しまい込んでしまっては不便だけど、床に置いておくのはちょっと……というアイテムってありますよね。カバンや上着、消臭スプレーなど、ひんぱんに使うものはパッと手に取れる場所に置いておきたいです。
その結果、とりあえずそのあたりに掛けたり、床に置いたりしてしまいがち……
見栄えがよろしくないので、こういったものをスッキリまとめたい。でもスペース的に本格的な棚を買うのは避けたい……と探したところ、よさそうなものを見つけました。それが、突っ張り棒収納の「tatecco(タテッコ)」です。
「tatecco」は、ベースとなる1本の突っ張り棒に、ハンガーやテーブルなどの専用パーツを自分で選んで取り付けるというちょっと変わった収納です。イメージしづらいと思うので、まずは完成形をご覧ください。
筆者の部屋に設置した「tatecco」です
写真を見て驚いた方もいらっしゃるかもしれません。突っ張り棒といえば当然“横”に突っ張るものをイメージされると思いますが、「tatecco」はその名のとおり“縦”。天井と床の間で縦に突っ張ることで、好きな場所に収納スペースを簡単に増設できるというものです。
「tatecco」は、突っ張り棒商品を多く手掛ける平安伸銅工業の商品。なんでも、代表取締役社長の竹内香予子氏は「つっぱり棒博士」なんだとか。
ちなみに「tatecco」には2シリーズあり、今回ご紹介するのは「お部屋シリーズ」です。もうひとつは、キッチン用の小さな縦突っ張り収納の「キッチンシリーズ」。キッチンで豆苗を栽培するための「村上農園コラボ tatecco 無限豆苗生活セット」がヒットするなど、「キッチンシリーズ」も面白いので興味があればぜひ調べてみてください。
さて、ここからは我が家に「tatecco お部屋シリーズ」を導入してみた様子をお届けします。
ベースとなる突っ張り棒「たてっこポール」に取り付けられるパーツは全部で5種類あり、好きなものを選べます。筆者は3つのパーツを購入しました。
こちらはベースとなる突っ張り棒の「たてっこポール」
専用パーツの「かくせるテーブル」
「くっつくパネル」
「かどまるハンガー」
外箱に記載されている名言(?)
外箱がオシャレだったのですが、開けたところに「タテだから1本で思いのまま」という言葉が入っていたのにも驚きました。確かに、横に突っ張り棒を使おうとすると場所が限られてしまいますが、縦だと使える場所がグンと増えるんですよね。
購入時の注意点としては、「tatecco お部屋シリーズ」のポールには「お部屋シリーズ」のパーツ、「tatecco キッチンシリーズ」のポールには「キッチンシリーズ」のパーツしか取り付けできませんので、間違えて買わないように注意しましょう。
さて、さっそく取り付けていきたいのですが……正直に言うと、ベースとなる突っ張り棒の「たてっこポール」の組み立てが少し難しく感じました。取扱説明書は同梱されておらず、基本的な取り付け方法は外箱に記載されているものの、これが少しわかりにくい。詳細な説明書はQRコードを読み取って確認する必要があり、最初は「面倒だな」と外箱の説明だけで組み立てようと試みたのですが、結局QRコードも読み取ることに。しかしそちらもそこまで詳細なわけでもなく、何度か試して「たぶん……これで合ってる?」となりました。それでも確信は持てず。
簡易な説明は外箱に記載
具体的に何が難しかったかというと、4本の棒を組み立てて1本のポールにしていくのですが、どの棒が上中下のうちどこにくるものかがパッと見はわかりにくかったこと、そして他製品には多く存在する、突っ張りを調整するバネ部分がほとんどなかったことです。
バネの遊びが少ないのがネック
バネ部分の遊びが多ければ、少し長めに組み立てておき、ギュッとバネを縮ませながら天井と床の間で突っ張らせることができますが、この商品はバネ部分の遊びがほとんどないため、最初からほぼぴったりに組み立てなければならず、それが難しかったです。
どの長さに設定し、さらにどのような手順で突っ張るか迷った
悪戦苦闘し、1回設置して倒れそうになってやり直して……を繰り返しながら、なんとかベースの突っ張り棒をセットしました。本当は梁の下にセットしたかったのですが、対応する天井から床までの高さは190〜300cmまでのため、かなわず……。もう少し高さの幅があればさらに設置できる場所が広がるのですが。
なんとか「たてっこポール」を設置完了
ちゃんと取り付けられていれば、押しても当たってもグラグラしません。ただ今回は、組み立てを一度間違えてしまったために、致命的な傷が付いてしまいました。ちょっとショック。
押してもグラグラしない。しかし傷を付けてしまいショック
続いて、自分で選んだ収納パーツを取り付けていきます。これはかなり簡単ですぐにできました! 突っ張り棒の端から通す必要がなく、突っ張り棒設置後に付けたり外したりできるようになっているのはすごくいいです。
まずはこのパーツを突っ張り棒に巻くように取り付けます
巻き付けるように取り付けるパーツの内側には滑り止めが付いているので、重い物をぶら下げてもずりずり……っと位置が変わってしまうことはありません。
滑り止め付き
レンチでネジを絞めます
さらにパーツを差し込み……
上から留め具をはめればOK!
パーツの設置方法は共通なので、慣れればすぐにできます
順番に、3つのパーツを好きな位置に取り付けていきます。ここで注意すべきなのは、向きを揃えること。前述のとおりパーツには滑り止めが付いているため、取り付け後に向きや位置を変えることはできません。変更したい場合は、再度ネジを外して取り付け直す必要があります。
各パーツの向きは揃えると見栄えがいいです
それでは各パーツの用途を見ていきましょう。まずは「くっつくパネル」。磁石が使えるので、好きな場所にメモやポストカードなどを貼り付けられます。さらに穴が開いているので、S字フックも取り付け可能。
マグネットもS字フックもOKで、汎用性が高いです
筆者はマグネット式のフックを活用し、カレンダーと時計を掛けることにしました。
折れ曲がっている天井部分にもマグネットが付くのでこんな貼り付け方も可能
続いては「かくせるテーブル」。棚のように、好きな物を置けます。筆者はぬいぐるみを置いてみました。意外とぬいぐるみって置き場所に困るので、シンプルに1体ずつ飾っておけるのはいいかも。カゴなどを置いて物を入れることもできますね。
ぬいぐるみの定位置に!
そして、「かくせるテーブル」の名前の由来はここ。裏に隙間のようなスペースがあり、ちょっとした文具や鍵などを“隠せる”ようになっています。サッと取り出せる利便性はありながら、表からは見えないのはかなりいい。
絶妙な隠せる具合が天才
そして最後は、「かどまるハンガー」です。独特の「かどまる」な形状によって、さまざまな使い道がありました。まずはスリッパ置き場。
“床に放置”が多かったスリッパを浮かせておける定位置が生まれました
さらに、スプレーボトルや衣類を掛けておけるスペースとして。
ちょい置きができるのは便利!
そして、リュックなどのカバンを浮かせて置ける定位置としての使い方です。カバンは床に置いておくとじゃまですが、とはいえ毎日使うならしまい込むのも面倒。このようにパッと掛けられる定位置が作れるのはいいですね。
トートでもリュックでも掛けやすい
3パーツを使いこなすことでかなりたくさんのものの定位置を作ったり、好きな物を飾ったりできました
今回筆者は3つのパーツを選びましたが、パーツは全部で5種類。残り2つは、カバンや小物を掛けられる「わっかのフック」と、リュックや洋服を掛けられる「まっすぐバー」です。パーツの数や種類の組み合わせは自由なので、何を掛けたいかによって選んでみてください。
これまでは、壁に穴を開けてカレンダーと時計を取り付けて、スプレーボトルは適当な位置に、衣類は洗濯物干し竿、リュックは床に直置きしていたのですが、「tatecco」の導入で一か所にギュッとまとまりスッキリしました。さらに、お気に入りだったけど飾る場所のなかったぬいぐるみも飾れてうれしい!
Before
After
突っ張り棒を1本設置しただけなので、手軽に、そして省スペースに収納を増設できました。
パーツの組み合わせは自由なので、「かくせるテーブル」だけを5個並べてしまうとか、「かどまるハンガー」をいくつも取り付けてクローゼット的に使うとか、工夫次第で無限に活用方法が広がります(注:たてっこポールの耐荷重は10kg)。ほかにもどんな使い方ができるか考えるのが楽しみ。大掃除と一緒に模様替えがしたくなるこのタイミングに導入できてよかったです!