イスラエル、シリアのイラン軍基盤に攻撃 ロケット弾発射受け
[エルサレム/ベイルート 10日 ロイター] - イスラエルは10日、シリア国内に展開するイラン軍事基盤のほぼすべてを攻撃したと明らかにした。イラン軍はこれに先立ち、イスラエル占領地域に向けロケット弾を発射した。
イスラエルは、シリア国内にある数十のイラン軍拠点のほか、自国機撃墜に失敗したシリアの対空部門を破壊した。イスラエル軍報道官が公表した。
シリア国営メディアによると、イスラエルのミサイル数十発がレーダー基地1カ所や複数のシリア防空拠点、弾薬庫1カ所に着弾した。
シリア陸軍司令部によると、イスラエルの攻撃で3人が死亡、2人がけがを負ったという。英国に拠点を置くシリア人権監視団は、攻撃でシリア国民や外国人ら軍関係者23人以上が死亡したとの見方を示した。
米ホワイトハウスは声明で、イランがシリアから攻撃したことについて「挑発的」と非難し、イスラエルの自衛権を支持すると表明した。
イスラエルのネタニヤフ首相はビデオ演説で、イランは「越えてはいけない一線を越えた」と指摘、イランがシリア国内に軍事的な態勢を整える事態を容認しない考えを明らかにした。
イスラエルはイランのロケット弾20発について、防空システムで撃墜するか、占領するシリア・ゴラン高原の目標地点に達しなかったとの見方を示した。イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」が発射したとみている。
シリア外務省はイスラエルの攻撃について、自国に対する「侵略の新たな段階の幕開け」との認識を示した。
*内容を追加します。
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