「剣士」でも「魔術師」でもない「書記」というジョブ。社畜にふさわしいことこの上ないが、そのままではチートな能力など得られそうもない。
しかし、そこをスキル構成で乗り越え、さまざまなスキルを身に着けるという成り上がりの構造が良くできていると感じた。
ストーリーが単調にならないように、「社畜」が「社畜」たる所以である所属組織との相互依存、自立意識の欠如、主体性のなさなど、主人公の弱点をさらけ出し、自覚させることで成長への入り口が現れるようにしている。その辺りの仕掛けや心理描写が読者に飽きさせないための工夫と言えそうだ。
社畜を卒業した書記がどこまで上り詰められるのか、応援したくなる作品である。