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EU議会、新たな著作権指令を承認--YouTube、Facebook、グーグルに「直接的影響」

Steve Ranger (ZDNet UK) 翻訳校正: 編集部2019年03月27日 07時33分

 議論の的となっていたインターネットに対する新たな著作権指令について、欧州連合(EU)の欧州議会が賛成多数でこれを可決した。

 「Directive on copyright in the Digital Single Market(デジタル単一市場における著作権に関する指令)」に対する議員らの投票結果は、賛成348票、反対274票、棄権36票だった。欧州議会によると、同指令はインターネットにも著作権法を確実に適用することを目的としたものだという。欧州議会は、YouTube、Facebook、「Google News」を、この法律によって「最も直接的な影響」を受けることになる、インターネット上で広く知られるサービスの一部として挙げた。

 批評家らは、この新しい法律の1つの項目を「リンク税」と呼んでいる。パブリッシャーらのコンテンツを利用してGoogle Newsサービスを運営するGoogleなどの大手インターネット企業と交渉する力を、パブリッシャーに与えるものだからだ。この法律の別の項目は、ユーザーがアップロードしたコンテンツについて企業が責任をとることを求めるもので、インターネットの検閲を導入することになりかねないとして批判されている。いわゆる「アップロードフィルタ」によって、著作権で保護されたコンテンツのアップロードが禁止されるとともに、ユーザーがアップロードできるものが制限され、多くの合法的なコンテンツの共有も妨げられることになるのではないかと懸念されている。

 欧州議会は、同指令はミュージシャン、パフォーマー、脚本家、ニュースパブリッシャーに対し、自らの作品がインターネットプラットフォームに掲載される場合に、その使用についてより良い条件を求めて交渉できるように支援することを目的としていると主張している。インターネットプラットフォームにアップロードされるコンテンツについて、インターネットプラットフォームに直接的な責任を課すことにより、これを実現する。ニュースアグリゲーターは、テキストのごく一部のみを使用でき、それ以上を使う場合は使用料を支払わなければならなくなる可能性がある。

 ただし、引用、批評、レビュー、風刺、パロディ、パスティーシュを目的とした著作権保護作品のアップロードは、これまで以上に保護され、ミームやGIFが引き続きオンラインプラットフォーム上で使用および共有できるようにする。Wikipediaといった非営利目的のオンライン百科事典や、GitHubなどのオープンソースのソフトウェアプラットフォームへの作品のアップロードは、自動的にこの指令の範囲から除外されるが、欧州議会によると、新しいプラットフォームに対しては、より確立されたプラットフォームよりも義務を軽くするという。

 今後の行方は、加盟国が数週間のうちに欧州議会の決定を承認するかどうかに委ねられている。欧州議会が採用した文言を加盟国が承認すれば、指令はEU官報に公開された後に発効し、加盟国は2年以内にこれを導入することになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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