本書の内容

細菌はとても身近な存在だ。
人の体には何兆もの細菌がすんでいる。細菌とうまく付き合い、善玉菌を強化し、人によって異なるマイクロバイオームを最良の状態にするには、どうすべきか。 細菌についてしっかり知りたい人のための1冊。

第1章では細菌の種類やはたらき、細菌の利用などの基本をしっかりと解説。
第2章では、細菌が多くいる体の部位ごとに代表的な細菌や過剰な場合と抑制された場合などの問題を詳しく紹介する。
第3章では細菌の研究でわかってきた細菌が及ぼす多様な影響、これからの抗生物質やワクチンの利用などにも言及する。

目次

序文(グレン・ギブソン博士)

第1章 私たちの体で細菌がしていること

体の客人を知る/微生物は進化系統樹のどこにいるのか/細菌を識別する/善玉菌・悪玉菌・日和見菌/ヒトと微生物の関係/細菌の1日/細菌の引っ越し/体の微生物マップ/分裂と多様性/突然変異とその結果/感染のプロセス/免疫系/免疫系を教育する/アレルギーと自己免疫疾患/年齢とともに移り変わる細菌/抗生物質/ヒトマイクロバイオーム・プロジェクト

第2章 ヒトマイクロバイオームの分布地図

皮膚:細菌は皮膚のどこで、どんなふうに暮らしているのか/黄色ブドウ球菌/皮膚の善玉菌の働き/アクネ菌/表皮ブドウ球菌/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
:細菌は眼のどこで、どんなふうに暮らしているのか/眼の細菌感染症/緑膿菌/眼の善玉菌の働き/コリネバクテリウム・マスタイティディス/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
:細菌は口のどこで、どんなふうに暮らしているのか/口の細菌感染症/ポルフィロモナス・ジンジバリス/ストレプトコッカス・サリバリウス/化膿レンサ球菌/口の善玉菌の働き/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
:細菌は肺のどこで、どんなふうに暮らしているのか/肺の細菌感染症/肺炎球菌/肺の善玉菌の働き/コリネバクテリウム・アコレンス/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
消化管:細菌は消化管のどこで、どんなふうに暮らしているのか/消化管の細菌感染症/大腸菌/コレラ菌/腸の善玉菌の働き/バクテロイデス・フラジリス/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
泌尿生殖器系:細菌は泌尿生殖器系のどこで、どんなふうに暮らしているのか/細菌による性感染症と尿路感染症/クラミジア・トラコマチス/泌尿生殖器系の善玉菌の働き/ラクトバチルス・クリスパタス/善玉菌を強くして、悪玉菌を抑える
妊娠と出産:母親の視点から見た妊娠/赤ちゃんの視点から見た妊娠/細菌のための食べ物/人生の最高のスタート

第3章 健康に生きるために

新たな細菌の発見/細菌をめぐる新しい考え方/食生活と腸内細菌/細菌と気分/微生物と腸脳軸/睡眠サイクルと腸内細菌/ライフスタイルの選択と細菌/既往歴と細菌/細菌を薬にする/役に立つ細菌たち/細菌のいない環境/都会の細菌、田舎の細菌/建物の中の細菌/農業での抗生物質の使用/スーパーバグの脅威/これからの抗生物質/ワクチン/ナノテクノロジーとスーパーバグ/時を越える細菌/グローバルな細菌

単語集
索引

本書のサンプル

ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像①
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像②
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像③
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像④
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像⑤
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像⑥
ビジュアル 細菌のはたらき パーフェクトガイド サンプル画像⑦

読者の声

  • 知ってそうで知らないことや認識できることが多い本だと思いました。生活のことを例えにしてくれているのでとても分かりやすい本でした。文字だけだと最初は分かりづらくなってしまいますが本書は分かりやすかったです。(46歳、男性)

著者紹介

キャサリン・ウイットロック

サイエンスライター。生物科学学士、免疫学博士。科学、医学、自然などの分野で活躍。英国ケント州在住。

二コラ・テンプル

保全生物学に従事したのち、科学および環境を専門として執筆に専念。生物科学学士。英国ブリストル在住。著書に『食品偽装を科学で見抜く』(日経BP)がある。

日本語版監修

鈴木 智順

農学博士。専門は微生物生態学、微生物系統進化学、応用微生物学。東京大学大学院農学系研究科農芸化学専攻修了。東京理科大学助手、講師、准教授を経て同大学教授。