博士(女性)と助手(男性)のコミカルな掛け合いが楽しいコメディ。
「再現――開始!」と実験の掛け声とともに出てくる変な(?)生き物たち。
その生き物はきちんとした現実の生物学的知識に基いて語られる。
まるで、学習マンガのように、ちょっと「賢くなった」気にもなりながら、単純に「クスリ」と笑いもするコメディ作品。
一話一話がコンパクトなサイズに収まりながら、スマートニュース×カクヨム「連載小説コンテスト」規定の30話で全体のストーリーもきれいにまとまって一旦完結。
(続編がいつか来そうな気がしますが)
お手本のようによくまとまった、素晴らしい作品だとおもいます!
レッツ!リアニメイト!
地球から遠く離れた宇宙ステーションを舞台に、好奇心の先走る女博士と、それに振り回される苦労人助手の研究物語。
作中の地球は環境問題が深刻となっており、研究者の二人は地球に住んでいた生物を再現しようとします。
この再現されていく生物たちは現実の地球にも生息しており、「こんなものがいたのか」と思うようなものもあれば、誰でも知ってるお馴染みとされるような生物まで様々。
変わった角度から生物の考察をしていく様が大変ユニーク。内容としても関心深く、ある種のコミカルな図鑑を閲覧しているような気分になりました。
後先考えない博士のトラブルメーカーっぷりや、それに振り回されつつもアシストしていく助手の健気っぷりは良いバランスで整っています。
スベスベマンジュウガニ、スカシカシパン、マーブルクレイフィッシュ。
これらは本作品に登場する、食材の一部です。
もう一度言います。食材です。
かつて地球に棲息していたと言われる、不可思議な生態を持つ生物たち。
宇宙ステーションに孤立してしまった天才美人博士とその助手である「僕」の食糧問題を解決すべく、『ほどほど再現くん』なるスーパーマシンによって現代より遥か未来の宇宙に再現され、実体化します。
なぜそのチョイス?! と思わず突っ込みたくなる生物の選定と、必ず訪れるお約束の失敗オチ。
当人たちが真剣であるが故に醸し出されるシュールなおかしさと、期待通り(?)に笑いを得られる安心感が、この作品の最大の魅力であります。
また、二人のキャラの掛け合いも絶妙です。
至高の頭脳を持ちながらも全く人の話を聞かず、暴走した末に自爆を繰り返す博士。
博士の功績を認めながらも内心冷静に突っ込みつつ、でも結局振り回されまくる助手。
噛み合っているようないないようなこの二人ですが、時おり思春期のぎこちない男女みたいな雰囲気になったりもします。最高かよ。
地球上にはまだまだ謎の多い生物がたくさん存在します。
特に生殖に関する部分には、我々の想像も及ばない生態を持つものもいて、読みながら心の中でへぇ〜ボタン(懐)を連打すること請け合い。
果たして彼らの食糧となり得る生物の再現に成功する日は来るのか? 今後も要注目です。