モバイルソフトウェアの開発を手がけるBsquareは米国時間5月6日、Dellのネットブック「Inspiron Mini 9」に「Adobe Flash Lite」が搭載される予定であることを発表した。ただし、ここで問題となるのは、Dellからは、まだAndroidをOSに採用したネットブックの正式なアナウンスがない点である。
明らかに、ここで生じているのは、やや広報サイドでの混乱である。Bsquareが6日午前に発表したプレスリリース(編集部注:すでに該当するプレスリリースはなくなっている)では、いかにして、Dellが「BsquareのAndroidへの高い対応度を活用し、DellのInspiron Mini 9上にて、Adobe Flash Liteのエクスペリエンス向上を図っているか」が、高らかに宣伝されていた。しかしながら、この新たなAndroidが採用されたInspiron Mini 9に関して、Dellの関係者に問い合わせてみたところ、「Dellは、Androidを採用したネットブックなど製造していない」との回答が繰り返された。Bsquareのプレスリリースでは、「誤ってDellの名前が挙げられた」だけであり、すでに訂正されていると、Dellは語っている。
とはいえ、この件に関しては、単なる偶然の誤り以上のものが関係していることは明らかである。Bsquareは、共同開発を進める一連の企業名を列挙していたわけではない。確かにプレスリリースのヘッドラインに、Dellが登場していたのだ。
それゆえ、たとえDellが、まだ明らかにしたくないと考えているとしても、今回の件は、Androidを採用するネットブックの発表が、間近に迫っていることを示す、非常に良い徴候である。これまで数カ月に渡って、度々話題に上りつつも、いまだ正式にはアナウンスされていない、Dellのスマートフォン開発の一環で、同社が、GoogleのモバイルOSとなるAndroidのテストを続けてきたことがうわさになっている。だが、Dellが、AndroidをネットブックのOSの選択肢として提供することは、それほど驚くべきことではないものの、もし業界で最初に提供に踏み切るのが同社であれば、それは驚くべき事態である。これまでDellは、新たな技術トレンドの採用には、ややゆっくりと構え、少し様子見をした後に、採用へと踏み切る傾向があった。
携帯電話向けのオープンソースOSであるAndroidを、小型で省電力のネットブックと組み合わせることは、このところトレンドになっているのも確かである。
他の主要なネットブックメーカーも、Androidのテストを進めているとうわさされてきた。Hewlett-Packard(HP)は、明らかにそのメーカーに含まれ、ASUSTeK ComputerやAcerもうわさになっている。しかしながら、すでに公式に、Androidを採用するネットブックの製造メーカーとして関連づけられているのは、今後3カ月以内に、250ドルで製品の販売を行う計画を、先週明らかにした、中国のGuangzhou Skytone Transmission Technologiesである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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