5.ループバックアドレスは、アドレスのようにさえ見えない
IPv4では、「ループバックアドレス」と呼ばれるアドレスは、ローカルマシン自身を指すものとなっている。IPv4が利用できるデバイスでは、ループバックアドレスは必ず127.0.0.1だ。
IPv4と同じように、IPv6にも決まったループバックアドレスがある。
0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001
ところが、すべてのゼロが省略されると、IPv6のループバックアドレスは正しいアドレスには見えないようなものになってしまう。ループバックアドレスは、通常::1と表現される。
6.従来のサブネットマスクは必要としない
IPv4では、すべてのIPアドレスには対応するサブネットマスクが付いてきた。IPv6でもサブネットは使うが、サブネットIDがアドレスの中に組み込まれている。
IPv6アドレスでは、最初の48ビットがネットワークプレフィックスとなっている。次の16ビットがサブネットIDであり、サブネットの定義に使用される。残りの64ビットがインターフェース識別子だ(これは、インターフェースIDあるいはデバイスIDとも言われる)。
必要なら、デバイスIDに使われているビットの一部をサブネットに使うことができる。しかし、16ビットのサブネットIDと64ビットのデバイスIDだけでも、6万5535のサブネットごとに、何百京ものデバイスを利用できるため、普通は必要はない。それでも、一部の組織はすでに16ビット以上のサブネットIDを使っている。
編集部注:実際には、さまざまな理由からこのルールは実情に合わなくなっており、48ビットより長いプレフィックスの割り当てが行われることが多い。現在、割り当てルール自体を48ビットから64ビットの間で自由に割り振れるように変更ることが検討されている。
7.DNSはIPv6でも通用する
IPv4では、IPアドレスをホスト名と対応させるのに、ホストレコード(Aレコード)が使われていた。DNSはIPv6でも使われているが、IPv6ではホストレコード(Aレコード)は使われない。その代わり、IPv6ではAAAAリソースレコードを使う。また、ホスト名の逆引きには、ip6.arpaというドメインが使われている。
8.IPv6はIPv4ネットワークをトンネルで通過できる
IPv6への移行にこれだけ長い時間がかかっている理由の1つに、IPv6は一般にIPv4のネットワークと互換性がないということがある。そのため多くの移行技術で、ネットワーク間の互換性の確保を容易にするため、トンネリングが使われている。そのような技術の例が、Teredoと6to4の2つだ。これらの技術は違う働きをするが、基本的なアイデアは、どちらもIPv6パケットをIPv4パケットの内側にカプセル化するというものだ。こうすれば、IPv6のトラフィックをIPv4ネットワーク上で流すことができる。ただし、トンネルの両端に、IPv6パケットのカプセル化と解除を行うエンドポイントが必要になる。
9.あなたはすでにIPv6を使っているかも知れない
Windows Vista以降、MicrosoftはIPv6をデフォルトの状態でインストールし、有効にしている。WindowsのIPv6の実装は自動設定するようになっているため、使っているコンピュータが知らないうちにIPv6のトラフィックをブロードキャストしているというのもあり得ることだ。もちろん、だからといってIPv4を捨てられるというわけではない。すべてのスイッチやルータがIPv6をサポートしているわけではないし、一部のアプリケーションには、IPv4アドレスへの参照がハードコーディングされているかもしれない。
10.WindowsはIPv6を完全にはサポートしていない
ある意味では皮肉なことだが、MicrosoftはIPv6への移行を強く推進しているにも関わらず、Windowsはユーザーの期待通りにIPv6をサポートしているとは言えない。例えばWindowsでは、UNC(Universal Naming Convention)の中にIPアドレスを含めることができる(例えば、\\127.0.0.1\C$)。ところが、Windowsはコロンがあった場合、ドライブ文字を参照していると仮定するので、IPv6アドレスは同じようには使えない。
この問題を避けようと、MicrosoftはIPv6アドレスの翻訳のために、特別なドメインを用意した。IPv6アドレスをUNCの中で使いたければ、コロンをダッシュで置き換え、アドレスの最後に.ipv6-literal.netを付けなくてはならない。例えば、FE80-AB00--200D-617B.ipv6-literal.netのようになる。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。