道楽
道楽(どうらく)とは、
概要
編集「道を解して自ら楽しむ」という意味から「道楽」と表現されるようになった[2]。
江戸時代の三大道楽
編集江戸の道楽には「三大道楽」と呼ばれるものがあったといい[3]、園芸道楽、釣り道楽、文芸道楽が挙げられる[3]。園芸道楽は、初期はツバキとキクであったが、それにツツジ、アサガオ、ランが加わったという[3]。大名たちなどは競い合うようにして庭園造りに熱中し、庭石や樹木が集められた[3]。釣り道楽としては、ほんの軽いものであれば、中川に船を浮かべて、女衆とキスを釣った[3]。(本格的には)泊まりがけで行くのが旦那衆の釣りだった[3] という。文芸道楽では、俳諧、和歌、紀行文等々各ジャンルがあるが、奥が深く、さまざまな文人を生みだした[3]。また、道楽というのは学問に極まる[3] という。道楽は隠居してからが特に本格的になったという[3]。
否定的な用法
編集「道楽」には、「酒道楽」、「女道楽」、「ばくち道楽」など、本人の品位を損ね、自堕落になったり、他人に迷惑をかけたり、家庭環境を破綻させたりするおそれのあるものも含まれる。趣味への熱中度が甚だしいがために自分の職業に支障をきたすようになってしまったり生活が自堕落になるものも多く存在しており、そういった者は「道楽者」や「道楽息子」などと呼ばれることがある。
出典
編集関連項目
編集参考文献
編集- 「道楽」『広辞苑 第五版』
- 鈴木和明 「江戸の道楽」『明解 行徳の歴史大事典』 文芸社、2005、p.42-43
- 小山慶太『道楽科学者列伝: 近代西欧科学の原風景』中央公論社、1997、ISBN 4121013565
- 棚橋正博『江戸の道楽』講談社、1999、ISBN 4062581612
- 高橋保『男の道楽 12ヵ月の週末菜園』講談社、1999
- 中野三敏『本道楽』講談社、2003
- 『そば道楽 うどん三昧』幹書房、2004
- 北大路魯山人 著、平野雅章 編『魯山人「道楽」の極意』五月書房、2004
- 村井弦斎『酒道楽』岩波書店(岩波文庫)、2006
- 鈴木敏夫『仕事道楽:スタジオジブリの現場』岩波書店、2008、ISBN 4004311438
- 小沢昭一『道楽三昧:遊びつづけて八十年』岩波書店、2009 ISBN 4004311993
- 山崎英樹『介護道楽・ケア三昧:関わりを自在に楽しみながら』雲母書房、2006
- 金久保茂樹『蕎麦道楽大全:知る・食べる・打つ』朝日新聞社、2007 ISBN 4022503130