Microsoftは、「Visual Studio」プログラマー向けに追加で提供するHTML5ツールの配信を開始した。Microsoftの幹部が以前、2011年後半に配信を予定していると述べていたものだ。
ツールの名称は「Web Standards Updates for Visual Studio」で、米国時間6月16日現在、Microsoftのウェブサイトよりダウンロードできる。Microsoftは今後、World Wide Web Consortium(W3C)の変更に合わせて、四半期毎に同ツールをアップグレードする計画だ。
プリンシパルプログラムマネージャーのScott Hanselman氏は同日、ブログで提供開始を発表している。以下に、Hanselman氏のブログから引用する。
たくさんの人から「VS2010はいつHTML5をサポートするのか?」という問い合わせを受けた。すでに、Visual StudioまたはASP.NETでHTML5の作成が可能であることから、これまで冗談で、「昨日だ」と答えてきた。だが、実際にはインテリセンスがなく、開発者にとってわかりやすいものだったとはいえない。さらには、HTML5は常に変化しており不明確な部分も多い。われわれは以前、Visual Studioの次期版でHTML5のサポートを改善すると述べたが、それまで待たなければならないのか?
最初のWeb Standards Updateを開発したのは、Microsoftのプラットフォーム&ツール内の“ローグファクション”チームだ。Web Standards Updateは、「Visual Studioの全てのバージョンで、HTML5、CSS3、最新のJavaScript機能のサポートを改善する」とHanselman氏は記している。
ダウンロードページによると、Web Standards Updateは「Visual Studio 2010 Service Pack 1(SP1)」 と「Visual Web Developer Express 2010 SP1」に対応すると書かれている。
Microsoftは現在、「Internet Explorer(IE)」の一部としてHTML5、CSS、JavaScriptツールを限定的に提供している。IE9の「F12 Developer Tools」により、HTML5、CSS、JavaScriptを利用してIEサイトの作成、テスト、管理が行える。Microsoftはまた、Visual Studio 2010 SP1で、かなり限定的ではあるが、HTML5のサポートを実現している。
Microsoftの分析・戦略プロバイダのBlue Badge Insightsの創業者、Andrew Brust氏は以前、「Visual StudioのHTML5ツールは絶対によいものである必要がある」と記した。
Brust氏の説明は以下のようなものだ。「ASP.NET MVCとASP.NET Web PagesにRazorを組み合わせたマークアップ中心の作業がトレンドで、優れたHTML5ツールの提供はこれまで以上に急務となった。開発者によるASP.NET WebFormsのサーバコントロール(HTML5レンダリングと対応するJavaScriptをカプセル化できる)離れが進んでおり、開発者はHTML5が必要とする新しいマークアップとスクリプトの作成の支援を必要としている」。
MicrosoftはこのところHTML5、CSS、JavaScriptへの傾倒を強めており、2011年に入り開発者に対し、これらの技術が「Windows 8」アプリケーション開発に重要になると述べている(Microsoftは、Windows 8アプリケーションの作成にあたって開発者が使うべき他の開発ツールと技術について、まだ言及していない。2011年9月中旬に開催する開発者向けカンファレンス「Build」まで、これ以上の詳細を明かさない、としている)。MicrosoftはBuildで、HTML5とJavaScriptツールについても話をすると私は予想している。
HTML5と開発者ツールといえば、Microsoftのブロガー、David Cathue氏が先日、「Silverligt 5」とHTML5の機能比較表を公開している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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