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バスケット ボール コラム 2022年12月26日

【金沢】アンダーカテゴリー代表落選とウインターカップ3回戦敗退の悔しさを糧に、レベルアップへの強い意欲を示した大舘秀太 | ウインターカップ2022

ウインターカップコラム by 青木 崇
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金沢高等学校 10番 大舘秀太

金沢高等学校 10番 大舘秀太

昨年に続いての準々決勝進出を目指した金沢だったが、コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードの高さと日本人選手たちによるプレッシャー・ディフェンスに苦しめられ、61対101のスコアで3回戦敗退。2年生ながらチームの大黒柱である大舘秀太は、コネ相手のディフェンスなどで奮闘したものの、FGが19本中4本成功、トータルで11点とオフェンスは不本意な数字に終わった。

「チームとしては、ウインターカップの組み合わせが決まった時から帝京長岡さんと勝負できるので、練習中から留学生の対策を意識してやってきました。いざやってみるとオールコート(のディフェンス)で圧倒されてしまって、あまり自分たちのバスケットができなかったです」

試合をこう振り返った大舘が、非凡な身体能力を持つ199cmのフォワードで、オールラウンダーとして今後が楽しみな選手であることは間違いない。1年生で出場した昨年も奈良育英戦で16点、7リバウンドで勝利に貢献していたが、経験値を上げた今大会では東北との1回戦でダンクを2本叩き込むなど25点、10リバウンドのダブルダブル。2回戦の新田戦ではさらにギアを上げ、27点、20リバウンドの大暴れ。2試合でスティール7本を記録するなど、高さを生かす以外のディフェンスでも貢献していた。

「個人としては去年より成長した姿を見せられたんじゃないかと思います」と語る大舘はこの夏、同級生たちがU16アジア選手権とU17ワールドカップで躍動する姿を映像で見ていた。代表候補として最終選考まで残ったものの、12人のロスター枠に入れなかったことについて「悔しい気持ちでワールドカップやアジアカップを見ていました。自分の枠の中にある世界と全然違うところにみんな行ってしまった感じで、単純に悔しい気持ちになりました」と話したように、夏以降はもっとレベルアップしたいという思いがより強くなっていた。

夏のインターハイに出場できなかった金沢だが、石川県予選決勝で宿敵の北陸学院を撃破し、ウインターカップの舞台に戻ることができたのは、大舘の成長を抜きに語れない。昨年を下回る3回戦敗退という結果に対する悔しさを感じながらも、「ここまで連れてきてくれた3年生に感謝です」という言葉を口にした大舘の目に涙はなく、うなだれれるような仕草も一切なかった。

「この冬は死に物狂いで身体を鍛えて、当たり負けしないようにしたい」と話す大舘には、来年のU19ワールドカップの代表候補になれるチャンスが残されている。日本の高校でプレーする留学生よりも高い身長、フィジカルの強さ、スピード、スキルの高さを体感できれば、来年の今ごろは大会屈指の選手として、金沢を再びメインコートに導くという期待度が増す。同い年である川島悠翔(福岡大附属大濠)への注目は日毎に高まるばかりだが、大舘も将来が有望な選手の一人であることは間違いない。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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