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東京五輪「ブタ演出案だけで騒ぎすぎ」と言う人が、見ようとしない闇

<「渡辺直美をブタ=オリンピッグに」東京五輪開会式「責任者」が差別的演出プラン>と題する週刊文春(3月18日発売号)のスクープで、同日、クリエイティブディレクターの佐々木宏氏(66)が統括役の辞任を表明しました。
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「1年前の失言で騒ぎすぎ」という人、文春全文読んだ?

 SNSやニュースサイトのコメント欄でも、膨大な数の人がこの“事件”について書き込んでいます。多くは、容姿をいじる発言に怒っているのですが、一方で以下のような投稿も大量にあるのです。 「去年3月のLINEでの失言でこんなに騒がれるなんて。内輪のLINEを流出させるヤツのほうが問題」 「アイデア出し段階でのダジャレにすぎず、すぐ取り下げたのに。会議で意見も言えなくなる」 「こんな小さな話で、なぜマスコミは騒ぐのか。息苦しい世の中だ」  テレビで似たようなことを言ったコメンテーターもいます。  こういう人は、明らかに、週刊文春の本誌や有料配信版の全文を読んでいませんね。文春オンラインの無料配信分だけをチラ見して、ワーワー言っているのでしょう。というのは、今回のスクープで、「渡辺直美にブタの扮装をさせる」という佐々木氏の発言問題は、ほんの一部にすぎないからです。

コトの本質は、MIKIKOさんが“干された”経緯の謎

「全文を読めばわかりますが、東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出チームをめぐる、どうしようもない主導権争いがスクープの本質です。文春の報道を信じるなら、事実上の責任者だった女性振付師・演出家のMIKIKOさん(43)が、様々な圧力で“排除”されて、昨年5月頃から佐々木氏に取って代わられた、というのです」(週刊誌記者)
渡辺直美

昨年2月『エル・シンガポール』の表紙と大特集に登場した渡辺直美

「“ブタの演出案”は、たしかに昨年3月のLINEミーティングで出たアイデアにすぎません。ですが、文春が入手しているのは、“内輪のLINE”だけでなく、MIKIKOチームがIOCにプレゼンした企画書から、ゴタゴタの経緯を記したメールまで多岐に渡ります。  これは“流出”なんてものじゃなくて、『このままではマズい』と思ったチームの誰かが丸ごと告発したわけです。その資料の中で、一番スキャンダラスな“渡辺直美をブタに”という部分を、文春がタイトルと無料配信でピックアップしたのでしょう」(同)

ブタ以外のアイデアも、昭和感がヤバい

 文春オンラインの無料配信版には、佐々木氏の例のLINE画面が載っています。ブタだけに目を奪われがちですが、それ以外のアイデアもかなり昭和感が溢れています。 「LINEに書かれた佐々木さんのアイデアはこうです。<オリンピッグ(ブタの鼻絵文字)。珍プレー好プレー的なアーカイブ。離れ業、特集。号泣シーン。セレモニー忘れられないシーン、など>。  いやこんな式典、ヤバいでしょう(笑)。バラエティ特番じゃないんだから。いくら広告界のレジェンドとはいえ、もう終わってる…と若いスタッフは凍りついたんじゃないでしょうか」(広告代理店マン)
 一方、MIKIKOさんは、自身もダンサーで、PerfumeやBABYMETALなどの振り付け、ドラマ“逃げ恥”のダンスなどで知られる女性演出家。リオオリンピック閉会式(安倍マリオが話題になったアレ)でも、佐々木氏とともに演出に参加しています。  例のブタ演出発言の時も、LINEグループでMIKIKOさんが「容姿をそのようにたとえるのはよくない」と言い、男性メンバーもそれに続いたそう。広告業界の“天皇”である66歳の佐々木氏が、43歳の女性に反論されて、どう感じたか…はわかりません。ともあれ、この2ケ月後にMIKIKOさんは責任者から降ろされた、と文春は報じています。
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演出チームを降ろされた女性3人
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