洋皿やカップに施されている金線や銀線の縁取りをした食器類を電子レンジで使用すると、ショートして縁取りが消失する現象はよく知られていますが、最近では全自動食器洗い乾燥機の使用により消失する事例が生じています。
金線は純金を王水(濃硝酸と濃硫酸の混合液)でコロイド状にした"水金"で描いてあります。絵付けの方法は、陶器を約1300℃前後の温度で焼き上げた後、水金で上絵付けをします。その後、上絵を定着させるためにもう一度焼きますが、この時の温度が800℃という比較的低い温度のために、上絵は取れやすいといえます。
同様に、上絵付きの食器の絵も消失することがありますが、これらの現象は、温度や洗剤の液性の影響を受けて消失するものです。このため、食器洗い機用台所洗剤のパッケージの表示には使えない食器としてこれらが掲載されています。
クリスタルガラス製の食器も要注意です。これはガラス質がアルカリで侵食され、光沢が消失し変質し曇った状態になります。全自動食器洗いの高温洗浄がそれに拍車をかける結果です。
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