Googleの「Android」を搭載したスマートフォンやタブレット向けの「Adobe Photoshop Lightroom」は、これまで1種類のRAWフォーマットしか扱うことができなかった。だが米国時間11月8日、Android向けLightroomのバージョン2.2がリリースされ、「Windows」向けおよび「Mac OS」向けLightroomが対応している各社独自のさまざまなRAWフォーマットを処理できるようになった。これにより、Android向けアプリは、Appleのモバイルデバイス向けLightroomで7月に搭載された機能に追いついたことになる。
ただし、Adobe Systemsは今のところ、Androidおよび「iOS」向けアプリのRAW対応機能をテクノロジプレビューと位置づけている。そのため、写真で生計を立てている人や生まれたばかりの我が子の大切な写真を編集しようとしている人は注意してほしい。また、モバイル版のLightroomは無料だが、RAW編集機能を使用したり、モバイルデバイス、コンピュータ、ウェブ版Lightroomの間で写真を同期したりする場合は、少なくとも月額9.99ドル(日本での価格は980円)を支払うことが必要だ。
モバイルの時代に入り、RAWフォーマットの優位性は脅かされている。AppleやGoogleなどのデバイスメーカーは、露出やノイズの問題を克服するため、複数の画像を1つのJPEGファイルに統合するという新たな手法の開発に取り組んでいる。この手法は完璧ではないが、RAWフォーマットの写真を扱うわずらわしさに耐える理由が少なくなりつつあるのは確かだ。
また、RAWフォーマットには非常に面倒な問題がある。写真をカメラからワイヤレスで転送する機能の完成度がいまだに低いため、ユーザーはカメラをケーブルで接続しなければ、AndroidやiOS向けのLightroomでRAW画像を編集できないのだ。
それでも、わざわざRAWフォーマットで写真を撮るのはなぜだろうか。JPEG規格が向上しているとはいえ、RAWフォーマットには柔軟性が高いという大きなアドバンテージがある。デジタルカメラで写真を撮る場合、カメラは最も妥当とされる範囲で、適切に露出を設定し、肌の色がオレンジ色や青色ではなく自然な色合いになるようにホワイトバランスを設定する。この設定に基づき、カメラは撮影した画像についてノイズを減らして輪郭を強調するといった処理を行い、これらの処理結果をJPEGに「焼き付け」る。
編集ソフトウェアを使えば、後からJPEGを編集することもできるが、この焼き付けの段階で元のデータの大半は失われてしまう。これに対しRAWフォーマットの写真であれば、自分の好きなように編集できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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