ニワンゴは9月29日、動画コミュニケーションサービス「ニコニコ動画(9)」が、HTML5による動画再生に対応したと発表した。Flashを表示できないiPadのウェブブラウザ上でも、動画を視聴したりコメントを投稿できるようになる。
HTML5プレーヤーの開発におけるこだわりやiPad独自の機能について、ドワンゴ執行役員 研究開発本部長の千野裕司氏、HTML5プレーヤープロダクトリーダーの草野翔氏、HTML5プレーヤーUIデザイン担当の篠原友里氏に話を聞いた。
今回対応するHTML5プレーヤーは、iPadに特化したインターフェースになっている。iPadを横位置に持つとフルスクリーン表示になり、画面上をタップすると動画が再生される。また、画面右下のペンのアイコンをタップすると、ソフトウェアキーボードが表示されコメントを投稿できる。
草野氏は「PCで視聴できるFlashプレーヤーほど高機能ではありませんが、iPadで使っていて心地良い、違和感のないプレーヤーを目指しました。 iPhoneは触るデバイスですが、iPadは見ることに特化したデバイスだと思います。肩の力を抜いて意識せずにボーっと見れる、リビングでテレビを見ているような感覚で使って欲しいです」と話す。
動画の再生中に画面を指でなぞるだけで、動画の早送りや巻き戻しができる。また、2本指でなぞることで、1本指でなぞる時よりも細かく再生時間を指定できる。動画の再生後には、「関連動画」「とりあえずマイリスト登録」「もう一度再生」の3つの項目が表示される。クリスマスシーズンまでには「マイリスト連続再生」にも対応したいという。
「開発当初、PCに近いインターフェースにすることも考えましたが、自分なら家でオフモードの時にiPadでニコ動を見たいと思ったのでシンプルなデザインになっています。とにかく見ることに集中して欲しいので、ボタンをわかりやすくしたり、機能もいくつか削減していますが、ニコ動で便利なタブ機能などは残しました」(篠原氏)
HTML5に対応したことで、今後はよりマルチデバイスに展開しやすくなる、と千野氏は話す。
千野氏「HTML5を使ってプレーヤーを開発したことで、PC以外のプラットフォームへ展開するための基礎的な技術がそろったと言えます。今回はまずiPadに対応しましたが、今後、例えばHTML5に対応したテレビが発売されれば、すぐにそのテレビにも対応できると思います」
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