とりわけ東芝は現在、フラッシュメモリの分野で頭角を現してきている。同社の躍進はAppleによるところがますます大きくなってきている。実際に、これまでiPhoneとiPadに搭載されてきたフラッシュの多くは東芝製だ。もっと言えば、Appleは2009年、フラッシュの供給に関して東芝と5億ドル規模の契約を結んだことを公に発表している。
フラッシュは新しい「MacBook Air」の中でも際立った存在だ。新MacBook Airには、64Gバイト、128Gバイト、または256Gバイトのフラッシュストレージが搭載されている。例えば、人気の11.6インチモデルの場合、東芝製の64Gバイトのフラッシュストレージが搭載されていることがiFixitの分解によって明らかになった。
iPadとiPhoneについて、iSuppliなどの企業が原価を割り出したところ、フラッシュメモリコンポーネントが全部品の合計原価に占める割合は非常に高く、(容量が16Gバイトか64Gバイトかによって変わってくるが)フラッシュが原価の点で最も高価な単一部品になることもあるという。
このビジネスは、MicronやIntel(ユタ州レヒやバージニア州マナッサスの工場でフラッシュを製造している)がより大きなシェアを獲得できるものなのだろうか。それはAppleが下さなければならないビジネス上の決定だ。しかし筆者が指摘しているのは、現在の傾向が続いた場合、その決定を下す機会が失われてしまうのではないかということだ。
Grove氏がスタンフォード大学院で教えているビジネスの講義の一部は、「産業クラスタ」に焦点を当てている。同講義の配布書類では、産業クラスタは「特定の分野に注力し、互いにつながりのあるビジネス、サプライヤー、関連機関が地理的に集中している状態(すなわちシリコンバレー)」と説明されている。公開討論の質問の1つは、「シリコンバレーを製造テクノロジの産業クラスタにするには、どうすればいいか」というものだった。
筆者はその質問に対する優れた回答を1つも聞くことができなかった。耳にしたのはさらに厳しい質問だった。例えば、「自社で製造しないものをコントロールできるだろうか。それはできないと思う」などだ。また、「米国は今、戦っていない。少なくとも、必死になって戦ってはいない」など、米国が製造拠点の維持に十分に取り組んでいないことに関する発言もあった。もちろん、大きな阻害要因、つまり米国の異常に高い法人税率についてのお決まりの警告もあり、米国の法人税率は日本の40%に次いで2番目に高いことが取り上げられた。法人税率については、Intelの現CEOであるPaul Otellini氏も公然と指摘している。
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