安倍派の会計責任者、20日に都内ホテルで非公開聴取へ 衆院予算委
自民党派閥の裏金事件で有罪判決を受けた安倍派の会計責任者(当時)の松本淳一郎氏について、衆院予算委員会の理事会は18日午前、都内のホテルで20日に非公開で聴取することを決めた。
聴取は予算委の安住淳委員長(立憲民主党)と与野党理事が行う。理事会後、安住氏が記者団に明らかにした。
松本氏をめぐっては、同委が1月30日に多数決で参考人招致を議決した。参考人招致への出席は任意で、当初、松本氏は応じない意向を示していた。そこで、安住氏は非公開や国会外での聴取を提案。自民は2月17日の理事会で、松本氏が応じる意向であると伝えた。
安住氏は記者団に対し、公開の聴取とならなかったことを「残念だ」としつつ、「真相解明に一歩踏み出せるのではないか」と述べた。議事録の作成やその公表などの扱いについては「先方の弁護団と今後詰める」とした。
松本氏が今月3日に安住氏宛てに出した理由書には、「参考人としてお話しすることで、報道等を含めて降りかかる影響も計り知ることはできない」「私自身の身体的・精神的負担が大きく、家族にもこれ以上の迷惑、心配をかけるわけにはいかない」と記し、参考人招致に応じない意向を伝えていた。その後、予算案審議への影響を懸念した自民が説得を続け、非公開での聴取に応じることとなった。
安倍派では、政治資金パーティー券販売のノルマ超過分の還流がいったんは中止されたものの、その後に再開。この経緯をめぐり、松本氏の裁判時の証言と安倍派幹部の国会での弁明に食い違いがある。野党側は実態解明のためとして、松本氏の招致を求めていた。(国吉美香、高橋杏璃)