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■『Auto EXPRESS』によると、2代目NSXは400psの4WDハイブリッドモデル
2011(平成23)年12月30日、英国の大手自動車メディア『Auto EXPRESS』が、翌2012年1月開催のデトロイトモーターショーで公開予定の次期(2代目)「NSXコンセプト」について報じた。記事によると、“NSXコンセプトは、最大出力400psの4WDハイブリッドを搭載する”など、実際とは多少の違いはあるものの大筋正しい内容だった。
『Auto EXPRESS』が伝えた2代目NSXの情報
『Auto EXPRESS』は、1988年に創刊された英国で最も売れている週刊自動車雑誌である。最新の新車のレビューや路上テストおよびクルマや消費者の自動車問題に関するニュース報道、近日発売予定のクルマの推測記事などで知られている。NSXコンセプトは、推測記事のひとつで報道されたと推察する。
次期「NSXコンセプト」について、『Auto EXPRESS』が報じた内容は以下の通りである。
NSXコンセプトは、最大出力400psの4WDハイブリッドを搭載。ハイブリッドシステムは、3.5L V6エンジンを補うモーターだけでなく、2基のインホイールモーターを追加し、4輪を駆動する4WDシステムになる。また性能に関しては、0-100km/h加速は5秒を切るレベルと予想。市販時のボディタイプについては、クーペとロードスターの2種類であるとのこと。
デトロイトモーターショーでのNSXコンセプト登場
翌年2012年1月のデトロイトモーターショーで、予定通り「アキュラNSXコンセプト」が公開された。
鋭利な刃物で形作ったようなシャープなスタイリングのNSXコンセプトは、軽量ボディにV型6気筒エンジンをミッドシップし、“Sport Hybrid SH-AWD”の搭載によって優れたハンドリング性能をも獲得しようと狙う新世代スポーツカーのスタディモデルだった。
エンジンは、排気量こそ未発表だったが、V型6気筒VTECに直噴、気筒休止などを組み合わせた新設計ユニットと謳われていた。“Sport Hybrid SH-AWD”とは、エンジンとモーター内臓のデュアルクラッチギアボックスを組み合わせ、さらに前輪の左右を独立したモーターで駆動することで、優れた旋回性を引き出すという電動4WDシステムのこと。旋回中の内輪の減速エネルギーを外輪の駆動に用いるなど、高い効率で効果を発揮するという。
ボディはアルミを軸にスチール、部分的にはカーボンまで用いたハイブリッド構造となる。V型6気筒エンジン+電気モーターによって当然、動力性能もハイレベルとなるだろうが、速さより操るよろこびを重視したいとのこと。
結果的に、具体的なエンジンや性能まで公表されなかったが、『Auto EXPRESS』の報道は、概ね正しかったと言える。
実際に登場した2代目NSXの中身は
デトロイトモーターショーから約4年後、2代目NSXは北米で2016年5月、日本では2017年2月から発売が始まった。
騎士の鎧を彷彿させるようなフロントマスクに、NSXコンセプトと同じようにキャビンの背後にパワーユニットを搭載し、まさしくスーパーカーそのものだった。
初代から大きく変わった点は、予想されたように前輪2基、後輪に1基のモーターの計3つのモーターを使ったハイブリッドになったこと。V6エンジンのミッドシップレイアウトは初代と同じだが、排気量を3.0Lから3.5Lに拡大してツインターボを装着した高性能エンジンに、高効率モーターおよび9速DCTを組み合わせ、フロントには左右独立モーターを配置した“SPORT HYBRID SH-AWD”が採用された。
出力は、エンジンが最高出力507ps/最大トルク550Nm(56.1kgm)、ドライブ(後輪)モーターが48ps、前輪のモーターがそれぞれ37psで、システム全体では最高出力581ps/最大トルク646Nm(65.9kgm)に達し、0-100km/h加速は3秒台とされており、『Auto EXPRESS』の予想をはるかに上回るモンスターマシンに仕上がっていたのだ。
ちなみに日本での価格は、2370万円と初代(約800万円)の3倍近い、まさにスーパーカーだった。
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2代目NSXの最終モデル「NSXタイプS」を最後に、2022年11月にNSXは生産を終えた。一方、次期型NSXとして1000psを超えるBEVが2027年か2028年頃登場するのでは?という情報がある。日本初のスーパーEVの登場に期待が膨らんでしまう。
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