まず最初に、この小説は現在の流行りのネット小説ではありません。
地の文が多く物語の進む速度はどちらかと言えば緩やかです。
では、流行りでは無いから面白くないか? というとそれは大きな誤りです。
緻密な描写や読みやすい文章は読む人に場の情景や登場人物達の声すら想像させてくれるでしょう。
作者様は「銀河英雄伝説」などがお好きと書いてありましたが、私がこの作品を読んで感じたのは「ロードス島戦記」などを書かれた水野良先生の文章でした。
現代では主流で無くなったオールドクラシックなライトノベル。
その原点に近い文章の楽しさを楽しめる作品であると思います。
「アルカンレーブ王国」に突如として聖教皇から「滅びの神託」が下される。
神託にしたがい、王国を救うべく旅に出るヴォルペ公爵家の長女アルナールたち。
彼女を中心に、あまりに少ない人数で危険な魔境へと旅立ち、国の存亡をかけた戦いに挑むことに・・・。
本作は、魔物とのバトルが緻密に描かれ、王族の背景や情景も豊かに描写されているのが特徴です。衣装、アイテムの描写もひとつひとつ、とても丁寧に描かれております。
また、個性的なキャラクターたちが愉快で勇壮な冒険譚を紡ぎます。会話も毎回楽しませてくれます。
緻密な戦闘シーンや重厚なファンタジー世界を好む方にお勧めです。
個人的に好きなところは、〝おとこ前〟な美しい女性主人公の活躍です。そこに魅力を感じる方にもぜひ手に取っていただきたい一作です!
神託によって滅びの運命が間近に迫っていることを知った王国が、滅びを防ぐために奮闘していく異世界ファンタジー作品です。
この世界における王国は、とある慈悲深き女神によって作り出されました。
神秘の加護によって長年の繁栄を享受していた王国でしたが、ある日、教皇が告げたのは滅びの未来。
いわく、加護の力は減少し続け、千年を節目に消滅すると。
すでに現存の加護は消滅を免れず、何とかするには新たな加護を作り出すほかありません。
加護を与える物質は、すでに国内には極小しか存在しない。
そして国外に広がるのは、魔獣の巣窟。ただの人間は生きることすらままなりません。
けれど、滅びを防ぐためには、苦難の道しか存在しない。
才能と最高の準備をもってして、王国は伝説の再構築に挑みます。
果たして、王国は滅びに抗えるのか。
ぜひ読んでみてください。