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海外コメンタリー

ナデラCEOに聞くマイクロソフトの未来図(後編)--HoloLens、モバイル、パートナーシップ

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-07-23 06:30

 マイクロソフトの最高経営責任者(CEO)S・ナデラ氏は先週、「Worldwide Partner Conference 2015」での基調講演の後、米ZDNet記者とのインタビューに応じた。前編に引き続き、そのインタビューの後編をお届けする。

--「HoloLens」について質問があります。HoloLensを初めて見た時(当時は「Project Fortaleza」でしたが)、あなたはこれをゲーム以外にも広げる必要があると言われたと伺っています。最初にHoloLensの需要が出るのは、どの分野だと思われますか。ゲームでしょうか、それともどちらかと言えばビジネスや研究の分野でしょうか。

 最初のバージョンは、むしろ開発者やエンタープライズ用途のシナリオに適したものになります。

 確かにMicrosoftは、新しいゲームのジャンルであるMR(複合現実感)を生み出すために「Minecraft」を買収しました。Minecraftを買収した理由はいくつもあります。MinecraftはナンバーワンのPCアプリであり、ナンバーワンのゲーム機用アプリであり、「iOS」と「Android」のナンバーワン有料モバイルアプリでもあります。MRという新しいメディアにも、ヒットするゲームを求めていました。そして、それは手に入るでしょう。ゲームは今後もMRの活用シナリオの1つとして位置づけられますし、ほかにも幅広いエンターテインメントがあり得ます。しかしHoloLensの最初のバージョンについては、エンタープライズ用途を重視していこうとしています。

 一般的に言って、Microsoftのアプローチには、常にこのように2つまたは複数の焦点があります。消費者市場とエンタープライズ市場の橋渡しは、われわれにしかできません。そのことは、MicrosoftのDNAに刻み込まれています。人々や組織のエンパワーメントが当社のミッションステートメントにまで入っているのは、それが理由です。Microsoftのすべてのテクノロジは、そのことを目指すべきです。HoloLensの場合、病院や医療業界、小売業界で驚くほど関心を集めています。われわれはそれらの業界に関心を持っており、それらを追求するつもりです。

--パートナーシップについて質問です。あなたがCEOに就任してから、Microsoftのパートナーシップに対するアプローチは大きく変わったように感じられます。(前CEOのSteve)Ballmer氏のSalesforceやAdobeに対する対応と、あなたの対応を比較すると、大きな違いがあります。考え方にはどのような違いがあるのでしょうか。

 Microsoftは、Steve(Ballmer氏)やBill(Gates氏)の時代にも、プラットフォーム企業でした。レトリックやスタイルとしてのアプローチを脇に置けば、私は、Microsoftがこれまで常にうまくやってきたことをやっているだけです。「Windows」を基盤とする、数十億ドル規模の企業がいくつあるか考えてみてください。GoogleがWindowsでブラウザを作れず、「Internet Explorer(IE)」にもツールバーを入れられなかったら、あの会社は存在していないでしょう。われわれは地球上でもっともオープンなエコシステムでした。

 われわれは常にプラットフォーム企業だったのです。今後もこのアプローチを続けていくつもりです。従って、Salesforceは「Office」を拡張できるべきであり、「Azure」を統合して利用できるべきなのです。同じことは、DropboxやBox、Adobeにも言えます。彼らは素晴らしいアプリケーションを作っています。もちろんMicrosoftは、この全体像をゼロサムゲームとしては見ていません。いくつかの分野では、これらの企業と競争するかもしれませんが、一番重要なのは、われわれがプラットフォームベンダーであるということです。実際、当社はWindows、Azure、Officeという3つのプラットフォームを持っています。これら3つのプラットフォームはすべて、今後もほかの企業にオープンであり、拡張可能であり続けると思っていますし、これらのプラットフォームをほかの企業と一緒に作っていると考えています。

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