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日本人男性の不思議な生き方 「男性らしさ」の日仏比較

竹内真里・フリーライター
フランスでは日が暮れるのも早くなり、午後5時には電飾が点灯する=筆者撮影
フランスでは日が暮れるのも早くなり、午後5時には電飾が点灯する=筆者撮影

 「日本人男性は、なぜ街で姿を見られないの?」。フランス人の素朴な疑問だそうです。フランスではカフェでも公園でもスーパーマーケットでも、日常的に男性の姿が見られます。日本は「家庭や社会活動は女性の役割」という認識がまだ強いためのようですが、それではフランス人男性はなぜ街中にいられるのでしょうか。現地在住の竹内真里さんが、フランスの男性たちに迫りました。

男性が感じるプレッシャーとは

 11月も半ばを過ぎると、街の商店のショーウインドーの飾り付けもクリスマス風となった。普段、感じの悪いアパルトマンの管理人が、人が変わったように機嫌よく話しかけてくる。自宅の呼び鈴もよく鳴るようになった。空き巣の下見の可能性もあるのだが、多くは来年のカレンダーの訪問販売をする郵便局員や消防隊員だ。こちらが在宅でも不在票を入れて郵便局に荷物を取りに来させるような配達員が、年に1回は、わざわざ自宅のドアまでやって来る。心付けを期待する年末の風物詩だ。

 前回の原稿(「なぜ日本人は高齢になっても働くの?」 フランスの高齢者が悠々自適な理由)で、日本に短期滞在したフランス人が「日本では多くの高齢者が働いている光景に驚いていた」と書いた。この話には、まだ少し続きがある。その人は「日中、外で見かけるのは、高齢者と女性ばかりだった。男性は勤務中の人やスーツ姿の人ばかりで、カフェや公園、スーパーマーケットにはあまりいなかった」と印象を話していた。

 高齢者だけではなく、男性の生き方についても、日仏の差は大きい。先ほどのコメントにあるようにパリから来たフランス人の目には、日本人男性の生き方は不思議なようだ。パリや他の大都市では日中の公園、書店、飲食店、バスやメトロの中など、あちこちに男性の姿がある。子どもの学校や習い事の送迎時にも父親の姿がある。男女比の偏りが少ないとでもいうのかもしれないが、ほどよく交じっている。

 働き方も、平日の日中に勤務する会社員だけではなく、平日が休みやシフト制の仕事、自営業などさまざまあるのが現代社会だ。しかし、日本はどうだろうか。…

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フリーライター

1978年千葉県生まれ。東京で外国人児童の通訳支援員などを経て、2009年からライターとして取材・執筆に従事。香港に4年滞在後、15年から在仏。日本の新聞や海外旅行情報誌に現地情報などの執筆を続けている。現在はリヨン郊外在住。