【イベントレポート】『最高の打ち手が見つかるマーケティングの実践ガイド』著者 富家翔平さん登壇!「リードが足りない!」を解消するためのデータ活用法
2024年8月1日、ユーソナーは、株式会社EVeMのMarketing Director 富家翔平さんをお招きし、セミナーを実施しました。コニカミノルタジャパン株式会社で全社マーケティング部門の立ち上げを行い、多くのマーケティング施策の策定や実行を行ってきました。
そんな富家さんが6月に上梓された『最高の打ち手が見つかるマーケティングの実践ガイド』は早くもBtoBマーケティング界隈で話題になっています。
出版記念として、ユーソナー 営業本部 DXグループ 執行役員の湯浅将史とともに「「リードが足りない!」を解消するためのデータ活用方法」と銘打って、最新のトレンドや具体的な実践方法について語りました。湯浅が思わず、「富家さん、話しすぎです!」と言ってしまうほど、本書の内容を根掘り葉掘りお聞きしました!
富家さんが語るBtoBマーケティングの課題と解決策
マーケターが置かれている状況と課題
冒頭で富家さんは、BtoBのマーケターの置かれている状況を6つのキーワードをもとに解説しました。
一口に「リードが足りない!」といっても、その根幹には様々な事象が絡み合っており、その課題に向き合う必要があります(01 複雑に絡み合う課題に向き合う)。
さらに、「リードが足りない」という課題を解決するために展示会に出展する、デジタルマーケティングを強化するといった多くの選択肢があるが、そこには専門性が求められます(02 求められる専門性が広くて深い)。
また、マーケティングを推進していくに当たっては、各施策の進捗や成果を俯瞰し、(04 俯瞰と全体最適)組織を引っ張っていく必要があり(05 組織の牽引)、それも一過性ではなく継続的に行っていく必要があるのです(06 行動力と持久力)。
このようにマーケターが置かれている状況を踏まえると、広い視野と高い視点を持って俯瞰で全体を捉えることと、組織と個人を連携成長させながら指標と要点を押さえた成果創出のためのアクションを積み上げていくことが求められると強調しました。
マーケターが成果を出すための3つのマップ
マーケターに必要な視点とアクションを踏まえ、富家さんはマーケティング活動を効率的に進め、成果を出すための3つのマップを紹介しました。それが「プロセスマップ」「キーポイントマップ」「アクションマップ」です。これらのマップを活用することで、マーケティングプロセスの全体像を俯瞰し、どこにボトルネックがあるのかを特定できると説明しました。
1つ目の「プロセスマップ」とは、マーケティング組織が成果を最大化するためのステップを体系的に示したマップです。
マーケティング活動を8つのプロセスに分け、それをさらに組織の成長フェーズである立ち上げ期/立て直し期、初動期、成長期の3段階に区分し、それぞれに16の具体的なアクションを設定しています。
このマップを使用することで、企業は自身の現状を正確に把握し、次に取るべき行動を明確にすることができます。メンバー間で共通の認識を持つことで、戦略と戦術の効果的な実行をサポートし、さらに、実行力の強化を図ることで、実際に成果を出すための行動計画を確実に進めることができるようになります。
2つ目の「キーポントマップ」とは、全体の構造を俯瞰し、一連の流れを示し、各プロセスにおける重要な指標を把握するためのマップを指します。
このマップは、リードジェネレーションからリードナーチャリング、商談創出に至るまでの一連の流れを視覚的に示し、どこに課題があるかを特定することが可能です。これにより、部分的な最適化ではなく、全体としての最適化を目指すことができ、マーケティング活動の一貫性と効果を高めることができます。
3つ目の「アクションマップ」とは、マーケティングチームの実行力を高めるために必要な要点を整理したものを指します。
オペレーション、マネジメント、コミュニケーションなどの各要素を分析し、どの部分で改善が必要かを特定することで、実行力を強化します。これにより、短期的な成果を達成しつつ、中長期的な成長も視野に入れた持続可能な戦略を実現することが出来ます。最終的に、このアクションマップは、組織が持つ潜在力を最大限に引き出し、持続的な成長を可能にするのです。
これら3つのマップを組み合わせて活用することで、自分たちの組織の現在地を把握して、次のプロセスとアクションを定めることが重要だ、と富家さんは強調しました。
リードが足りないってどういう状況?
「リードが足りない」という問題は、単純にリードの数が不足しているだけではなく、ターゲットが明確になってはじめて「リードが足りない」という状況になるのだと富家さんは話します。
そこで、まず重要なのは、リードが不足していると感じたとき、そもそも自社にとってのターゲット顧客はどの層なのかを確認することです。ターゲットが明確でない場合、リードの不足を正確に評価することは難しくなる、そのため、ターゲットとなる顧客を明確にし、そのターゲットに対して現状のリードがどの程度カバーできているかを把握することが重要なのです。
リードの質を評価するためには、今あるリードの特性を整理する必要があります。
例えば、ターゲット企業が300社あるとした場合、その中で実際に自社にとってターゲットとなるリードがどの程度含まれているかを評価します。リードのカバレッジ率や商談への転換率を確認することで、どの層に対してリードジェネレーションの施策を強化すべきかを判断します。
既にリードが多く取れているターゲット企業に対しては、次の段階でのアクションが求められる一方で、リードのカバレッジが低い企業群では、まずリードジェネレーションを優先すべきだといった戦略が考えられます。
上記のようにリードの評価が出来たら、最終的にやることは、コンテンツを生み出してお客様に届けることだと富家さんは話しました。
具体的にどんなコンテンツを作るかは非常に難易度が高いものの、顧客との関係性をフェーズごとに区切り、それぞれに適したコンテンツの「目的」「軸」「形式」を整理し、コンテンツ作りが必要です。
全体像を把握する手段としての企業データベース「LBC」
ここまで富家さんは、マーケターが成果を出すためには「俯瞰で全体を捉え、指標と要点を押さえた上でアクションを積み上げていく」ことが必要だと語りましたが、「全体を捉える」方法に関して、ユーソナー湯浅が解説しました。
実際に自社が今、何件のリードを持っているのかは集計出来たとしても、そのリードの内、自社のターゲットとなりうるのは何社なのかまで落とし込むのは難易度が高くなります。さらに、マーケティングを推進するに当たって、今あるリードだけではなく、まだ接点を持てていないターゲットに属する企業が日本市場に何社あるのかを把握しておく必要があります。
そこで、活用できるのが、ユーソナーが保有する日本最大の企業データベース「LBC」です。このLBCを搭載したツール「プランソナー」を活用することで、ターゲット企業、つまり自社がアプローチすべき対象企業の一覧化が可能です。
プランソナーを使ってターゲティングを行う際、企業の属性情報や売上高、従業員数といった基本データに加え、企業の活動履歴や特許情報など様々な軸で一覧化が可能です。湯浅はその中でも特にインテントデータの重要性について言及しました。
インテントデータとは、企業が特定の製品やサービスに関心を持っているかどうかを可視化するものです。これを活用することで、営業活動を最適化し、より効果的なアプローチを実現することができます。湯浅は、インテントデータを活用して、どの企業にいつ、どのようなテーマでアプローチするべきかを特定し、営業活動の効率を大幅に向上させる方法を紹介しました。
まとめ
今回のセミナーでは、『最高の打ち手が見つかるマーケティングの実践ガイド』の内容を中心に、「リードが足りない」という課題に対する打ち手について解説しました。
富家さんは、「何の課題を解決したいかを明らかにすることから思考をスタートし、できることではなくて、やるべきことにリソースを投下できる組織にしてほしい」と語りました。
さらに、「やはり、現状を明らかにすることが大事です。データとか事実で捉えることで自分たちが得るべきヒントを得られる。全体を俯瞰で捉えて、事実から何をするかを組み立てる。これが大事だと思っています」とセミナーの最後で強調しました。
そして、今回の記事を読んで、「企業データベースについてもっと知りたい!」と思った方は、是非こちらも参考にしてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございます!また次の記事でお会いしましょう!
ユーソナー 広報 澤田