飯島陣屋
飯島陣屋(いいじまじんや)は、長野県上伊那郡飯島町にあった代官所(代官陣屋)。現在ある建物は復元であり、飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋(いいじままちれきしみんぞくしりょうかん いいじまじんや)という名称がつけられている。
飯島町歴史民俗資料館 | |
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施設情報 | |
開館 | 1994年1月 |
所在地 |
〒399-3702 長野県上伊那郡飯島町飯島2309−1 |
位置 | 北緯35度40分49.0秒 東経137度55分30.2秒 / 北緯35.680278度 東経137.925056度座標: 北緯35度40分49.0秒 東経137度55分30.2秒 / 北緯35.680278度 東経137.925056度 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
プロジェクト:GLAM |
概要
編集文禄2年(1593年)に三州街道の経路が改められた際、石曽根村ノ内に飯島宿が成立し町並みが形成された。天領の陣屋としては、飯田藩主脇坂安政の転封に伴い、信濃国伊那谷に生じた天領を治めるため、延宝5年(1677年)に設置された。当時は代官が執務を執り行う本陣のほか、代官一家が住まう屋敷、役人の住む官舎、長屋、納屋など付随する建物十数棟で構成されていた。飯島陣屋には必ずしも代官は常駐せず、信濃の他陣屋代官や他国代官(駿府、遠州中泉等)が兼務し、その出張陣屋となることが多かった。
明治に入り、明治政府によって幕府天領地の接収が行われると飯島陣屋は廃止された。
伊那谷の旧天領地が伊那県とされると、飯島陣屋が伊那県庁となった。
明治4年、伊那県が廃止されて筑摩県に併合されると、飯島陣屋はその役目を終え、解体処分された。
1994年(平成6年)、飯島町内をはじめ、長野県内や愛知県などに残る古文書を調査、また陣屋跡の発掘調査により、当時と同じ位置、同じ構造様式で本陣が新築復元された。敷地内には陣屋記念館も併設され、当時の資料や調度品などが展示・公開されている。写真撮影もでき、展示物も実際に手を触れて観察できるなど、親しみやすい配慮がされている。
沿革
編集歴代代官一覧
編集代 | 氏名 | 任期 |
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1 | 天羽景安 | 寛文12年(1672年) 〜 延宝1年(1673年) |
2 | 設楽能政 | 延宝1年(1673年) 〜 延宝5年(1677年) |
3 | 設楽太郎兵衛 | 延宝5年(1677年) 〜 元禄1年(1688年) |
4 | 滝野忠央 | 元禄1年(1688年) 〜 元禄2年(1689年) |
5 | 太田進輝 | 元禄2年(1689年) 〜 元禄12年(1699年) |
6 | 高谷盛直 | 元禄12年(1699年) 〜 正徳3年(1713年) |
7 | 都筑正倚 | 正徳3年(1713年) 〜 享保2年(1717年) |
8 | 都筑法景 | 享保2年(1717年) 〜 享保7年(1722年) |
9 | 大草政清 | 享保7年(1722年) 〜 享保12年(1727年) |
10 | 大草政英 | 享保12年(1727年) 〜 享保14年(1729年) |
11 | 松平尹親 岩室正方 |
享保14年(1729年) 〜 享保18年(1733年) |
12 | 大草政永 | 享保18年(1733年) 〜 寛延1年(1748年) |
13 | 浅岡胤直 | 寛延1年(1748年) |
14 | 大草政美 | 寛延1年(1748年) 〜 寛延2年(1749年) |
15 | 嶋豊勝 | 寛延2年(1749年) 〜 宝暦3年(1753年) |
16 | 大草政美(再任) | 宝暦3年(1753年) |
17 | 布施胤将 | 宝暦3年(1753年) 〜 宝暦11年(1761年) |
18 | 大草政薫 | 宝暦11年(1761年) 〜 宝暦13年(1763年) |
19 | 今井戴肥 | 宝暦13年(1763年) 〜 明和3年(1766年) |
20 | 嶋豊垨 | 明和3年(1766年) 〜 安永1年(1772年) |
21 | 臼井護都 竹垣直昭 |
安永1年(1772年) 〜 安永4年(1775年) |
22 | 武嶋修茂 | 安永4年(1775年) 〜 安永7年(1778年) |
23 | 平岡良寛 | 安永7年(1778年) 〜 天明7年(1787年) |
24 | 鈴木正義 | 天明7年(1787年) 〜 寛政2年(1790年) |
25 | 水谷充央 | 寛政2年(1790年) 〜 寛政5年(1793年) |
26 | 川崎定安 | 寛政5年(1793年) 〜 寛政6年(1794年) |
27 | 蓑豊昌 | 寛政6年(1794年) 〜 寛政7年(1795年) |
28 | 野田政晟 | 寛政7年(1795年) 〜 文化1年(1804年) |
29 | 小野田信利 | 文化1年(1804年) 〜 文化11年(1814年) |
30 | 山田至意 | 文化11年(1814年) 〜 文政4年(1821年) |
31 | 伊奈忠高 | 文政4年(1821年) 〜 文政6年(1823年) |
32 | 羽倉秘道 | 文政6年(1823年) 〜 天保3年(1832年) |
33 | 岸本荘美 | 天保3年(1832年) 〜 天保11年(1840年) |
34 | 池田季秀 | 天保11年(1840年) 〜 弘化4年(1847年) |
35 | 寺西元貞 | 弘化4年(1847年) 〜 嘉永6年(1853年) |
36 | 大草政修 | 嘉永6年(1853年) 〜 安政5年(1858年) |
37 | 山内薫正 | 安政5年(1858年) 〜 文久1年(1861年) |
38 | 今川忠恕 | 文久1年(1861年) 〜 文久3年(1863年) |
39 | 黒川嘉兵衛 | 文久3年(1863年) |
40 | 大竹宗孝 | 慶応3年(1867年) 〜 明治1年(1868年) |
資料館概要
編集- 所在地:長野県上伊那郡飯島町飯島2309番地1
- 開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
- 休館日:月曜日、祝日の翌日(翌日が土日の場合は開館)、年末年始(12月15日から3月14日)
- 入館料:一般:300円(250円)、小中学生・高校生:150円(100円)
- ※ ()内は20名以上の団体料金
関連項目
編集参考文献
編集- 下伊那教育会『下伊那史 第8巻 江戸中期・後期』下伊那誌編纂会、2006年
- 西ヶ谷恭弘(編)『国別城郭・陣屋・要害・台場事典』東京堂出版、2002年