「動きながらの技術」はサッカーに必要不可欠。技術と戦術をつなぐ“ダイナミックテクニック”とは
2021年01月11日
戦術/スキルプレースピードがどんどん上がっている現代サッカーにおいて、目標とするプレーモデルを実現するためには、動いている状態でのテクニックが必要不可欠です。今回は『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』から、ダイナミックテクニックについて一部抜粋して紹介します。
文●濱吉正則、写真●Getty Images
ダイナミックテクニックはなぜ必要なのか?
目指しているプレーモデルの実現のために、ダイナミックテクニックは現代モデルの選手に必要な要素です。
現代のサッカーはプレースピードやテンポ、そして時間的空間的プレッシャーが年々増しており、認知・選択・実行のスピードが上がる中で、「止まった中での技術」ではなく「動きながらの技術」が不可欠になっています。相手のプレッシャーを避けるためにもプレースピードを止めないことは不可欠なのです。
ヨーロッパのスピーディーなサッカーはこのダイナミックテクニックの上に成り立っていると言っても過言ではありません。以前は外国人監督たちから「日本人は止まった中での技術は得意だが……」と指摘されていることがありましたが、多くの日本人がヨーロッパで活躍しているのを見ると、環境によって引き出せる部分だと感じます。それはSVホルンで日本人を指導した際にも感じました。例えば、香川真司選手は育成年代からこの能力が高く、ヨーロッパで活躍することになります。育成年代で身につけた動的な技術が彼の活躍を支えていたと言っても過言ではないでしょう。
ダイナミックテクニックを通して、戦術やプレーの原則を学ぶことで動きを組み替えて、試合の中で力を発揮できるようになります。個人でのアクションだけではなく、味方とのコンビネーションもあわせたものとしての力を、です。
ボールがないときの技術
●フリーランニング
●マークを外す動き
●予備動作からの動き出し
ボールがあるときの技術
●パス
●ボールコントロール
●ドリブル・フェイント
●ボールを運ぶ・突破
●ターン・スクリーンターン
●ワンタッチパス
味方とのコミニューケーション(コンビネーションや戦術)
●背後へのパス
●壁パス
●リターンパスからくさびへのパス
●3人目のパス etc
これらの要素を複合的かつ包括的にトレーニングしていくことが大切です。
段階的に動的な技術の習得を目指します。そして、状況を設定したトレーニングを通して、時間的・空間的、テンポの中での習得、または、その中での技術の発揮について徐々に習得していきます。テクニックには「オフ・ザ・ボール」の動きも含まれます。
全文は『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』からご覧ください。
【商品名】『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/01/06
【書籍紹介】
近年サッカー界で話題の「プレーモデル」という言葉。
欧州のクラブで、プレーモデルは当たり前のように取り入れられているが、
日本ではプロクラブですらプレーモデルという文化が定着しているとは言えない。
本書では、グラスルーツの指導者にもプレーモデルの概念を理解できるような、まさに教科書です。
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