XP-PEN Innovator 16をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証
15.6インチと大画面ながら薄型で持ち運びがしやすいと評判のXP-PEN Innovator 16。液晶画面の美しさも高く評価される一方で、「筆圧の感度が弱い」「傾き検知が上手く反応しない」といった気になる口コミもみられ、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、XP-PEN Innovator 16を含む液タブ全10商品を実際に使ってみて、描きやすさ・画面のきれいさ・機能性の高さ・表現幅の広さを比較してレビューしました。購入を検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね！
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
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【総評】購入の価値あり！遅延・視差なしで描きやすく、直感的に操作できる
今回検証したXP-PEN Innovator 16は、描きやすさを重視する方におすすめです。
遅延時間は0.34秒とほぼ遅れはなく、ペン先の動きと実線に視差もほとんどありませんでした。さらに画面は明るくクリアで、発色のよさも高評価です。
また操作の割り当てができる8つのファンクションキーとダイヤル式のタッチパッドを搭載しており、機能性は十分。替え芯やスタンドなど付属品も充実しています。表現幅の広さにおいては傾き検知の精度は緩やかではあるものの、色の濃淡や線の太さをしっかり表現できました。
描きやすさに加え、機能性の高さを求める方にも向いている1台です。
XP-PEN Innovator 16とは
今回ご紹介するXP-PEN Innovator 16は、厚さ約9mmの薄型設計が特徴です。
全体の大きさは横443.27×縦256.45mm、解像度1,920×1,080となる15.6インチの液晶を搭載しています。ブラックとシルバーのスタイリッシュなデザインもおしゃれですね。
ペンの応答速度は164ms。画面には視差を抑えるため、ペン先と描く線の位置の隔たりを少なくするフルラミネート加工が施されています。
鮮やかな色合いを表現できるよう、色域カバー率はAdobe RGB22%・sRGB125%・NTSC88%、表示できる色は最大で約1670万色です。
さらにAdobe・Photoshop・illustratorをはじめ、さまざまなデジタルアートソフトウェアにも対応しています。
Mac・WindowsどちらのOSでも使えますよ。
実際に使ってみてわかったXP-PEN Innovator 16の本当の実力！
具体的な検証内容は以下のとおりです。
検証①：描きやすさ
検証②：画面のきれいさ
検証③：機能性の高さ
検証④：表現幅の広さ
検証① 描きやすさ
はじめに、描きやすさの検証です。
それぞれの液タブで線を描き、カメラで高速度撮影を行います。ペンの移動に合わせて、遅延なくモニターに描けるかをチェックしました。また同時にペンの傾きを一定にし、視差がどれほどあるかを計測します。
この検証での評価は、以下のようにつけています。
- 遅延は0.6〜0.7秒未満で、視差がありペン先の延長線上が大きくズレる
- 遅延は0.5〜0.6秒未満で、視差がありペン先の延長線上からもズレる
- 遅延は0.4〜0.5秒未満で、視差がわずかにありペン先の延長線上からも少しズレる
- 遅延は0.36〜0.4秒未満で、視差はわずかにあるがペン先の延長線上からはズレない
- 遅延は0.359秒以内で、視差もほぼない
遅延も視差もほとんど感じず、描きやすい
描き始めだけでなく、長い距離においても遅延は感じませんでした。またペン先と実線の間に、視差のズレはほとんどないといえます。描きやすさは非常に優秀です。
検証② 画面のきれいさ
次は、画面のきれいさの検証です。
実際に液タブを使用してみて、画面に光が反射せずに見やすいか・発色はよいなど、画面のきれいさに関わる4項目をチェックしました。
この検証では、以下を評価項目としています。
- 映像の繊細さ
- 視野角の広さ
- 発色のよさ
- 光の反射の少なさ
画面は明るくきれい。発色のよさも◎
画面のきれいさの検証では、4.5点と高評価でした。
画面はクリアで明るく、色味もしっかり表現できています。今回検証したどの商品も結果に不足はありませんでしたが、その中でも画面のきれいさは頭ひとつ抜きん出ている印象です。
検証③ 機能性の高さ
次に、機能性の高さの検証です。
それぞれの液晶タブレットを実際に使用した上で公式HPを確認し、タッチ入力の有無・スマホ対応の可否などあると便利な機能がどれほど搭載されているかをチェックします。機能数に応じて加点する形で、評価を行いました。
この検証では、以下を評価項目としています。
- ファンクションキーの機能性の高さ
- タッチ入力の有無
- 角度調整スタンドの有無
- スマホ対応の可否
- 付属品の充実度
8つのファンクションキーを搭載。機能性は申し分なし
機能性の高さにおいては、4.0点と好成績となりました。
タッチ入力・スマホへの対応はないものの、本体左側にある8つのファンクションキーに細かな操作を割り当てられます。
さらにファンクションキーの間に位置するタッチパッドには2つのホイールを内蔵しているため、拡大・縮小・ブラシサイズの調整などをダイヤル式で直感的に操作できる点も好印象です。
またスタンド・グローブ・替え芯・ペンホルダーが付属しており、機能性は十分高いといえます。
検証④ 表現幅の広さ
最後は、表現幅の広さの検証です。
コンパスにペンを取り付け、300gの重りを固定します。30gずつ重りを軽くし、反映される線の濃淡から筆圧レベルの正確さをチェック。また同時に、タブレットとペンを垂直にした状態から10度ずつペンを傾け、線の太さの変化から傾き検知の精度を確認しました。
- どの筆圧でも線が濃く出る。傾き検知機能はない
- 筆圧は感知するが、線は全体的にかなり濃い。傾き検知機能はない
- 筆圧を感知して表現できるが、全体的に少し濃い。傾き検知機能はない
- 白よりのグレーまで表現できる。傾き検知の精度も少しよい
- 白に近いグレーまで表現できる。傾き検知の精度もかなり高い
傾き検知の精度は緩やかだが、筆圧はしっかり感知できる
表現幅の広さの検証では、3.5点と合格レベルの評価に。
傾き検知の精度はそれほど高くはないものの、線の太さにはしっかりと変化がみられました。
また筆圧レベルに関しては、最初の重り300gの段階で黒色に近いグレーとなってしまったものの、重りを減らしていくにつれて色の濃淡は細かく表現できています。
筆圧をしっかり感知しているのに加え、アナログのペンと同じようなほどよい硬さの沈み込みがあるのもポイントです。傾き検知の緩やかさは惜しいものの、色の濃淡は出しやすいといえます。
表現の幅広さ・機能性にこだわる方には、こちらもおすすめ
XP-PEN Innovator 16は描きやすさにおいて優秀な結果となりましたが、最後に他のおすすめ商品もご紹介したいと思います。
表現幅の広さを重視する方には、Wacom Cintiq Pro 16がおすすめです。筆圧による濃淡はもちろん、傾き検知の精度も高く、ペンの角度に合わせて線の太さも変えられます。モニターへの表示に遅延や視差もなく、タッチ入力など機能性の高さも魅力。快適にイラストを描けますよ。
またHUIONのKamvas 13は、液タブではめずらしくAndroidに対応した1台です。パソコンに接続しなくても、スマホでイラストを描けます。さらに替え芯やペン立てなど充実した付属品もうれしいポイント。描きやすさも申し分なく、重さ約980gと軽量のため持ち運びもしやすいですよ。
| サイズ展開 | Cintiq Pro 13、Cintiq Pro 16Cintiq Pro 24、Cintiq Pro 32 |
|---|---|
| 解像度 | 最大4K（3840x2160ドット） |
| 読取可能範囲 | 15.6インチ |
| 筆圧段階 | 8192 |
| 色域 | Adobe RGB カバー率：最大90% |
| 最大表示色 | 1677万色 |
| 本体のファンクションキー | |
| 対応OS | Windows7以降、Mac OS 10.11以降 |
| ダイレクトボンディング加工（フルラミネーション加工） | |
| 角度調整スタンドあり | |
| 幅 | 410mm |
| 奥行 | 17.5mm |
| 高さ | 265mm |
| 重量 | 1.5kg |
| 傾き検知機能 | |
| タッチ入力対応 | |
| スマホ対応 | |
| 付属品 | Wacom Cintiq Pro 16本体、Wacom Pro Pen 2、ペンスタンド(通常芯6本、フェルト芯4本、芯抜き）、カラーリング、ペンホルダー、ACアダプタ、電源ケーブル、Wacom Link Plus(USB、 Mini-DisplayPortまたはHDMI-USB Type-C変換コネクタ）、Mini DisplayPortケーブル、USB type-Cケーブル、USB2.0-micro USBケーブル、クイックスタートガイド、保証書、レギュレーションシート、クリーニングクロス |
| サイズ展開 | Kamvas 12、Kamvas 13、Kamvas 13、Kamvas 16、Kamvas 20、Kamvas 22 Plus |
|---|---|
| 解像度 | フルHD (1920×1080ドット） |
| 読取可能範囲 | 13.3インチ |
| 筆圧段階 | 8192 |
| 色域 | sRGB：120%（カバー率または面積比どちらか不明） |
| 最大表示色 | 1670万色 |
| 本体のファンクションキー | 8 |
| 対応OS | Windows7以降、Mac OS 10.12以降、Android（USB3.1 GEN1） |
| ダイレクトボンディング加工（フルラミネーション加工） | |
| 角度調整スタンドあり | |
| 幅 | 366.5mm |
| 奥行 | 11.8mm |
| 高さ | 217.4mm |
| 重量 | 0.98kg |
| 傾き検知機能 | |
| タッチ入力対応 | |
| スマホ対応 | |
| 付属品 | 充電不要ペン(PW517）、替え芯、ペン先クリップ、ペン立てPH05、USB-C 3in1ケーブル、手袋、ユーザーマニュアル、クリーニングクロス、USB延長ケーブル |
Huion Kamvas13をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証
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