ヤフーは、同社との提携や出資の受け入れを検討する企業向けの説明会「Yahoo! JAPAN提携・出資説明会 2013春」を2月6日に開催する。特設ページにて1月10日から1月25日まで参加申込みを受け付ける。広告やECなどですでに取引のあるパートナー向けにはイベントを開催してきたというヤフーだが、広く提携先などを募るイベントは今回が初めてとなる。
参加条件はヤフーとの提携や出資受け入れを考えており、ウェブサイトを持つベンチャー企業としているが、「スタートアップから大企業まで、幅広く協業の可能性を検討したい」(YJキャピタルCOOの小澤隆生氏)としている。日本向けのサービスを展開する海外企業も対象とする。1社2人まで、75社150人規模での開催を見込む。
説明会は2部構成となっており、1部ではヤフーの経営陣および各カンパニー長が同社の考え方やYahoo! JAPANで展開する各種サービスの概要を説明。2部ではYahoo! JAPANの主力サービスについて、各サービスの責任者が約15のブースを用意して、参加者に直接説明する。
2012年4月に取締役陣を刷新し、“爆速”のキーワードのもとに、クックパッドや食べログ、nanapiとのサービス連携やコミュニティファクトリーの買収など、他社とのシナジー強化に積極的な姿勢を見せてきたヤフー。9月には100%子会社のYJキャピタルを設立し、ベンチャーキャピタル事業にも乗り出した。同社がとりまとめるファンドからは、すでにラクスルやマチコエへの投資が実施されており、今後も精力的に活動を続けるという。
そんな中で進められる今回の取り組み。ヤフー副社長 COO兼メディアサービスカンパニー担当執行役員の川邊健太郎氏は、「体制変更後の9カ月間は、自分たちでやれることをやり、やれないことは他社と組もうという初心に返った9カ月間だった。それをもっと『仕組み』として推進する中でYJキャピタルも立ち上げた。よりダイナミックな取り組みは、一緒に事業をやっていくこと。そのための新しい『仕組み』だ」と語る。
積極的な提携や買収、投資を進める一方で、ヤフーの課題になっているのが対外的な「窓口」が明確化されていないことだという。これまでの提携や買収は、経営陣らがその人脈を通じて発掘するケースが中心。YJキャピタルに至ってはウェブサイトもなく、小澤氏らに直接連絡できない限り、コンタクトが取れない状況だ。
だがYJキャピタルについても、小澤氏をFacebookで探し、直接コンタクトを取るような人たちも増えてきたという。「こんなにヤフーと関係を持っていいと思ってくれている人がいたのかと思った。敷居を下げれば『はじめまして』と言ってくれる人も、昔なじみな人も声をかけてくれる」(小澤氏)。今回の説明会には、こういった属人的になってしまっている「窓口」を仕組み化するという意味もあるという。「ヤフー自体もベンチャーになりつつある。われわれのほうから門戸を開くのではなく、対等、補完の関係でやっていきたい」(川邊氏)
ヤフーでは、既存サービスとのシナジーが高い企業などを対象としたメジャーな提携や出資の案件についてはヤフー本体で担当し、直接的なシナジーがすぐには現れずとも、将来性が期待できるスタートアップなどの案件をYJキャピタルで担当するという体制を採っている。今回の説明会では、その両方での出資、提携の可能性を探っていくという。
説明会を通じての提携や出資について数値的な目標は設定しないが、川邊氏は「100くらいサービスがあるので、各サービスで1、2社くらいは何かしらやりたい」と語る。また参加者の反応を見て、今後も定期的に説明会を開催するとしている。
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