三ない運動見直し!埼玉県では高校生ライダーにバイクの安全・マナーを教えてくれる講習会があるらしい
長年バイクに乗っている若いライダーは高校生くらいから乗り始めた方もたくさんいると思います。
しかし、まだまだ高校生ライダーって少ないように思えます。
埼玉県では高校生ライダーに対してバイクの安全運転とマナーを教えてくれる講習会を実施!
今回は埼玉県で実施された、高校生の自動二輪車等の交通安全講習の様子を取材してきました!
今、高校生ライダーが増えている!?
高校生からバイクに乗ってるって東京で育った僕からすると結構希少なイメージでした。
バイクに乗っている今思うと高校生の青春真っ只中からバイクに乗れるってめちゃくちゃ羨ましい…!
今回の講習では会場となった「埼玉県自動車学校」へ近隣の高校から免許を持っているライダーが集まってました。
自分が高校生の時にこんなにバイク乗りの仲間は周りにいなかったので、まず参加者の多さにびっくり!
参加人数はなんと約50人ほど!
原付きから400ccまでほとんどが自前のバイクでの参加です(バイクがない方も参加可能)。
多いときは80人ほどいるときもあるんだとか!
高校生のバイク色は様々
バイクは決して安い乗り物ではありません。
まず免許を取るのに通いだと14万前後、それに加えて車体もそこそこな値段するし、それが敷居を高くしていたんですがそれでもバイクに乗っている高校生がこんなにたくさんいるんです。
しかもみんな結構いいバイクに乗っていたりします。
CB400SFもいればCBR250RRなど、大人と全く変わらないいいバイクに乗った高校生たちが溢れてました。
中には2スト旧車なんてマニアックなバイクも。
自分よりも古い年式のバイクに乗ってバイクを楽しんでる様子を見ていると「バイクってほんと年齢選ばず楽しめるんだな〜」とつくづく思います。
しかも面白いのがバイク黄金期の80年代と全く変わらないスタイルの高校生がいたりします。
時代は繰り返されるってマジだったんですね…!!
埼玉県は三ない運動を解消!
しかしなぜこの講習会が行われているのか、それは三ない運動を埼玉県が解消し、代わりに「高校生の自動二輪等の交通安全に関する指導要項」を制定したため。
そもそも三ない運動とは、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という日本の社会運動の一つ。
バイク全盛期の80年代に暴走族や走り屋達が各地に溢れ、事故で命を落としてしまうケースが後を絶たなかったため、若者に向けて生まれたものです。
今でもまだ運動を行っている自治体や高校もありますが、埼玉県では2年前にこれを見直し、バイクを禁止するのではなく、高校生の交通安全教育を重視するということになったんです。
確かに若いライダーで怖いのは事故…。
教習所で普通自動二輪免許を取ったならまだしも、筆記試験だけの原付き免許では一発目から公道なのでどう走るのが正解でどういうのが危ないのか、などは一切教わる機会がありません。
この講習ではバイクの基礎的な走り方から、教わる機会に乏しい危険予測などもしっかり教えてくれる講習なんです。
講習は実技メイン!
運転は実際に体を動かしてするものなので、この安全講習では自分のバイクで実際に走ってみて体で学べる時間が多く取られています。
教習所でやるような急制動やスラローム、一本橋なども実施。
最初に白バイ隊員がお手本を見せてくれて、その後実践。わからなければ指導員や白バイ隊員が教えてくれるという手厚い内容。
教習所では教習車に乗って練習していきますが、この講習では実際に自分のバイクでやらせてもらえるのが素晴らしいところ。
人それぞれ様々なバイクに乗っているので、結局は自分のバイクで練習して体に馴染ませるのが一番安全だと思います。
右直の危険予知なども
バイクの事故で一番多いのは自分が直進で相手が右折する際にタイミング悪く当たってしまう右直事故。
講習ではこんな場合はこういう危険が潜んでいる!というのを事細かく教えてくれます。
最初は白バイ隊員による演習でしたが、実技では実際に自分のバイクで走ってみてどれくらい見えないものなのかを体感させてくれます。
座って聞いているだけや誰かのを見ているだけではわからないものなので、こうして実技で教えてくれるのは確実に安全意識を高めてくれます。
しかもこんな内容は教習所の実技には含まれてません。
これを見て僕も高校生の時にこの講習受けたかったな…と思いました。
確実に事故を減らす!意気込みを感じる講習だった
一昔前のバイクのイメージってヤンチャな若者が乗っていて、乗りたくても学校が禁止していたり、親の許しがもらえなかったりと正直若者の乗り物ではなかったと思います。
しかしこのコロナ禍というのもあって今若いライダーはどんどん増えています。
それは20代だけではなく大学生から高校生まで様々。
今はある種のバイクブームが到来しているわけですが、そんな増えている時期だからこそ、安全に楽しむというのが大切。
歯止めが効かずヤンチャし続けて事故が増えるとまた80年代の二の舞になってしまいます。
結果論になってしまいますが、三ない運動がバイクを衰退させたと言ってもいいくらい、一時期はバイク=危険という風に見られていました。
しかしヤンチャな乗り方をしたらバイクは危ない乗り物になってしまうのは事実。
乗らせた上で安全を教える、という今回の取り組みは素晴らしいことだと思うし、これが広まっていけばこれからの世代にはバイク=危ないではなく、楽しい乗り物として認識してもらえるようになると思います。
三ない運動を解消して、高校生の安全運転教育の充実化に踏み切った埼玉県に拍手!
この講習で学んだことをしっかり理解して公道で実践していくことで、次の世代のライダーが健全なバイクの楽しみ方をしてくれるはず!
おそらく参加した高校生ライダーたちもただの講義ではなく、これからバイクに乗る上で気をつけるべき必要なことなんだと肌で感じていたと思います。
これからの若いライダーが安全に楽しく、グッドマナーなライダーとしてバイクに乗ってくれることを願っています!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)