ええ、そうです。
転生したらミミックだったんですよ、主人公。
ミミック、ご存じですか? 私は知らなかったので検索しました。宝箱のお化けというか、びっくり箱みたいなモンスターなんですね。
それに転生しちゃったんです。主人公のヒムロ・マコトは。
当然こう……話せないので、孤独なんですよね。で、彼は考えた。箱の蓋をパカパカさせてモールス信号を送り、意志疎通を図ることを。
それで出会ったのが冒険者のヒナさん。
彼女はヒムロをパーティに加えてくれたり、スキルを付与してくれたり。
もちろんヒムロも彼女に頼りっぱなしではありません。バディとして活躍しますが。
次第にヒムロはヒナに心惹かれていくんですよね。
その過程が。
ものっすごく……いい!!!!!!!
丁寧で、動きとしてはゆっくりとしていて。
ふたりの関係をしっかり育てながら、かつ、自分の恋心を押し付けるのではなく、相手を尊重する。
そんな心の機微がしっかりと描かれていて、つい「あ、そうだ。いまヒムロ、ミミックだった」と我に返ることもしばしば。
ほかにも現代課題とリンクするような事柄もあって、ものすごく共感することも多いです。
なんというか。
姿かたちとか、言語とか。
意思疎通するときに障害になりそうなものって、実はそうでもないんだな、と。
本人たちにその気持ちがあり、相手の言葉に耳を傾けようとする姿勢があれば、コミュニケーションって成り立つんではないか。
そんなことを考えたり。
いやもう。
みんな読んで、本作を!
そしてヒムロや、ヒナさんを応援してほしい!
心底そんな気持ちでこのレビューを書きました!
肥前ロンズ様の『君のための魔王になりたい』は、 孤独な宝箱が冒険者ヒナとの出会いを経て、"人"としての成長を目指す、少し切なくも温かい異世界物語だ。その発想だけで十分に惹かれるのに、さらに驚かせるのは宝箱が動き出すその先にある、彼の真剣な想いと情熱だ。
ヒムロ・マコトは、まるで不器用なオルゴールのようにヒナへと寄り添う。その姿は「異形」と「人間」の境界を揺さぶり、時に笑いを、時に胸を締めつける感動をもたらす。例えば、ダンジョンで拾った青い水晶をピアスに加工し、ヒナへ贈るシーン。モールス信号で始まった交流が、言葉を越えた感情表現に昇華されていく様子は、なんとも愛おしい。
物語はヒナの過去に触れつつ、彼女のトラウマと向き合うマコトの葛藤を深く掘り下げる。彼が「魔王になりたい」という思いを抱く背景には、「守りたい」という純粋な愛がある。この愛がどのように魔王という形で結実するのか――そこには私たち読者の妄想を刺激する無限の可能性が広がっている。
読了後、読者の心にはこうした問いが浮かぶかもしれない。「真の強さとは、何かを守ることではなく、受け入れることなのではないか?」と。そして、あなたも宝箱を見かけるたび、こっそりモールス信号を送りたくなるだろう。
転生したらミミックだった件……なんて、そんな展開が新鮮でおもしろいなと思って読み始めました!
見た目はきっとゴツくてこわいはずのミミックなのに、懸命にコミュニケーションをはかろうとする様子を思い浮かべたら、かわいくて仕方ないです。
スキルをゲットして念話はできるようになりましたが、はたして彼は人間の姿になることはあるのか?
ギルドのお仕事はこれからどんなものが入ってくるのか。
ヒムロさんとヒナさんの関係はどうなる?
とか、楽しみ要素がいっぱいです!
ただの冒険モノと侮るなかれ。
文章も読みやすくて、すいすい頭に入ってきますよ。
ぜひ読んでみてください。
ミミックに転生してしまった、元日本人の主人公。喋れない、動けない彼は、誰かに見つけてもらえる日を夢見て、モールス信号を送り続けていた。
ある日、ついに彼は、運命の出会いを果たす――。
こうして同じく元日本人で転生者の女の子、ヒナさんとパーティーを組むことになった主人公なのですが、ヒナさんがかっこいい!かわいい!そして強い!!
経験値を分配してもらった主人公は、新たなスキルを獲得していきます。
こちらは第一章読了時のレビューですが、いずれ人の姿をとれるようになりそうな予感、そして恋の気配も( *´艸`)
続きが楽しみ♪
新感覚、ミミック・ファンタジーです!