パチンコ店の“大量閉店ラッシュ”が止まらないワケ。ホール関係者が語る「絶望的な未来」――ニュース傑作選
2024年、反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。企業や業界の実態から2024年を振り返る「経済ニュース」部門、第2位の記事はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年2月29日 記事は取材時の状況、ご注意ください)
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相次ぐパチンコ店の閉店にメーカーの民事再生や廃業など、ここ数年暗い話ばかりのパチンコ業界。スマスロの登場でパチスロは回復の兆しがみえるが、30兆円産業と言われ隆盛を極めた時代にはまだほど遠い。
そこで今回は、関東地方で十数店舗展開する大手チェーンの営業統括部長のA氏に、パチンコの現状と未来についてお話を伺ってみた。パチンコ店が再び活気に満ち溢れる為には何が必要なのか。
立て続けにヒット機種が登場しているスマスロに対し、イマイチ盛り上がりに欠けている感が否めないスマパチ。どちらも、機能や出玉性能面では進化しているのだが、この違いはなんだろうか。
「スマパチに限らずパチンコは甘くしづらいんですよね。甘くすると見た目でわかるから打ち子軍団に占拠されておしまい(笑)。毎日来てくれる常連さんに還元できないなら甘くする意味がないし……。もちろん、お店のメイン機種となっている『エヴァ』や『リゼロ』はそれなりに遊べるようにしていますが、それ以外は基本的に辛く使っているので勝てません。勝てないから機種の魅力も伝わらない。だから人気機種にならないという流れですね」
パチンコ店はお客さんに『明日も打ちに来られるくらいの小さな負け』を繰り返してもらう薄利多売営業をするのが理想だが、今のパチンコでそれを実現させるのは難しいとA氏は語る。
「パチスロは中間設定を使えば薄利営業もできますが、パチンコでそれと同じくらいの調整にすると、やっぱり見た目でわかるからプロに狙われ、技術介入を使って抜かれちゃう。お店としてトータルで赤字にするわけにはいかないので、メイン機種以外は甘くできないのが現状ですね」
パチプロや打ち子軍団の存在により、手放しで甘く使うのが難しいパチンコだが、実は利益率はパチスロよりも高く、しかもここ数年でさらに上がっているそうだ。
「ホールデータのひとつに、1時間あたりの利益率、『時粗(じあら)』というものがあるんですが、一昔前のパチンコは1台600円前後だったんです。それが今は1400円になっています。もちろん、昔と比べて営業形態や機種が荒くなっているという点もありますが、それにしても上がり過ぎですよね。もはや薄利多売営業とは真逆の状態です」
甘く使えないから人気が出ないスマパチ
パチンコ店の利益率はここ数年で2倍に!!
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
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X(旧Twitter):@sagyosakurai
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