難聴のある2歳妹に、電車が近づいてきたことを知らせる4歳のお兄ちゃん。数秒後、大好きな電車がふたりの目の前を通過すると…!?手話で喜び合うきょうだいの動画がInstagramで話題です。動画には「癒されます♡」「ふたりの笑顔が素敵!」と反響が寄せられています。
動画に出てくるのは、もうすぐ2歳になる先天性高度難聴の女の子あやなちゃんと、4歳の兄せなくん。初めて発した言葉も手話だったというあやなちゃんに、いつでも寄り添い一生懸命手話を覚える優しいせなくんの何気ない日常の瞬間に「ふたりを産んで良かった」と、ママも思いを語ってくれました。
この日は、あやなちゃんはベビーカーに乗り、せなくんは歩いてママと散歩に出かけたそうです。電車が通ることを知っていたふたりが、線路沿いで電車を待っていると、電車が近付いてきた音に先に気が付いたせなくん。
あやなちゃんと同じ目線まで腰を落とし、優しく電車が通る方へとあやなちゃんの顔を向けて両手で固定させます。あやなちゃんも、せなくんが電車を教えてくれていることが分かるのか、安心しているような表情です。電車が通る方向を見ながら、じっとあやなちゃんに音が聞こえるまで待っているふたり。
電車が近付いてきて、電車の音があやなちゃんにも聞こえると、ベビーカーから身体を起こして喜ぶあやなちゃん。手話で電車を表現しながら、せなくんはジャンプをして、あやなちゃんは手を振ります。全身で喜ぶふたりの姿で、動画は締められました。
動画を撮影したママ(@ayana.mamagram)に話を聞きました。あやなちゃんの成長記録や、あやなちゃんが生後4カ月から通っている『ろう学校』について、難聴と向き合う子育てへの思いなどを丁寧に投稿されています。
ーーふたりは電車が好きなのでしょうか?
「あやなちゃんが初めて発した言葉は、1歳5カ月のとき、手話の『でんしゃ』でした。0歳の頃から、毎日自宅リビングから電車を見ていました。今も好きです。
せなは特別電車が好きというわけではなく、あやなちゃんが初めて発した『ことば』だということを当時から理解していて、積極的にあやなちゃんが好きな電車を一緒に見て手話で表現してあげていました」
ーーふたりで協力して、楽しいことを共有する姿を見たときのお母様のお気持ちを教えてください。
「手話という言語とともに歩み始めて、まだ間もないふたり。ましてや聞こえるせなにとっては、縁もゆかりもなかった手話という言語で、ふたりがコミュニケーションを取っていること、こんな日が来るなんてことを想像もしていませんでした。ただただ嬉しく、頼もしく、幸せな気持ちでした。大袈裟ではなく、ふたりを産んで良かったと思いました」
ーーママから見たせなくんとあやなちゃんは、どのような関係性でしょうか。
「せなは、あやなちゃんが生まれたときからずっと溺愛しています。そんな兄のことを、最近少しウザそうに塩対応する妹です。でも困ったときはせなに甘えて頼ったり、基本的には仲が良いです」
ーーあやなちゃんの難聴との関わり方や、ご家族のありのままの姿をSNSで発信をして、もうすぐ2年が経つとのこと。SNSで投稿をしてきて、良かったと感じることを教えてください。
「良かったと思うこと、たくさんあります。生後3カ月になる頃にInstagramでの発信を始め、だんだんとフォロワーさんや応援してくださる方が増えました。また、同じ難聴児を育てる全国のお母さんと繋がれたことも、良かったと思います。娘の成長を可視化でき、私自身が子育てについて見返したり反省したり、自分の学びにもなっています。
家族の在り方を見直すこともできます。娘が私たちにもたらしてくれる、たくさんのギフトを世に発信することで、より良い社会になればいいなと心から思います。また、悩んでいる家族の力になれたりするのも嬉しいです。これからも記録を残し続けようと思う、原動力になります」
Instagram(@ayana.mamagram)では、元気いっぱいに育つあやなちゃんと優しい兄せなくん、愛溢れるご家族の日常を見ることができます。あやなちゃんの難聴や0歳から通うことができる『ろう学校』の詳細についても幅広く発信されています。