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バージョン管理システム「Subversion 1.8」が登場、競合解決ツールや出力の改善など変更点多数

 Apache Software Foundation(ASF)は6月18日(米国時間)、オープンソースのバージョン管理システム「Apache Subversion 1.8」をリリースした。マージ追跡とツリー競合検出を強化するなど、ブランチやマージがよく発生するプロジェクト向けの機能を強化したという。

 Subversionは広く使われているバージョン管理システム。複数の開発者が1つのリポジトリにネットワーク経由でアクセスする中央集権型のアーキテクチャを持つ。幅広いプラットフォームに対応し、さまざまなクライアントから利用できる。以前は米CollabNetの下で開発が進められていたが、2009年にApache Software Foundation(ASF)への移管が発表され、以後はASFの下で開発が進められている。

 Subversion 1.8は2011年半ばに登場したバージョン1.7に続くメジャーアップデート版。大きな変更点としては、従来はsvn copyおよびsvn deleteコマンドの組み合わせ(ファイルをコピーしてから元ファイルを削除する)として認識されていたファイルの移動(move)が、単一の「ファイルの移動」という処理として認識されるようになった点や、異なるブランチからのマージ時に「再統合マージ(reintegrate merge)」が自動的に実行されるようになった点などがある。マージ時などに発生する競合を解決するための機能が組み込まれるなど、競合解決のための機能も強化されている。

また、作業コピーのフォーマットが変更されたほか、svn mergeinfoやsvn status、svn infoといったコマンドの出力の改善、Berkley DBベースのストレージバックエンドの廃止勧告なども行われている。

 変更履歴などを保存するためのデータベースである「FSFS」も改善され、ファイルサイズの削減などが行われている。そのほか、新コマンドとしてベンチマークを行うためのsvn-benchコマンドとリポジトリの情報を表示するfsfs-statsコマンドが追加された。

 なお、Subversion 1.8よりも前のSubversionで作成された作業コピーは書き込み操作が行われた際に自動的にアップデートされる。ただし、一部の状況では手動でsvn upgradeコマンドを実行して作業コピーのアップグレードを行う必要があるという。また、Subversion 1.6系のサポート終了も発表された。

 Apache Subversion 1.8のソースコードとバイナリはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache Subversion
http://subversion.apache.org/