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FlashとHTML5の関係、今後どうなる?--Adobe MAXで聞く

柴田克己(編集部)2010年10月28日 19時34分

 米国時間の10月24〜27日にロサンゼルスで開催されたAdobe Systems(Adobe)の年次カンファレンス「Adobe MAX 2010」において、注目されたテーマのひとつが「HTML5」と「Flash」との関係だった。

 ウェブ体験にリッチさを付加するAdobe独自の技術として強化されてきたFlash。一方で、業界標準の技術として進化を続け、これまでFlashでしか実現できなかったようなビデオ配信やアニメーションのような表現をブラウザのみの環境で実現するべく強化されたHTML5とCSS3(JavaScript)。今年のAdobe MAXでは、「HTMLとFlashは相互補完的なもの。Adobeとしては、両者の発展に対して引き続き注力していく」というスタンスが改めて示された。

 今回、Adobe MAXの会場で、同社でFlashとHTMLの技術および製品に関わるエンジニアリングバイスプレジデントのPaul Gubbay氏と、プロダクトマネジメントシニアディレクターのLea Hickman氏に、Adobeにおける両技術の関係について、より詳しく話を聞いた。

--初日の基調講演でCTOのKevin Lynch氏が披露したjQueryベースの新たなアニメーションオーサリングツール「EDGE」は、今後どのような形でリリースする計画なのか。

Hickman EDGEは、現在まだ試作段階でしかない。今後、ユーザーのフィードバックを得ながら、どのようにリリースするかを決めていく。EDGEの開発には、Flashのエンジニアリングチームも参加しており、今よりもさらに完成度の高いものにしていこうと考えている。

Gubbay EDGEに関しては、現在Adobe Labs上での公開時期も決まっていない段階だ。この新しいツールがユーザーにどのように使われることになるかにフォーカスし、リサーチを行って決めたいと考えている。

--さらに、今年の「Sneak Peeks」(Adobe社内でまだ初期の実験開発段階にある新技術や機能を披露するセッション)では、Flashの.flaファイルを自動的にHTMLへ変換する「Flash to HTML5」という技術が紹介されていた。こちらは、今後どのような展開を見せるのか。

Gubbay Sneak Peaksで見せたものは、ごく短いFlashアニメーションをHTMLベースに変換するだけのものだ。引き続き、より長いアニメーションの変換ができるように改良を加えていく。

Hickman EDGEとFlash to HTML5は、同じチームで取り組んでいる。いずれもプロトタイプなので、実際に形になるのはこれからだ。しかし、今のAdobeにとっては、デベロッパーに対してFlashとHTMLの両方に、実際に取り組んでいることを見せることが大切だとの判断から、早い段階で披露した。

--Adobeが「HTMLとFlashがどちらも重要で相互補完的」という理由として、「デベロッパーには、生産性の高いオーサリングツールが必要だ」という主張がある。HTML5向けのオーサリング環境についても、AdobeはFlashのような優位性を保つことができるのか。

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