テクノロジー分野で長年過ごしていると、いわゆる「計画的陳腐化」というものにはいつもイライラさせられる。それはまるで、ソフトウェアベンダーやハードウェアベンダーが、コンシューマーに新たなハードウェアを購入させるために、必須のソフトウェアを旧式のハードウェアでは実行できないようにしているかのようだ。
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例を挙げてみよう。Microsoftが「Windows 11」を発表した際、この新バージョンは(それまでの「Windows」が稼働していた)多くのハードウェアをサポートしないということが明らかになった。これは、運が良ければ面倒な話で済むが、最悪の場合には費用のかかる話となる。そして、(Windowsを使い続けたいと考える)多くの人々は新たなシステムを購入することになった。しかし一部の人々にとって、それは不可能な選択肢だったため、ゆくゆくはサポート切れとなるWindows OSを使い続けるという道を選ぶことになった。
こういった点に加えて、モダンなOSの中には旧式のハードウェアに優しくないものもいくつかある。ただ、このような状況に陥ったとしても、旧式のハードウェア上で稼働できるように開発されているいくつかのLinuxディストリビューションに望みを見いだせるはずだ。これらのOSによって、旧式のハードウェアを生き返らせ、新品のように活用できるはずだ。
以下に、そうしたLinuxディストリビューションを5つ紹介する。これらはいずれも、ハードウェアの新旧を問わず、家庭で使う分には十分使いものになるディストリビューションだ。
「Bodhi Linux」
筆者は、およそ5年前からBodhi Linuxを第1の選択肢にしている。このディストリビューションは旧式のハードウェアにうってつけというだけでなく、ユニークなデスクトップを搭載している。「Moksha」というこのデスクトップは「Enlightenment」(これも筆者の昔からのお気に入りだ)と似ており、本格的なデスクトップOSを構成するだけの豊富な機能を搭載している。
Bodhi Linuxのデスクトップによって、ユニークな方法でコンピューターとやり取りできるようになる。
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Bodhi Linuxを使う上で注意すべき点が1つある。それは、デスクトップとやり取りする方法を考え直さなければならないという点だ。というのも、Mokshaのインターフェースはこれまで慣れ親しんできたものとは大きく異なっているためだ。しかし、だからといって使いづらくなるわけではない(実際はその逆だ)。Mokshaは慣れるまでに少しばかり時間がかかるというだけの話だ。ただ、そのことは知っておいた方がよいだろう。
Bodhi Linuxの推奨システム要件は以下の通りだ。
- CPU:64ビットの1GHzプロセッサー
- RAM:768MB
- ハードディスク:10GB
必要最低限のシステムを用意するだけで、完璧に機能するのみならず、見かけもクールなデスクトップコンピューターを手に入れられるのだ。