BASFはドイツに本社を置く、世界をリードする化学会社です。世界 80 カ国以上であらゆる産業を支援しており、製品ラインは化学品、プラスチック製品、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたります。
ケア・ケミカルズ事業部は、衛生関連、パーソナルケア、ホームケア、業務用洗浄関連等の分野に幅広い原料を提供しており、洗剤原料としては、各種の界面活性剤や、蛍光増白剤、ポリマー、金属封鎖剤などを扱っています。
洗濯用洗剤の添加剤のうち、蛍光増白剤は、白い繊維をより白く見せるために使用されています。多くの白い繊維は、製造過程でも蛍光増白剤が使用されていますが、日光にさらされたり、衣服の着用や洗濯を繰り返すうちに徐々に脱落します。蛍光増白剤を洗剤に配合し、洗濯の度に補うことで、衣服本来の白さを長持ちさせ、資源保護にもつながります。
人は物体が反射する光の波長によって物体の色味を感じていて、人の目には漂白された繊維も「真っ白」ではなく、黄色味を帯びて見えます。これは繊維に青紫色の光が吸収されて、残った補色の黄色が目立って見えているからです。蛍光増白剤には紫外線を吸収して青色の光を強く発する性質があるので、不足している青色を補って繊維の黄色味を打ち消すことができます。紫外線が当たることによって発光し、人の目に白く見せるメカニズムです。
また、有機高分子ビルダーであるポリマーも、有用な添加剤です。長い鎖状の構造で汚れを包み込み、水中に分散させるもので、汚れの再付着防止や洗浄に邪魔な金属イオンを取り除くのに役立ちます。とくに節水型の洗濯機では、洗濯中の衣類の再汚染防止が重要となりますが、繊維や汚れの多様化に対応しながら、近年主流の液体洗剤に安定的に配合できるようなポリマーを提供するために、工夫や改良を重ねています。そして付加価値の高い添加剤を開発していくうえでは、環境もはずせないテーマです。当社は環境立国ドイツにルーツを持つこともあり、環境配慮型の製品を多く市場に送り出してきました。洗濯に使う水を軟水化して界面活性剤の洗浄力を助け、そのうえ生分解性も優れたアミノカルボン酸系金属封鎖剤を提案しています。
またBASFは、「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」をビジョンに掲げ、環境、健康、安全に関する具体的な数値目標を設定し、達成に向けて取り組んでいます。たとえば、飲料水の製造向け使用量を2020年までに2010年比50%以上削減する、といった目標です。原料メーカーとして、サステナビリティに配慮した製品を提供することで、その原料を使った製品の付加価値も高めていけるのではと考えています。
|