これはただのデスゲームではない。
天才的な能力を持つ高校生たちが、生き残るために最後まで足掻いた記録である。
人食い鬼化する感染症が蔓延る船内。
船の操舵装置とエンジンは故障。
船の上という逃げることすらできない空間の中で、次々と彼らの生を蝕む問題が起こり、ひとりは皆が生き残るための道を探し、ひとりはワクチンを、ひとりはエンジンを、ひとりは自分ひとりが生き残るために殺す。
他人を利用し欺き時に抗えず食らう。
すべては主催者の意のままに。
そして最後に待つのは希望か、それとも絶望か。彼ら彼女らの希望のための悪足掻きを、ぜひその目で確かめて欲しい作品。
ちょっと、というかかなりグログロな描写がありますが、それを凌駕する作品構成、驚きの展開に一気に惹き込まれます。なので、この作品を読まないなんてもったいないのです。
ラストシーンは、ここまで読み終えた読者たちにとって、ものすごいインパクトを残したまま、エンドとなる、病みつきになるようなお話でした。
ぜひ最後まで読んで欲しい、作品。
苦手でなければ絶対に読んで欲しい、とにかくすごい作品でした!オススメです( ・`ω・´)b
優秀な遺伝子を持った少年少女らが洋上の密室に集められ、
命をかけたデスゲーム・バトルロワイヤルを生き残らなければならないお話。
それもただ周囲の命を奪って生き残ればいいというものではなく、
時限爆弾のようにセットされた恐ろしいウイルス、
電力を失い、修理必須となる船、といった様々な問題を、
協力し、助け合わなければ生き残れない状況。
そうして助け合った仲間が命を落とす、
誰一人欠けては困る各部門のエキスパートたちが失われていく、
非常に追い詰められる展開。
それが毎話ごとの息をつく暇もないスリリングな展開で、
残酷なまでのテンポのよさで繰り広げられます。
そして張り巡らされた伏線の数々。
衝撃のラストに、ついには息を忘れることでしょう。
ボクは読み終え、このように緻密に綴られた作品、感動させてもらえた作品を読ませていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。いまでも、読後の余韻に浸っています。
絶海の同一船内に閉じ込められた、大富豪の血を引く10人の後継者候補たち。
ウィルス感染により、10人に残された命の時間は1週間もありません。生き残ることが可能なのは1人、もしくはゼロ。
この作品は、ミステリー要素を多く含んだデスゲームのお話です。
ウィルスに侵された敵対する者や仲間たち、そして自分が、発症して狂気に染まってゆく。そんな緊張や不安が、分かりやすい文章で読み手に伝わってきます。
そして、ミステリー要素が、謎が興味を惹き、読み進むのが非常に楽しく、お話にのめり込んでいくことでしょう。
お話の終盤は、謎が明らかになる度、驚かされることの連続です。すべてが腑に落ちるものでした。
デスゲームはちょっと……と、いう方にも、読み飽きた、という方にも、自信をもってお勧めできる作品です。――是非!
未来ある子供達が、大人の勝手によって最後の1人になるまでデスゲームをさせられる。
自己中心的な人物もいますが、この状況を何とか生き残ろう。
生き残り話し合いで、その1人と決めようとしますが、お話のジャンル上そうはいかず、大人の思惑通りに一人また一人と死んでいく。
生きてさえいれば、こんなデスゲームに参加させられなければ、それぞれが得意とする分野で世界的な活躍をし、多くの人々に幸せをもたらしてくれていた。
それだけに、このデスゲームを仕組んだ張本人に対する怒りを感じずにはいられない。
思惑通りにさせないために、子供達はあらがいます。
その結末を、見届けて下さい。
海上の船に集められた十人の少年少女。彼・彼女たちはウィルス性疾患に罹患しており、それは症状が進むと人を襲い、食らい、やがて死に至るという危険なものだった。船から脱出する手立てはない。このままでは各人の意思に関わらず、殺し合いが始まってしまう――
不夜病とは何か?
はじめに語られるその症状には絶望しかありません。それでも、少年少女たちは生き残るために懸命に足掻きます。
不安と緊張に満ちたサスペンス、徐々に変化していく人間関係(人間ドラマ)、ゲノム編集などのSF。専門的な描写に、数々の真相。
常に動き、興味をひく物語からは目が離せません。
ネタバレを考慮してレビューにはこの程度のことしか書けないのですが、本当に様々な要素たっぷり、かつ、手の込んだストーリーで、とても読み応えがあります。
まずは読み始めてください。作り込まれた物語に、きっと驚かされますよ!
また、細部から作者様の意図や意味を感じられるところも私には魅力的でした。
物語をトコトン読み込みたい方、細かな考察が好きな方はそういう部分でも楽しめるのではないでしょうか。
もっともっとたくさんの方に読まれてほしい!
そして読了者同士で感想を語り合いたくなるような、読んだ者に噛み痕を残す素晴らしい小説です!
主要人物が大変な美形揃いで、各々が各分野における天才的な技能を持っているため、あっという間に物語に引き込まれます!主要キャラ10人ですが、外見、スキルなどが非常に巧みに描かれているため、混乱しません。
隔離された船が舞台になったクローズドサークルものですが、ある要素のおかげでその緊迫感はかなりのもの。専門的な内容もありますが、登場人物の職業的背景から会話に自然に組み込まれており、読みやすさと読みごたえが両立しています。
とにかくキャラクター造形が素晴らしく、皆生き延びてー、と祈る気持ちに。
是非ご一読を!お勧め致します!
※追記)ネタバレはありませんが、真っ白の状態で読みたい方は読了後推奨
デスゲームの古典といえばアガサクリスティ「そして誰もいなくなった」だろう。
孤島に集められた成年の男女が、マザーグースの童謡「Ten Little Indians」の歌詞にそって、ひとりひとり死んでいく。
こちらでは孤島ではなくクルーズ船に集められている。
船は二隻ある。
集められた十人はみな、父親が共通だ。父親の名は和邇士郎。
遺伝子操作された優秀な子どもたち。
巨大基幹産業企業SANDORAの後継者になるのはそのうちの一人でよいという。
海上の密室、豪華客船に集められた少年少女。
憶えるのが大変そうに想えるが、こういう時にはごく簡単でいいのでメモを取りながら読むと、全員あたまに入る。
わたしのメモはこんな感じ。
(メモ)
白石=イケメン。翠が好き。
翠=超絶美少女。
石黒=スパイ。メガネで背が高い。翠が好き。
赤城=マフィア。ヤバイ。
青山=がっちり体型エンジニア。
美墨=赤城のお気に入り
朱音=技術者
草野、葵衣=飛び級医大生
茉白=プラチナブロンド
そして消えた人間には印をつけるか線を引いていく。
作者さまには申し訳ないような適当なメモだが、登場人物を一度自分の頭に落とし込むことで、それだけでストーリーはすいすい頭に入る。
彼らは全員、厄介なウイルスに感染しており、仲間の血をすすり、数日後には互いの肉を喰らわねばならない運命にある。
船内研究室でのワクチンの開発が早いか、食人鬼化するのが先か。
総勢十人。彼らがいるのは左の船だ。
では右の船には……?
Who caught his blood?
I, said the Fish,
with my little dish,
I caught his blood.
誰が彼の血を取った?
それは私、と魚が言った
私の小さなお皿にね
私が取ったよ彼の血を
血を啜り合い、船内を逃げ回り、共喰いしたい欲望に振り回され、知恵と友情を絞り合う十代の少年少女たち。
Who'll toll the bell?
誰が鐘を鳴らすのか?
I'll toll the bell.
わたしが鳴らそう (「Who killed Cock Robin ?」)
ゲーム終了の鐘の音の鳴る時を、彼らは待っている。