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「OpenStack Rocky」登場、ベアメタルを強化、サーバーレスにも取り組みを拡大

 OpenStackコミュニティは8月30日(米国時間)、オープンソースのクラウド基盤「OpenStack 14.0」(「Rocky」)の公開を発表した。サーバーレスコンピューティングへの対応を実現する新モジュールの導入、ベアメタルの強化などが特徴となる。

 OpenStackは年2回のリリースサイクルを持ち、Rockyは2月のQueensに続く通算18回目のリリースとなる。OpenStackによると、プライベートクラウドはもちろん、75以上のパブリッククラウドデータセンターで利用されているという。

 Rockyの最大の特徴は、ベアメタルプロビジョニングのIronicの強化。Ironicは、コンテナをベアメタル上に直接実装したいというニーズを受けて導入されたもの。ハイブリッド環境やマルチテナントの土台となるもので、Rockyでは設定と自動化を中心に機能が図られた。

 ユーザーがBIOS設定を管理できる機能を導入した。NFV(Network Functions Virtualization)などに有用という。ディスクレス実装のためのインターフェイスを導入、高性能コンピューティング(HPC)など大規模な実装が高速になるとしている。

 ドライバを使ってハードウェア上でオペレーションを実行する「Conductor」では、conductor_groupプロパティを導入した。特定のconductor(単一及びグループ)が管理するノードを制限できるもので、物理的な場所に基づきノードを隔離することができ安全性や性能の強化につながるとしている。

 Ironic以外でもさまざまな強化が図られている。GPU、FPGA、DPDK、SSDなどのアクセラレーターのライフサイクル管理を提供するCyborgでは、FGPA向けREST APIを導入、FGPAデバイス上に読み込んだ関数を動的に変更できるようになった。このほか、仮想マシン高可用性機能のMasakari、負荷分散のMagnumなどでも強化が加わっている。

 新しいモジュールとして、Qinlingを導入した。FaaS(ファンクション・アズ・ア・サービス)プロジェクトで、OpenStackクラウド上でのサーバーレス実現を目指す。

 アップグレードプロセスでは、TripleO(OpenStack On OpenStack)プロジェクトが開発する「Fast Forward Upgrade(FFU)」の取り組みを紹介している。技術が成熟し、TripleOユーサーは3リリース先のリリースまでアップグレードを高速に行えるという。

 OpenStack RockyはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

OpenStack Foundation