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'He sings well.'を「彼は歌うのが上手だ。」と訳して良い!?

学習塾で中学1年生に文法(品詞と働き)を教える際、よく悩むことの一つに、

He sings well.

といった文を「彼は歌うのが上手だ。」と訳してくるのにどうコメントするか、というのがあります。あくまでも学習塾での文法の授業の中での話です。

私としては、その授業では、形容詞と副詞、例えばgoodとwellの違いを伝えるのがミッションとしているので、wellは副詞でsingsの動詞を修飾しているのだから「彼は上手に歌う。」と捉えよう!と説明することにしています。

ただ、結論だけ言うと、この最初の生徒訳は全く問題ないですし、それどころかむしろ授業での文法的逐語訳より自然で良い日本語とも言えるでしょう。

しかし問題なのは、ここで生徒が頭の中でこの英文をどう理解しているかということで、He「彼は」sings「歌うのが」well「上手です。」、こんな風に捉えている可能性が非常に高いんですよね。英語の品詞働きを全く理解せずに、なんとなく知っている単語の日本語訳をそれっぽく継ぎ接ぎしていると。なのでgoodも「上手な」とあるから、He sings good.とかよくしてしまうし、それで仮にテストで✖︎にされたら、singの後ろではwellなんだな〜とか丸暗記して乗り切っていくと。それでも中学英語ぐらいならなんとかなったりするけど、より複雑な構文の出てくる高校英語で行き詰まって、読めなくなってしまうと。。

またさらに問題をややこしくするのは、実際、テストなどでsing goodを✖︎にして良いかも悩ましいところで、

Dance good!

このようなカジュアルな表現としてはgoodは副詞として使われることもあるんですよね。キッズ英会話などではこう言ってもいちいち直されたりしないでしょうし(正直キッズ英会話出身で英検4級くらいの中学一年生が一番文法の重要性を伝えにくい...)。

私のその授業での方針としては、wellの品詞と働きを理解してもらうのが最優先。その上で、自然な日本語として「彼は歌うのが上手だ」としたいならそれはもちろんOKだし、カジュアルな表現としてならgoodを副詞として使うこともあると知るのも良いだろうと。

ただこれが中学生段階ならまだ良いのですが、高3くらいで塾に来て、知っている単語のつなぎ読みが原因で頭打ちになっているタイプの生徒をどうするかはもっと難しい。ここで一まで戻って文法からやり直すか、もう物量作戦でとにかくたくさん読んでりゃ受験英語くらいならなんとかなる(こともある)くらいで押し切るか......生徒のタイプと時期を見て選んでいくことになるのですけど、どちらに進んでも茨の道になるのは必至なので、できればギリギリでなくもっと早い段階で手を打っていただければと。。

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