について考察しました。以下が今回のまとめとなります。

チェインの持ち越し
 ・基本的にチェイン系ノルマが残っていればチェイン継続
 ・次ノルマの邪魔にならないように意識
予約チェインの利用法
 ・ノルマ達成を確定させるために利用
 ・チェインを持ち越すために利用
  ・いずれの場合も、次ノルマの準備を事前に行うことも可能
全消しノルマ直前の立ち回り
 ・可能な限りダイス数を減らした状態で突入(ただし詰まない場合)
 ・盤面片側をチェインで埋めることで、
  ゆうれいダイスなどを密集させることが可能
インターバル
 ・「残り10個」くらいから次ノルマで必要な目を残す意識
 ・ダイスが足りない場合はあえて達成を遅らせるのも手

終わりに

全6回を通じて、私がノルマアタック RTA 中に考えていることを書き留め、 RTA という観点での動作方針について考察してきました。ノルマアタック中の意識という意味では、私が現在自覚している要素の大半は文章にすることができたのではないかと思います。今後、この記事にはない観点からの改善が見いだされたり、また新たなバグが発見されたりといった革新がひょっとしたら起こるかもしれませんし、それはむしろ歓迎すべきことだと思っています。この記事は現時点での一つの個人的な標石のようなものと考えていただければ幸いです。ノルマアタック RTA、さらにはシリーズ全体についてよりさまざまな視点からの議論が交わされていくとうれしいです。

これをもってノルマアタック RTA についての解説を終わります。長い記事となってしまいましたが、ここまで読んでくださった皆さんに感謝します。これからも XI[sai] シリーズを取り巻く環境やコミュニティが活発に続いていくことを願っております。

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