大阪大学の基礎工学部情報科学科はクライアント端末を含む演習教室用システムを日本オラクルの仮想デスクトップ基盤「Oracle Virtual Desktop Infrastructure(VDI)」に刷新、稼働を開始した。日本オラクルが1月26日に発表した。
大阪大学の基礎工学部は1961年に創設、同学部の情報科学科の学生はUNIX系OSやプログラミング、通信技術、SQLなどを学ぶ。最新技術を利用できるようシステムやハードウェアを3年で更新することを方針にしている。
同学科では、演習教室用システムを刷新するにあたり、クライアント端末100台として、UNIX系OSとWindowsを切り替えて使用できる、特別なソフトウェアをインストールせずに遠隔から利用できる、物理マシンよりも管理が容易、クライアント端末を現在の100台規模から1000台規模に拡大しても管理コストが抑制可能――などの要件を挙げている。
これらの要件に対して日本オラクルは、シンクライアント「Sun Ray 2」をクライアント端末とするOracle VDIを提案した。今回の提案では、x86ベースのブレードサーバ「Sun Blade X6270 M2」で仮想サーバを構築、SPARCベースのブレードサーバ「Sun Blade T6320」をDNSやメールのサーバに活用する。
このほかに、ゲストOSとホームディレクトリの格納にユニファイドストレージ「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」、一部の仮想サーバ用ストレージにディスクアレイ「Sun StorageTek 2540」を提案している。2010年10月に採用が決定、2011年3月から稼働している。
同学科が最も重視したのが、演習で利用するUNIX系OSが動作することだった。UNIX系OSをサポートしている仮想デスクトップ基盤はオラクル製品だけだったという。Oracle VDIを含むサーバやストレージの稼働開始では以下を評価している。
- Oracle VDIがUNIX系OSをサポートし、Windowsとの切り替えが容易
- Sun Ray 2は記憶装置を持たないシンクライアントであり、クライアント端末側でのデータ管理が不要、管理コスト低減が可能
- 筐体のブレードサーバにx86とSPARCのプロセッサが混在したサーバモジュール
- Sun ZFS Storage 7320 Applianceのクローン機能を活用して、100台の仮想マシン作成が短時間で実行、同等の予算で導入した旧来システムと比較して8倍のストレージ容量を活用できる