デジタル分析プラットフォームを提供するAmplitudeは、2025年のデータ活用とAIトレンドに関する予測を発表した。
日本市場では、企業がウェブサイトやアプリなどのプロダクトを収益源と捉え、専任チームを設立する動きが活発化すると予測している。またマーケティングとデータチームの連携強化により、業務効率化とイノベーションが加速し、AIによるデータ解析と迅速な意思決定がビジネスサイクル全体の速度を上げていく。
さらに日本の個人情報保護法に基づくデータ管理意識の向上により、企業はISO27001などの国際基準を採用する動きが進むと予想されるという。
このほか、銀行や保険などの業界では、従来の営業中心型のビジネスモデルから、製品主導型のプロダクトレッドグロース(PLG)へのシフトが進むとしている。中小企業やスタートアップにおいても、コスト効率を高め、消費者の期待に応えるために、この流れが広がると予想される。
グローバル市場の予測では、大規模データの活用から、高品質およびターゲットを絞ったデータ活用へと進化し、問題解決能力がレベルアップするという。これに伴い投資収益率(ROI)が一層高まると予想される。
また、2025年は具体的な顧客課題解決といった明確な成果につながるAI投資が進むとし、消費者がAIを活用して「欲しい答え」を瞬時に得られることを求める「アンサーエコノミー」が台頭するという。このため、マーケターはSEO(検索エンジン最適化)からGEO(ジェネレーティブエンジン最適化)への投資にシフトしていく。
さらにAIの進化により、顧客からのフィードバック(例:ユーザーを対象とした調査、SNS投稿など)を基にしたターゲットコンテンツが容易に作成可能になるという。これによりユーザーの声を直接把握でき、ユーザー生成コンテンツ(UGC)が企業の労力をほとんど必要とすることなく、爆発的に増加すると予測される。
またプライバシー対応のデータ収集も進展。Cookieに依存したデータ収集からの脱却が進む中、オプトイン型でAPIベースのデータ収集の普及が予測される。これにより、企業は新たなデータをベンダープラットフォームに供給し、AIの精度を向上できるという。
AI活用による広告ターゲティングでは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)が、AIを活用してターゲットオーディエンスを正確に絞り込み、コスト効率の高い顧客を獲得できるようになるという。これは中小企業やBtoB企業にとってはコスト効率の良い顧客獲得に向けて大きくプラスに働くものと考えられる。
このほか、生成AI関連の新たなサービスが展開される中、企業は生成AIを導入する上で、今後ROIの評価や、概念実証(PoC)に関するさまざまな投資をするだろうと予測している。