男の格好をし、孤独を愛するハル。
田舎から出てきたばかりで、純真爛漫な世間知らずの女の子・うらら。
そんな異なる魅力を持ったふたりの主人公(ヒロイン)が織り成す、友達以上百合未満な物語。
タイトルからもっとゆりゆりコメコメしているのかと思いきや、第一話ではハルが結構キツい態度をうららに取るので驚きました。まぁ、でもそこから脅威の粘り腰を見せるうららが凄くて、第一話の最後は心が動かされました。ごっちゃんです。
第二話からガラッと雰囲気が変わって華やかになるのですが、そこで登場するキャラたちも皆愛くるしいですね。カワイイは正義。間違いないです。
第三話が現在書き直し中だそうですが、果たしてふたりはどうなるのか? 百合未満からもっと百合な関係になってしまうのか、となんだかそわそわしてしまいます。ええい、早く更新しないか(偉そう
楽しみに更新を待っております。
追伸:轟天号に思わず噴き出しました。思わぬところで思わぬネタが出てきたものだw
外からきた世界観を内に受け入れ、なあなあで歩んできた少女と、
内からきた世界観を外に形成させようと、努力を惜しまない少女の物語。
仮に、当人の希望と方向性によって醸成された環境を、世界と定義するなら
彼、いや彼女との出会いでうららちゃんの世界観は拡張されたと言っていい。
現に、それを告白という形で吐露して、彼女との世界を希望したのはうららちゃんなのだから。
うららちゃんは「はっきりした目標もなくとりあえず生きている」と自分をなじったが、あの瞬間にはもう一貫して彼女のために奔走していた。
あの気高い精神のどこに腑抜けの余地があるのか! なんて謙虚でいじらしい子なのだ! お前はキンモクセイの花言葉かと!
底抜けに楽しい気持ちをくれるコメディが迷彩となり分かりづらいが、ここまで完成されたキャラ造形には脱帽の一言です。
ここから二人の世界が始まると思うともう涙とよだれとその他もろもろが止まりません。なにもかも垂れ流しながらで恐縮ですが、二話も楽しみに待っています。
あのね、俺は男らしい硬派な作品が好きなの。
こんな女の子同士がさ、きゃぴきゃぴ恋愛する作品とかね、読まないから。
まあでも? ちょっと? 気になるし?
プロローグだけでも? 読んでみようかな?
つってね。読み始めてみたワケですよ。
プロローグのラスト、
「はい、大丈夫です。女の子でも、大丈夫です」というセリフに合わせて「あ、あたしも女の子同士の恋愛、大丈夫よ!」って叫んでたね。むしろちょっとオネエ口調になってたから。
ハル目線で進んでいくストーリーは、うららの気持ちがわかるようでわからなくて、なんだか恋愛しているときのドキドキをぎゅっと凝縮したようなせつない気持ちになれちゃうの。
うららは本当にあたしのことが好きなの!?どうなの!?大丈夫なの!?ってやきもきするのよね。どこか信じ切れない気持ちと、やっぱり信じたい気持ちが綯い交ぜになって溶けていく。
ああ、女の子になって女の子に惹かれる気持ちって、こうなのねっていう、追体験よね。つい体験しちゃうわ、なんてね。
あらやだ、あたしったらオバサンみたい。
あたしもさ、いろいろあったんだけどさ、でもやっぱり、こういう青春時代のドキドキって、一生モンの宝物なのよね。
学校や街の描写はしっかりしているのにどこか空虚で、ふたりだけの世界に没頭してしまう若い恋愛ってこうだったわね、なんて思っちゃったわ。やだ、あたしったらオバサンみたいね。
なんかね、気づいたら2回目読んでたわ、あたし。
ちょっと謎の中毒性があるわこの作品。危険よ。取り締まりなさい?
とにかくふたりがちょっとずつ近づいていく様子が丁寧に描写してあるから、場末のバーからあたしもオススメするわ。
人生や仕事に疲れたらまたいらっしゃい。アディオス~