仕事の相談が舞い込み続ける人と、そうでない人の違い
世の中には、SNSやブログなどでとくに情報発信せずとも「周囲から仕事の相談が舞い込み続ける人」が存在します。
弊社THE MOLTSにも、情報発信を全くしていないのに、月5件前後仕事の相談を個人でいただくメンバーが数名います。
いったいなぜ彼ら彼女らは引き合いが絶えないのか?
その理由を、「脳内SEO」という概念をベースに解説してみようと思います。
なお、 当記事は「個人を看板に仕事を受けたい」と考えているフリーランスや副業の方、支援会社で働いている方向けに綴りました。「個人」だけでなく「法人」や「サービス」に置き換えても通ずる部分が多々ありますので、紹介案件を増やしたい方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも「脳内SEO」とは?
人は課題や疑問、悩みにぶつかったとき、まずは “自分の頭のなか” で解決策を探します。自分自身で解決できそうであれば自分でなんとかするし、身の回りに助けてくれそうな人がいれば声をかける。それでも解決できそうにない場合は、インターネット上で検索する。
「脳内SEO」とは、この「自分の頭のなかで解決策を探す」という行為を「SEO」に重ね合わせて捉えたものです。
・解決策として真っ先に思い浮かなければ、すなわち検索1位でなければCV(仕事の相談)はなかなか獲得できない
・仕事につながるキーワードで引っかからなければCVは獲得できない
・そもそも検索ボリュームが少なければCVの機会は訪れにくい
・複数のキーワードで上位をとることもできる
・ドメインパワー(信頼)が順位変動の要素になる
・順位は変動し続ける など
あえて「SEO」になぞらえることで、Webに携わる人にとってはイメージしやすくなると思います。
仕事の相談がくる人・こない人の違い
私は、仕事の相談をもらうためには「身の回りの人たちの脳内SEOで1位をとること」が重要であると考えています。現に周囲から仕事の相談が絶えない人はもれなく、なにかしら仕事に紐づくキーワードで脳内SEO1位を獲得し続けています。
逆に、仕事の相談がこない人は、脳内SEOの順位が低い、あるいはそもそもインデックス(認知)されていないと言えるでしょう。
……ここで多くの人は、「それじゃあ認知を獲得しよう」と、SNSやブログを使って自分ができることをとにかく発信しはじめます。しかし、よく考えてみてください。マーケティングに困ったからといって、あなたは「TVにも出演するような著名なマーケター」に相談するでしょうか?
紹介案件を増やすことが目的なのであれば、不特定多数から認知を獲得する必要はありません。まずは身の回りの人たちの脳内SEOで1位を獲得するだけでも、個人〜少数組織であれば十分な相談件数を得られます。
それに身の回りにターゲットを絞れば、上位を獲得するための勝ち筋を見出しやすくなります。ぜひ、あなたはいま「身の回りの人たちにどういうキーワードでインデックスされているのか」「そのキーワードで何位なのか」を考えてみてください。そうすれば、声がかかる理由・かからない理由がおのずと見えてくるはずです。
「脳内SEO」で1位を獲得するために
脳内SEOで1位を獲得するためには、第一に「キーワード選定」が重要です。
もし仮に、若手マーケターが「広告運用というキーワードで1位になりたい!」と考えたとします。同じコミュニティ内に業界歴20年かつコストパフォーマンスもよい圧倒的な実力者がいる場合、1位の獲得はほぼ不可能です。こうした競合性の高いキーワードはとくに、いくら狙ってもすぐには勝てません。
しかしながら、その実力者が「月の広告予算500万以上の案件しか受けない」ことで有名だったとしたら。「広告運用 少額」「広告運用 初めて」といった複合キーワードにズラすことによって、1位を獲得し、機会を創出することができます。
こう言うと、「そんなニッチなキーワードで1位をとっても売上がそこまで見込めないな」と感じる人もいるかもしれません。
しかしながら、いまあなたに仕事の相談がきていないのであれば、自分のポジションを変えない限りその状況は打破できません。求めるキーワードで1位をとりたいのなら、所属するコミュニティを変える。もしくは、自分の支援範囲を広げて獲得するキーワード数を増やす、といった工夫が求められます。
▼ キーワード選定の手順
- 現在所属しているコミュニティにて、自分が獲得しているキーワードと順位を推察する
- これからどんなキーワードを獲得する必要があるのか洗い出す
- そのなかで1位を獲得できそうな勝率の高いキーワードを探す
これらを設計してはじめて、情報発信の方向性は定まります。SNSでノウハウを発信するだけでなく、資料を作ってDMを送る、コミュニティに参加する、slackに投稿するなど、選定したキーワードで順位を上げるための手段はさまざま存在します。
インターネット上でやみくもに情報発信する前に、ぜひ一度考えてみてください。
他にはどんなキーワードを獲得するべきか
どんなキーワードを狙うか考えるときは、ターゲットの「カスタマージャーニー」を描くことをオススメします。身の回りのコミュニティでどんな課題や悩みが発生し、どんなきっかけで商品サービスに興味を持ち、比較検討を進めていくのか。パターンをいくつも洗い出しましょう。
たとえば、ある人の売りたいものが「オウンドメディア支援」だったとします。身の回りに「オウンドメディアを手伝ってほしい」というニーズを持った人がいなければ、「オウンドメディアの支援実績を豊富に持っています」といくら訴求しても刺さりません。
一方、身の回りに「広告費が高騰してしまっている」という課題を持っている人がいる場合、「広告費高騰 改善策」というキーワードで1位をとれば、その解決策として、オウンドメディアを提案できる可能性が生まれます。
このように、カスタマージャーニーを描いて、相手がどういう課題を抱えているのかしらみつぶしに考えていくと、とるべきキーワードの選択肢はぐんと広がります。
人対人の「信頼関係」が順位を押し上げる
脳内SEO1位を獲得するためには、「キーワード選定」だけでなく「ドメインパワー」も大切な要素です。脳内SEOにおける「ドメインパワー」とはつまり、実績や人柄に対して生まれる「信頼値」です。スキルやパフォーマンスに大差ない場合、信頼できる人のほうに当然声はかかります。
ドメインパワーはさまざまな要因で変動しますが、日々のコミュニケーションを通じて上がったり下がったりする点が特徴です。
細かな話ですが、たとえば案件を紹介したときに、必ずその後の結果まで報告してくれる人。食事をごちそうしたときに、気持ちよく感謝を伝えてくれる人。いつ連絡しても、すぐに快くレスポンスしてくれる人。こうした人たちには「また連絡しよう」と思いますし、逆にこうしたコミュニケーションができない人たちには、「もう連絡しなくてもいいかな」と感じるはずです。
最も重要なのは「なんとかしてくれそう」という信頼です。小さなことでも目の前のミッションに忠実に動き続ける人は、大きなことへの相談も入っているケースが多い気がします。
当たり前のことながら、こうしたやり取りの丁寧さや気持ちよさ、スピードといった「日々の心がけ」が脳内SEOには有効です。
さいごに、「実績」はあって当たり前
脳内SEOについて、ここまで要点を絞って解説してきました。最後にもう一つだけ大切なことを。
キーワードを獲得するうえでは「実績」があって当然です。
「私はこういう価値を提供できます」といくら主張しても、実績という「証拠」がなければ受注は生まれない。まさに「論より証拠」です。
たとえば弊社では、まず過去の実績それぞれに対して具体的な成果や事業成長の根拠、提供カテゴリ、提供形態、アサインされた理由、アサインされた経路を洗い出し、「なにを顧客に提供してきたのか?」を可視化します。そのうえで、どんなキーワードを狙うのか選定していきます。
「キーワードが先」ではなく、自分が今までやってきたことを起点に、クライアントになにが提供できるのかを考え、どのキーワードで戦っていくのかを考える。この順番が重要です。
実績の重要性については、また別の機会にぜひ解説させてください。
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