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【文系・理系】文理・学部別収入や社長数

これは2013年に、高校生の文理選択や学部選択の参考のため、naverまとめに書かれたものです。大正~現代までの学部別収入や就職状況など、入手できる限りの統計を集めて公開しました。naverまとめが終了しましたので、こちらに移行させたいと思います。また、公開されているデータにはすべてに出典を明記します。

それでは、これより以降、以前に書かれたものを改定することなくほぼそのまま引用します。


文理選択や学部選択、迷いますよね。やりたいことが決まっていればいいけれど、16や17で将来のビジョンが明確に定まってるなんてことはあまりないし・・・。そんなときは学部ごとの就職・収入・出世なんかを選択の基準のひとつとして知っておくのも大切ですよね。古今の学部別の統計を集めてみました。

大正6年の初任給

変化の激しい現代やこれからの予測をするためにも、現在だけでなく、過去や、グローバル化先進国である海外(アメリカ)の統計も見てみましょう。まずは古い時代から、順を追ってみていきましょう。

日本郵船の高学歴社員と処遇(大正6年)

      社員数  初任給
東京帝大工 23人  45円
東京帝大法 42人  40円
東京高商 141人  35~40円
神戸高商  24人  35円
長崎高商  20人  30円
山口高商  18人  30円
小樽高商  13人  30円
大阪高商   4人  30円
慶応義塾  87人  30円
早稲田   70人  30円
明治    21人  25円
中央    11人  25円
青山学院   9人  25円
同志社    6人  25円
日本     5人  25円
東北学院   4人  23円
専修     3人  25円
立教     2人  25円
給料研究所 出典:「旧制専門学校」p154 日経新書 天野郁夫著(大正6年)

当時の日本郵船は、今で言う「学生の就職したい企業ランキング」1位の会社。現代では、高卒・大卒・院卒で給料が違いますけど、むかしは大学や学部ごとに給料が決まっていたんですね。非技術職でも工学部の年収が一番高かったようです。

昭和3年の初任給

昭和3年 三菱合資会社の初任給

帝国大学
医科          90円
工科          90円
法科          80円
文科          80円
商科大学        80円
商大専門部       75円
慶大          75円
早大          75円
神戸高商        75円
地方高商        65円~70円
中央・法政・明治大学部  65円~70円
私大専門部       50円~60円
中等学校        35円
出典:前田一著『サラリマン物語』(昭和3年)

昭和初期の就職状況

昭和初期の時代は、就職難でした。昭和4年9月には小津安二郎による『大学は出たけれど』が封切りされます。『大学は出たけれど』が上映された昭和4年の大学専門学校卒業者就職率は50.2%、昭和5年42.2%、6年36.0%、7年は38.4%です。知識階級の需要は、昭和2年の金融恐慌、同4年のニューヨーク株式市場の大暴落による世界大恐慌によって、大きく減退しました。大学卒のほうが専門学校卒よりも、専門学校卒や大卒のほうが中等実業学校卒よりも就職率が悪かった時代です。当時の大学進学率から考えて、大学生自体がエリートだったことを考えると、現代の「就職氷河期」なんて目じゃないくらいの氷河期ですね。


昭和初期の東京帝国大学の就職率

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出典:竹内洋著『大学・インテリ・教養』(NTT出版)

昭和5年の東京帝国大学の就職率は、医学部94.7%、工学部82.3%、農学部79.4%、理学部70.2%、経済学部39.2%、文学部37.3%、法学部32.1%です。日中事変がはじまる昭和12年からは高等教育機関卒業生の就職状況は好転し、昭和12年に経済学部は就職率80%、法学部も昭和13年に80%になり、全体的に就職率がもっとも悪かった文学部でも、昭和15年には82%になります。理系学部と文系学部の就職格差は、今も昔も変わらないですね。

おまけ:明治38年の『我輩は猫である』内の描写では

統計ではないですが、『我輩は猫である』(明治38年)の中で当時の学部別の給料の傾向がわかる描写があります。

たとえば、多々良君が苦沙弥(「猫」の飼い主)に向かって「文学部なんかでずに法学でも修めて会社づとめでもしてればもっと給料がよかったのに・・」と嘆く場面があります。
さて、その給料ですが、多々良君は法科大学を卒業して「六つ井物産」に入社して月給30円。苦沙弥の勤め先である私立落雲館中学の月謝が2円とあります。
そして、苦沙弥や迷亭の学生時代の同級生で、工学士の鈴木 籐十郎の月給は250円(+盆暮の手当がついて平均4~500円)とあります。
当時の1円は今の1万円くらいだそうですから、とんでもない高給取りですね。

ここまでの差はないにしても、現代の日本やアメリカでも、学部別収入統計の順位はだいたいこの通りになっています。

1998年の統計

松繁寿和・大阪大大学院国際公共政策研究科助教授らが実施した統計によると、大学卒業後の22歳から60歳まで働くと仮定して各年代の平均年収を合計してみると、理系の総収入が3億8400万円、文系の総収入は4億3600万円で、5200万円の差が出た。
調査
対象として、ある国立大の理系学部と文系学部を1つずつ選んだ。2つの学部は入学時の偏差値がほぼ同じ。過去約50年間に、両学部を卒業したすべての人(理系約8,500人、文系約6,500人)に1998年8月、調査用紙を郵送し、その時点での年収などをたずねた。約3,400人(理系約2,200人、文系約1,200人)が回答。
集計したところ、22~30歳の平均年収は理系529万円、文系452万円。31~40歳では、文系が理系を230万円上回る969万円。41~50歳では理系が1,112万円、文系が1,325万円、51~60歳では理系が1,462万円、文系が1,616万円となった。
出典:『理系白書』(毎日新聞)


2chなどで有名になった統計ですね。調査された1998年当時よりも、ニュース記事が書かれた2004年前後や2008年ころのほうがよく話題になっていたと思います。
この統計は、松繁寿和教授らが、とある国立大学の文系学部一つと理系学部一つを選択してアンケート調査を実施、その統計を元に毎日新聞の記者が計算をしたものです。
私は当時、大卒者全体の統計かと思っていましたが、一つの学部だけを比べたものだったんですね。具体的にどこの大学のどの学部なのか知りたいですね。

2009年の統計

2009年のキャリコネによる統計です。全国の国公私立の約180大学にまたがるデータから、出身大学や学部などの学歴情報がそろっている約2000件を抽出したものです。

大卒者2000人データに見る年収の「文理」格差 理系638.9万円 文系551万円 

無題

理系の大学の出身者は、平均年収が638.9万円。これに対して文系は、551万円となっています。

学部別平均年収

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工学部661.1万円、理学部616.1万円、法学部615.3万円、経済学部608.3万円、商学部・経営学部604.3万円、薬学部551.4万円、農学部526.3万円、社会学部464.9万円、文学部409.5万円


学部別の平均年収です。就職者の統計であるため医学部は入っていません。これによると、その順位は、工>理>法>経>商・経営>薬>農>社>文 となっています。これは男女比による影響があるので、のちに男女別の統計も見てみましょう。

大学ごとの学部別平均年収 

東大早慶学部別平均年収

東京大学出身者の学部別平均年収は、理学部1381.3万円、法学部1158.7、工学部1057.6万円、経済学部923.8万円、農学部700.5万円。早稲田では、政治経済762.7万円、理工758.3万円、商677.4万円、法662.4万円、第一文509.0万円。
出典:careerconnection.jp

もっとも高偏差値である東京大学の統計では、理>法>工>経>農の順。早稲田では、政経>理工>その他文系の順、慶応では、法>商>理工>経>文の順です。東大では全体的に女子が少なく、男女比の影響は出にくいですが、農学部に関しては、工・法・経に比べて女子が多いことの影響があると思います。

2010年の慶応大学による統計

理系は文系よりも高収入で出世する-。大学・大学院を卒業した社会人を理系と文系出身者で比較したところ、 理系の方が平均年収が高く、会社の役職者になる割合も高いという結果が7日、発表された。
男性の平均年収は文系が559万円だったのに対し、理系は601万円で、42万円高かった。
女性も文系203万円に対し、理系は260万円で57万円高かった。
年代別比較では、理系男子は、国立大出身なら35歳で文系男子よりも100万円弱ほど高く、60歳では150万円以上高かった。国立大以外の理系は35歳までは文系より低いが、40歳ではほぼ同じ、45歳では追い抜いていた。
また、役職員に就いている正社員の割合も文系は20・3%に対し、理系は35・0%。
会社の経営者の割合も文系1・3%に対して、理系2・1%とわずかに高かった。
出典:「文系より理系が高収入で出世する 慶大などの約3500人分析で判明」(産経ニュース 2010/12/09)

男女別の統計です。男女ともに理系の方が年収が高くなっていることがわかります。また、役員率や社長率も理系のほうが高いようですね。

当時の学部別社長数は?

毎日新聞の理系白書が話題になったり、キャリコネや慶応大学の統計が出された当時の学部別社長数はどうだったんでしょうか?統計を見てみましょう。

日経平均に採用されている225社の社長を調べてみた(別表参照=5月1日現在)。
大学別では、やはり東大出身者が多いが、早慶も大健闘。国公立大と私大出身の割合はおよそ6対4で、文系と理系の割合も6対4。とはいえ、大学院の工学系まで含めると、トップは工学部に。ちなみに、院卒率は11%だ。

<出身学部>
(1)経済学部43人
(2)法学部 41人
(3)工学部 40人
(4)商学部 19人
(5)大学院工学系17人
(6)政経学部10人
(7)理工学部9人
(8)文学部 8人
(9)基礎工学部4人
(10)教育学部3人
(10)外国語学部3人
(10)農学部 3人
(10)薬学部 3人
出典
“新”社長になる男の条件… (日刊ゲンダイ2008年5月18日10時0分配信)

2008年の統計です。工学系出身者が多いですね。工学部、大学院工学系、理工、基礎工の社長数を足すと社長数は70人になります。日系225の社長の文理比が6:4。これに比べて大学生の文理比は医歯薬系を入れて7:3。就職段階だと、医者・歯医者・薬剤師・研究者などが抜けて、企業就職者の文理比は7:2になります。慶応大学の統計にあったように、理系のほうが経営者にはなりやすいようですね。また、大学別では、(1)東京大55人、(2)慶応大38人、(3)早稲田大26人、(4)京都大15人となっています。

Core30の社長数

Core30社長の出身大学 

1 東京大学 9
2 京都大学 5
3 早稲田大 3
4 慶應義塾 2
  大阪大学 2
  東北大学 2
  海外大学 2(オックスフォード、パリ国立)
5 東京工業 1
  神戸大学 1
  横浜国立 1
  法政大学 1
  関西大学 1

東西のトップ東大京大が1,2につけた。
2大学で約半数を占め、この2大学の強さが再確認された。
旧帝大合計では18人を占め、全体の6割を占める結果となった。
7大学で過半数の結果から、歴史と伝統に裏づけされた強さが分かる。
一方、北大・名古屋大・九大は0人と旧帝大でも明暗が分かれた。

Core30社長の出身学部文理比
文系 15(オックスフォード含む)
理系 15(パリ国立高等鉱業含む)

Core30社長の出身学部(国内のみ)
1 工学部  12(理工2、基礎工1含む)
2 法学部  6
3 経済学部 5
4 薬学部  1
  農学部  1
  経営学部 1
  教養学部 1
  政経学部 1
出典
Core30の社長で見る学歴

2010年の統計です。日系225と同じく一番多いのは工学部。また、日系225では6:4であった文理比がCore30では5:5になっています。これは、理系の方が大企業就職率が高いために、大企業になるほど理系率があがるためと考えられます。

2010年の京都大学と同志社大学の統計

大学の理系学部卒業者の平均年収は、文系学部卒業者に比べて約100万円高く、年齢が上がるにつれて所得差が広がるという結果が、京都大、同志社大などによるインターネット調査で明らかになった。
平均年収は文系が583万円だったのに対し、理系は681万円と大幅に上回った。 年齢別にみると、25歳の時点では文系が306万円、理系が366万円で60万円の差だが、60歳では文系が720万円、理系が888万円となり、168万円の差に広がった。
このほか、サンプルをもとに40歳時のモデル年収を推計したところ、理系男性が約717万円、文系男性が約680万円だった一方、理系女性が約498万円、文系女性が約402万円と男性の方が約220~280万円も高く、男女間の賃金格差が浮き彫りとなった。また、出身学部をベネッセコーポレーションによる大学難易度別にA(偏差値60以上)、B(50~59)、C(50未満)に分けたところ、同じ難易度ではいずれも理系が高く、最も高いのはAの理系。Bの理系はAの文系の平均を下回ったものの、Aの文系でも受験で数学を選択しなかった人の平均よりは高かった。
出典:「理系は文系より年収が100万円高い」 京大など調査 (朝日新聞 2010/8/24)

年齢別・男女別・偏差値別の細かい統計です。高偏差値、中偏差値、低偏差値のどの層で比較しても理系のほうが年収が高く、また、男女別では、男女ともに理系のほうが年収が高くなっています。同時に、男女間の収入格差も指摘されています。

2011年の経済産業研究所の分析

出典:理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-(経済産業研究所)

文系・理系所得比較(学部卒業者)

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前出の慶応義塾大学パネル調査共同研究拠点の「日本家計パネル調査(JHPS)」のデータを経済産業研究所が分析したものです。これによると、国立理系男子、非国立理系男子、国立文系男子、非国立文系男子の所得は、国立理系男子>非国立理系男子>国立文系男子>非国立文系男子 の順になります。

偏差値別の文理別所得データ

偏差値別、文理別所得データ

これは、高偏差値理系男子、高偏差値文系男子、中偏差値理系男子、中偏差値文系男子の所得を年齢別にまとめてグラフ化したものです。これによると、それぞれの所得の順位は、高偏差値理系男子>高偏差値文系男子>中偏差値理系男子>中偏差値文系男子となっています。しかし、高偏差値文系男子は、50歳を境に中偏差値理系男子に抜かれてしまいます。これは、文系の所得カーブが50歳をピークに減少するのに対して、理系の所得カーブは50歳以降も上がり続けるために起こる現象です。その結果、所得の順位は、(1)高偏差値理系男子、(2)中偏差値理系男子、(3)高偏差値文系男子、(4)中偏差値文系男子、となります。

生涯賃金は、私立理系>>国立文系だけど、学費差を考慮すると?

上記の経済産業研究所の統計から、国立文系よりも非国立理系(私立理系)のほうが所得が高いことがわかります。しかし、一般に知られているように、国立は学費が安く、私立理系は学費が高いです。学費を考慮するとその生涯収入はどうなるのでしょうか?

学費を考慮しても私立理系は、国立文系よりも生涯収入は高くなる。そのため、私立理系の高い学費を払っても十分にペイする。

出典:週刊東洋経済 2011年3月19日号 理数力で決める! 学校&就職、理系人生vs文系人生 総学費と年収を独自試算! 30歳までのロードマップ

2011年の経済産業研究所の統計

理系学部出身者の平均所得は文系学部出身者より約130万円高く、そのうち高校時代に物理が得意だった人が最も高所得。経済産業研究所は20日、こんな調査結果を発表した。
平均所得は全体が552万円だったのに対し、理系学部出身者は637万円、文系学部出身者は510万円と、大きな格差がみられた。
理系学部出身者の平均所得は、高校時代に得意だった理科科目別では物理681万円、地学647万円、化学620万円、生物549万円の順だった。
出典:物理が得意な理系、高所得 平均681万円、科目間でも格差 経済産業研究所(産経ニュース 2011/10/21)

文理の年収比較だけでなく、得意科目と年収の比較もしたようです。「数学」は文理共通科目という扱いなんでしょうね。

文系、理系を合わせた大卒就業者約1万人(平均年齢43歳)の得意科目と平均所得(年収)の関係を調べると、数学が得意な人の所得が約620万円と最も高く、2番目は理科が得意な人の約608万円だったと、同志社大や京都大などの研究グループが20日発表した。
数学が得意な人と国語が得意な人とでは、約183万円の差があった。
出典:数学、物理得意だと高所得=「国語」と180万円差―大卒就業者1万人調査 時事通信 10月20日(木)21時15分配信

同志社大と京都大も同調査に参加しています。それによると、数学が得意な人が一番年収が高く、国語が得意と答えた人の年収が一番低かった、とあります。

大学受験で数学を使ったかどうかと収入の関係

2000年と2001年に、2回にわたって、私立3大学の社会科学系学部の卒業生の平均年収を調査したことがある。
その時は、入学試験で数学を選択したグループと数学を選択しなかったグループに分けて調査をした。
2000年の調査で、数学受験者が748万円、数学未受験者が641万円、
2001年の同様の調査では、数学受験者が709万円、未受験者が639万円の平均年収であった。
さて、2008年調査は、これまでの調査と同様、八木匡教授、浦坂純子准教授、平田純一教授と共同で行ったものである。
平均年収は、文系学部出身者が583万円で、理系学部出身者が681万円と、文系よりも約100万円高いものであった。
出典:RIETI - 理系出身者と文系出身者の平均年収の比較

文系学部出身者で大学受験時に数学を選んだ人(3,977人)の平均年収は532.2万円で、数学を選ばなかった人(3,795人)の443.1万円より、89.1万円も多いことが判明。また、数学を選んだ人の方が、大企業に正規従業員として就職する割合や、役職者である比率が高いことも分かった。
出典:高収入になる割合が高いのは? 文系は"入試で数学受験"、理系は"物理が得意" | ライフ | マイナビニュース

トリビアの泉でもやってましたね。トリビアNo.897 「大学入試で数学を受験した人より受験しなかった人の方が年収が約100万円少ない」という京都大学のデータがある。というのはこれのことです。まったく同じ大学の同じ文系学部出身者でも、数学が得意かどうかで年収が変わる、つまり、就職先や出世に差が出るというのはなかなか不思議じゃないでしょうか。人事が大学受験の受験科目を調査してるわけでもないですからね。

2011年の週間東洋経済による統計

「週刊東洋経済」(2011.3.19号)が「DODA」の協力を得て転職サービス登録者の調査を基に推計したところ、生涯年収は理系で2.25億円に対し、文系は2.10億円足らず。1500万円以上の差がついた。DODA編集長の美濃啓貴氏は「モノ作りのできる技術者は営業職に就けるが、文系出身の営業マンは専門的な知識や経験がないので技術者にはなれない」と、職業選択の幅の違いを指摘する。
出典:やっぱり「理系」の方が「文系」より高給だった : J-CAST会社ウォッチ

海外ではどうなのか?

ニューヨーク(CNNMoney) 米国の給与調査サイト、ペイスケールはこのほど、全米の大学について卒業生の平均年収を比較した最新の調査結果を発表した。
プリンストン大学は前年に続き、2年連続の首位。専門分野で10年以上の実務経験を持つ卒業生の平均年収は13万7000ドル(約1068万円)だった。2位以下にはハーベイ・マッド大学、カリフォルニア工科大学、海軍兵学校、陸軍士官学校、マサチューセッツ工科大学、リーハイ大学などが並んだ。
ペイスケールの経済学者、ケイティ・バーダロ氏によると、上位校は工学など高収入分野の専攻が目立つほか、知名度や人脈の面で有利となっているようだ。
これに対し、下位10校を卒業した中堅クラスの平均年収は、前回とほぼ同じ4万4490ドルだった。これらの大学には芸術分野など伝統的に収入の低い専攻分野があり、生活費の安い地域に位置することなどが特徴だという。 専攻分野別では、中堅クラスの年収が最も高かったのが石油工学の16万3000ドル、2位は航空工学の11万8000ドルだった。
出典:米大学の卒業生年収、プリンストン大が2年連続トップ

上位
Petroleum Engineering $157,000 理系
Aerospace Engineering $108,000 理系
Chemical Engineering $108,000 理系
Electrical Engineering $104,000 理系
Nuclear Engineering $104,000 理系
Applied Mathematics $101,000 理系
Biomedical Engineering $101,000 理系
Physics $99,600 理系
Computer Engineering $99,500 理系
Economics $97,800 文系
Computer Science $97,700 理系
Industrial Engineering $97,600 理系

下位
Special Education $53,800 文系
Recreation & Leisure Studies $53,200 文系
Theology $51,300 文系
Paralegal Studies/Law $51,300 文系
Culinary Arts $50,600 文系
Athletic Training $45,700 文系
Social Work $44,900 文系
Elementary Education $44,400 文系
Child and Family Studies $38,400 文系
出典:Majors That Pay You Back – PayScale College Salary Report 2012-13

学部卒の統計であるためにメディカルスクールが入っていないようですね。メディカルスクールを入れたら医学専攻が一番高くなるのではないでしょうか。アメリカの医師は日本以上に高給ですからね。

2014年 DODAによる出身学部別年収の統計

転職サイトDODAによる統計です。

出身学部別の平均年収ランキング(20代)
1位 医・歯・薬学…406万円
2位 情報…396万円
3位 経済・経営・商…389万円
4位 理・工…387万円
5位 法・政治…383万円
6位 社会…341万円
7位 農・獣医・畜産…332万円
8位 スポーツ・健康科学…329万円
8位 文・人文…329万円
8位 環境…329万円
8位 教育…329万円
12位 外国語…318万円
13位 看護・保健・福祉…306万円
14位 芸術…302万円
15位 国際…300万円
16位 家政・生活科学…285万円
17位 観光…283万円
18位 心理…275万円

出身学部別の平均年収ランキング(30代)
1位 医・歯・薬学…506万円
2位 理・工…495万円
3位 経済・経営・商…480万円
4位 法・政治…476万円
5位 情報…471万円
6位 農・獣医・畜産…423万円
7位 教育…416万円
8位 スポーツ・健康科学…407万円
9位 国際…402万円
10位 社会…394万円
11位 文・人文…389万円
12位 芸術…383万円
13位 環境…382万円
14位 外国語…376万円
15位 看護・保健・福祉…353万円
16位 観光…340万円
17位 家政・生活科学…322万円
18位 心理…290万円
出典:あなたの出身学部は何位? 学部別の平均年収ランキング - まいにちdoda - はたらくヒントをお届け

画像7

出身学部別年収の一覧画像です。「全体」とあるのは「30代」の間違いだと思われます。
「医・歯・薬」「理・工」「経済・経営・商」「法・政治」「情報」が上位にランクインしています。「農・獣医・畜産」も含めて理系学部が高年収に位置する一方、文系学部は全体的に低ランクに位置しています。このことをDODAは、専門性が高く就職先として平均年収の高い技術系や医療系の職種に就く人が多い学部の方が、平均年収が高い傾向にあると説明しています。経済や法の年収が高いのは、実学的な学部であるためにその他の文系学部よりも就職が良いためとしています。
さらにDODAは、「出身学部」と「出身学部別の就業職種や就業先業種」についても言及しているので、そちらを詳しく見ていきましょう。

出身学部別 就業職種

出身学部別 就職先

出身学部別 就業先業種

出身学部別 就職先業種

こちらが出身学部別の就業職種や就業先業種です。平均と比べて就業者が多い部分は赤や黄色で、少ない部分は青や水色で、平均に近い部分は白でぬられています。これを見ると、「ITエンジニア」「IT系」は情報学部出身者が多く、「営業」には教育、法、経済学部等の出身が多いなど、学部と就業先の関係がわかります。
実はDODAでは、この統計に先んじて業界別の平均年収ランキングも発表しており、そのランキングの1位がメディカル業界、2位がIT業界でした。そのため、この業界への就職者が多い医歯薬や情報が学部別年収ランキング上位にランキングしたと説明されています。また、業界別ランキングで最下位だったのは「事務・アシスタント職」であり、出身学部別の就業先を見ると、学部別平均年収最下位の心理学部がもっとも多くこの職種に就職していることがわかります。
このことからDODAは、出身学部による就業先への偏りが、ランキングの高低に影響していると結論しています。

まとめ

以上、いろいろな統計を見てみましたが、上記の統計を鑑みるに、就職・収入・出世のことを考えるならば理系選択のほうがよいと思います。現在の高校生の選択としては、まず文理選択では理系を選択し、学力が十分にあれば医学部を選択、医学部に行く学力が足りなければ工学部を、理数系への適性がなければ、なにか資格をとれる文系学部を選択しつつ、公務員を狙っていくのがいいのではないでしょうか。ちなみにこれをまとめた作者は人文学部(教育学コース)を選択しました。現在のような受験生人気の文低理高の時代ならば、また違った選択をしたかもしれませんね。
最後に、高校生が文理選択や学部選択の判断の助けとなるように、現在の受験生の文理選択の状況や今後予想される職業の盛衰などについての記事を紹介しておきます。

受験生人気の文低理高

河合塾によると、受験生の人気が目に見えて理系に傾き始めたのはリーマン・ショック以降。同塾の今年度の模擬試験の理系の受験者数は、08年度比で21%増えた。中でも資格取得に結びつく学部が人気で、たとえば薬学部は国公立、私立ともに昨年度比で13~15%増、理学療法士などを目指す医療技術系学部も私立で12%増などとなっている。
一方、文系は人気低迷が止まらない。代々木ゼミナールの模試分析では、私立大の法学・経済・人文の文系3学部の志望者が10年度以降減り続け、今年度も前年度比で1~6%減だった。中でも法学部の人気低下が著しい。かつては「就職でつぶしが利く」とされ、同じ大学の他学部よりも難易度が高い傾向にあったが、第1志望とする受験生の割合は、今年度は昨年度に比べ国公立大で8%、私立大で4%落ち込んだ。
出典:朝日新聞デジタル:大学入試、就職考え「文低理高」傾向に 法学部離れ顕著 - 受験ニュース - 2013年度大学入試センター試験 - 教育

東大文Ⅰの足きりが行われなかったり、東大法学部が定員割れしたり、「法学部離れ」が問題視されましたね。その背景には、司法試験制度改革の失敗による弁護士の就職難や官僚の激務薄給がインターネットの普及で周知されてしまったこと、などがあげられています。

有名進学高校の文理選択

2012年度 第1回駿台全国模試(ハイレベル模試) 高校別受験者数
      総数  文系  理系  理系率
洛南   539 165  374 69% 京大合格者数日本一
大阪桐蔭 366  82  284 78% 高校野球日本一
開成   324  86  238 73% 東大合格者数日本一
東大寺  317  61  256 81% 
灘    311  55  256 82% 偏差値日本一
ラサール 296  76  220 74%

桜蔭   285  89  196 69% 女子校進学実績日本一
駒場東邦 284  84  200 70%
大阪星光 273  81  192 70%
甲陽学院 262  50  212 81%
久留米附 244  54  190 78%
栄光学園 229  85  144 63%
麻布   222  80  142 64%
東海   214  26  188 88% 医学部合格者数日本一
学芸大附 185  56  129 70%
旭丘   138  26  112 81% 公立高校日本一
筑駒   113  31   82 73% 東大合格率日本一
出典:2012年 第1回駿台全国模試受験者数

元々、優秀層では、理系選択に偏っていましたが、最近はその傾向が加速。上位進学校の7~9割が理系選択です。

消えゆく職種と伸びる職種 未来の仕事とは?

消えつつある職種
郵便職員 事務職員 工場の組み立て工 電話セールス・訪問セールス
伸びる職種
データ分析・管理 研究開発職および管理職 コンピューター・プログラマーとネットワーク管理者 医療補助職員
この先はどうなるのか
進化し続ける労働市場の中で生き抜いていくためには、ダーウィンの進化論の考え方を参考にして、できる限り多くのスキルを身につけ、順応性を高めることがカギとなる。その中でキャリア・パスは周囲の環境変化に合致するような形で、自然に決められていくこととなる。
キャリアの形成には、世界経済や私たちの仕事や生活に影響を与えている大きなトレンドを注視し、理解することが大切だ。長期的な視点からの成功に結びつくように、スキルを身に付けていくことが重要だろう。
出典:CNN.co.jp : 消えゆく職種と伸びる職種 未来の仕事とは? - (3/3)

グローバル化やIT化によって、単純労働はどんどん非正規やコンピューターに置き換わっていきます。そのような時代には、単純労働の賃金は後進国と同水準になっていきます。いずれ到来する「年収100万時代」を実感しはじめている人も多いのではないでしょうか。飲食や小売、個人事業主扱いの営業、パートの事務などは、すでに年収100万時代に片足をつっこんでいると思います。スキルのない職業の年収は今後どんどん落ち込むと予想されています。

営業職を希望している人へ

営業職の学歴・文理別年収ランキング

1位 国公立大院卒/理系 682.00万円
2位 国公立大学/理系 676.30万円
3位 私立大学/理系 617.91万円
4位 私立大院卒/理系 617.39万円
5位 国公立大学/文系 584.53万円
6位 海外大学院 583.33万円
7位 私立大学/文系 543.61万円
8位 専門・短大・高専・各種学校 503.86万円
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10位 私立大院卒/文系 490.00万円
11位 高校 486.71万円
12位 海外大学 482.76万円
出典:学歴・文理別×年収ランキング | 営業転職.net

営業職といえば文系のイメージがありますね。文系大卒の7割が営業になるという話がありますから、あながちそれは間違っていないと思います。しかし、2011年に株式会社アイ・キューが行った調査によると営業職でも理系のほうが年収が高いようです。営業がやりたくてもとりあえず理系を選択しておく、というのは悪くない選択だと思います。

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