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日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2014年6月16日更新
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*JSDA賛助会員企業の紹介



さまざまな分野

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日本石鹸洗剤工業会のサポーター 賛助会員企業の紹介

4. 洗剤の機能を高める原料を供給 添加剤分野


 今回は、洗濯用洗剤の機能を高める種々の添加剤を扱う賛助会員企業から、2社をご紹介します。

◆添加剤 分野の賛助会員はこのような企業です

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世界市場のニーズに合わせた酵素を開発

ノボザイムズ ジャパン 株式会社

お話を伺った方々:
応用技術部 部長 社領 正樹さん、同部 主任 鈴木 陽一さん、セールス&マーケティング部 担当課長 清水 英俊さん


 ノボザイムズジャパンはデンマークに本社を置くノボザイムズ社の日本法人であり、産業用酵素の市場開発、販売、応用開発、そして基礎研究を行なっています。

  酵素は数百個ものアミノ酸が連なる、機能を持つタンパク質で、動植物をはじめとした生物の体内で生産されます。

扱いやすい微生物に効率的に量産させることがブレークスルーとなり、産業として確立しました。今では、いろいろな酵素が洗剤製造、食品加工、繊維加工、燃料製造などに利用されています。日本では1970年代後半から、低りん化(その後無りん化)された洗剤の洗浄力を向上させる目的で、プロテアーゼ(タンパク分解酵素)をゼオライトと組み合わせ配合した衣料用洗剤が発売され、大ヒットしました。その後、多くの種類の洗剤用酵素が開発され、広く普及しています。

 温水で洗濯するヨーロッパなどと異なり、常温の水道水を使う日本の洗濯では、低温で働く酵素を使用することが必要です。冬を想定した温度にまで洗濯水を冷却し実験するなど、日本の条件に適合した酵素を見出す為の、独自の開発を積極的に行なってきました。

 酵素の優れた特徴に、特定の対象にのみ作用する基質特異性があります。例えばタンパク汚れにはプロテアーゼが、デンプン汚れにはアミラーゼ(デンプン分解酵素)が作用し分解します。人体由来の皮脂や食品など、それぞれの汚れ成分ごとに最適な酵素が開発されています。また、綿繊維に働きかけて毛羽立ちを取り除く機能を持つセルラーゼ(セルロース分解酵素)があります。最近では数種の酵素を複合的に使用することで得られる相乗効果を利用し、環境にも配慮した高性能な洗剤が設計されています。

  酵素は、目的の酵素を分泌するよう最適化した微生物を培養することで得られます。細胞の外に狙い通りの酵素がたくさん作り出されるように設計することがポイントで、高度な遺伝子工学技術を応用しています。

液体培養の概略図と、酵素の顆粒

 ノボザイムズの洗剤用酵素顆粒は、力をかけても粉砕・飛散しないつぶれ方をし、粉末洗剤中で安定で、低温の水にも溶けやすいものです。また、液体洗剤には液状の酵素を用いますが、製造後、家庭で使用されるまで洗剤中で効果を維持することが求められます。酵素と洗剤組成の双方を工夫することで、安定な酵素を配合した液体洗剤が製品化されています。最近では、日本の洗濯は省エネルギーで環境に優しいと世界的に認知され、そのため低温で働く酵素の重要性も増しています。環境に配慮した洗剤開発、消費者の多様なニーズに応えるなど、さらに酵素の利用価値を高める開発や提案をしていきたいと考えています。



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洗剤原料も幅広く扱う世界有数の化学品メーカー

BASFジャパン 株式会社

お話を伺った方々:
高性能製品統括本部ケア・ケミカルズ事業部 セールスマネージャー佐野 弘和さん、マーケティング&テクニカルマネージャー 猪原 健さん、マーケティング 清水 かおりさん、テクニカル 宮本 洋輔さん


 BASFはドイツに本社を置く、世界をリードする化学会社です。世界 80 カ国以上であらゆる産業を支援しており、製品ラインは化学品、プラスチック製品、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたります。

 ケア・ケミカルズ事業部は、衛生関連、パーソナルケア、ホームケア、業務用洗浄関連等の分野に幅広い原料を提供しており、洗剤原料としては、各種の界面活性剤や、蛍光増白剤、ポリマー、金属封鎖剤などを扱っています。

 洗濯用洗剤の添加剤のうち、蛍光増白剤は、白い繊維をより白く見せるために使用されています。多くの白い繊維は、製造過程でも蛍光増白剤が使用されていますが、日光にさらされたり、衣服の着用や洗濯を繰り返すうちに徐々に脱落します。蛍光増白剤を洗剤に配合し、洗濯の度に補うことで、衣服本来の白さを長持ちさせ、資源保護にもつながります。

 人は物体が反射する光の波長によって物体の色味を感じていて、人の目には漂白された繊維も「真っ白」ではなく、黄色味を帯びて見えます。これは繊維に青紫色の光が吸収されて、残った補色の黄色が目立って見えているからです。蛍光増白剤には紫外線を吸収して青色の光を強く発する性質があるので、不足している青色を補って繊維の黄色味を打ち消すことができます。紫外線が当たることによって発光し、人の目に白く見せるメカニズムです。

蛍光増白剤で黄色味を打消す仕組み

   また、有機高分子ビルダーであるポリマーも、有用な添加剤です。長い鎖状の構造で汚れを包み込み、水中に分散させるもので、汚れの再付着防止や洗浄に邪魔な金属イオンを取り除くのに役立ちます。とくに節水型の洗濯機では、洗濯中の衣類の再汚染防止が重要となりますが、繊維や汚れの多様化に対応しながら、近年主流の液体洗剤に安定的に配合できるようなポリマーを提供するために、工夫や改良を重ねています。そして付加価値の高い添加剤を開発していくうえでは、環境もはずせないテーマです。当社は環境立国ドイツにルーツを持つこともあり、環境配慮型の製品を多く市場に送り出してきました。洗濯に使う水を軟水化して界面活性剤の洗浄力を助け、そのうえ生分解性も優れたアミノカルボン酸系金属封鎖剤を提案しています。

 またBASFは、「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」をビジョンに掲げ、環境、健康、安全に関する具体的な数値目標を設定し、達成に向けて取り組んでいます。たとえば、飲料水の製造向け使用量を2020年までに2010年比50%以上削減する、といった目標です。原料メーカーとして、サステナビリティに配慮した製品を提供することで、その原料を使った製品の付加価値も高めていけるのではと考えています。




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