1991年8月25日、フィンランドの大学院生だったLinus Torvalds氏が、USENETの「comp.os.minix」グループで、「386(486)ATクローン用の(フリーの)OS(単なる趣味で、GNUのような大規模なものでもプロフェッショナルなものでもない)」に取り組んでいると発表した。誰も、Torvalds氏さえも予想しえなかったかもしれないが、この技術はいつまでも変化し続けることになる。
提供:Linux Foundation
それから30年を経て、LinuxはITを支配する存在になっている。GoogleやFacebook、Wikipediaなど、ほぼすべての主要ウェブサイトがLinuxで動いている。クラウドでも状況は同じだ。Microsoftの「Azure」を見ても、最も利用されているOSはLinuxだ。スーパーコンピューターについて言えば、世界最速のスーパーコンピューター500台すべてがLinux系を利用している。「Android」のおかげで、Linuxは最も人気が高いエンドユーザー向けOSでもある。
Torvalds氏と筆者は、Linuxとその歴史について話をしてきた。同氏は、Linuxの台頭を喜んでいるようでもあり、困惑しているようでもあった。しかしLinuxの生まれた日について尋ねると、Torvalds氏は4つの誕生日が考えられると語った。
ニュースグループへの最初の投稿はそれなりに知られていて(8月25日)、その投稿のヘッダーを見れば日付や時間なども分かる。それに対して、0.01のリリース日については、公の場で発表されたことはなかったと思う(興味を持ってくれた数人に個人的に見せただけで、その時の電子メールは残っていないはずだ)。0.01の日付(9月17日)を調べるには、今でも残っているtarファイルの中のファイルの日付を見ればいい。
私としては、その両方が誕生日でも構わないし、どちらか1つを選んでもいい。
それから、ほかの日を挙げる人もいるかもしれない。例えば、Linuxが何らかの形で公の場で最初に言及されたのは、私がMINIXのニュースグループでPOSIXの何かのドキュメントについて尋ねたときのことだろう。その時私は、自分があるプロジェクトに取り組んでいると書いている(ただし名前は挙げなかった)。それとは別に、公の場で実際にLinuxのバージョンについて発表したのは10月5日で、その時はバージョン0.02だった(当時すでに(非常に小さな)パッチを1つ当てていた)。