総通
株式会社総通(そうつう、英: Sotsu Corp.)は、かつて大阪府大阪市中央区に本社を置いていた通信販売事業の運営会社。日本クレジット産業協会・日本通信販売協会・日本通信教育振興協会(いずれも社団法人)の会員企業で、一般には事業上の名義である「日本直販」(にほんちょくはん)の名が知られている。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2号 大阪駅前第2ビル2階 |
設立 | 2022年7月1日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 1120001247115 |
事業内容 | 総合通信販売事業 |
代表者 | 代表取締役社長 遠藤俊 |
資本金 | 1億円 |
主要株主 | ギグワークス株式会社 100% |
外部リンク | https://www.666-666.jp/ |
特記事項:トランスコスモス株式会社の日本直販事業が独立。 |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒541-0041 大阪府大阪市中央区北浜3丁目6番13号 |
設立 | 1972年10月16日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 4120001082930 |
事業内容 | テレビ等のメディアによる通信販売業 |
代表者 | 代表取締役 喜多俊憲 |
資本金 | 1000万円 |
従業員数 | 300人 |
特記事項:2017年7月13日に法人格消滅。 東京支社は東京都豊島区駒込一丁目3番1号に所在した。2012年閉鎖。 |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒540-0012 大阪府大阪市中央区谷町2丁目9番3号 ガレリア大手前ビル11F |
設立 | 2012年12月5日(トランスコスモスダイレクト株式会社) |
業種 | 小売業 |
事業内容 | テレビ等のメディアによる通信販売業 |
代表者 | 代表取締役 森山雅勝 |
主要株主 | トランスコスモス 100% |
特記事項:2013年1月25日に日本直販株式会社へ商号変更。2015年7月1日トランスコスモス株式会社に吸収合併され解散。 |
「日本直販」としては、日本文化センターと共に、平日午後のテレビの情報番組[1]を中心にテレビショッピングのCMを放送。ラジオの生放送番組、新聞・雑誌の広告、公式サイト上でも通信販売事業を展開していた。
なお、総通は2012年11月16日から、民事再生法の適用によって経営の再建を図っていたが、2017年7月13日に法人格が消滅した[2]。当ページでは、2013年1月25日付で同社から「日本直販」名義の事業を継承し、2015年6月30日までこれを運営していた日本直販株式会社(にほんちょくはん、旧社名「トランスコスモスダイレクト」)、同社を合併したトランスコスモス株式会社の日本直販事業、それが独立した(新)日本直販株式会社についても述べる。
沿革
編集株式会社総通
編集1972年までの社名は「東洋ペン字学会」で、創業後にはペン習字以外の通信教育の講座も開講していた。同年、社名を「総合通信教育センター」に変更するとともに、ヒット曲のレコードやカセットテープを扱う通信販売事業会社として「フェーマスレコードクラブ」を創設した(後の「日本直販レコードクラブ」)。
1975年には雑誌広告による通信販売事業会社の「日本メールサービス」を設立。1977年には「日本直販」を創設すると共に、同社の名義でラジオ・テレビでの通信販売事業に進出した。通信販売事業進出当時の日本直販のライバルは日本文化センター(1975年設立)と二光(1976年通信販売業務の全国展開を開始)であり、この2社と日本直販との大手通信販売事業者の老舗3大会社が1970年代後半からバブル景気の崩壊する1990年代前半までしのぎを削っていた。
1985年に社名を「日本直販」から「総通」に改称する。「総通」は、前社名の「総合通信教育センター」(そうごうつうしんきょういくセンター)の略称でもあったため、「通」には通信教育の意味も込めている。
1992年には大阪市中央区に本社ビルを建設した。
新聞では、毎日新聞に毎日広告を掲載していた他、他の全国紙でも、月に数日のペースで広告を掲載していた。また、近年は雑誌広告による通信販売事業の名義を「日本直販」へ統一する傍ら、公式サイト上でも通信販売事業を展開していた。ただし、2012年12月までJFN系列で放送されていた『FM Radio Shopping』(FMラジオ局の広告枠を買い取る形式で放送している「日本直販」のラジオショッピング番組)では放送上「総通」の名義を使用していた。
テレビショッピングのCMでは、長年にわたって男女1名ずつのコンビで商品を紹介。「日本直販テレビ・ショップ[3]」をCMの最初に、CMの最後に「(お電話)お待ちしています」と歌った女声のコーラスを最後に挿入していた。1970年代後半から1990年代中半は左登村信介、久保田ひろみ、川野太郎、1990年代後半以降は、コーラスを流さない一方で、やのぱん・高橋知裕(本社のある関西地方を中心に活動する松竹芸能所属のタレント)が実演を交えながら商品を紹介するバージョンを多く放送していた。また、電話番号は1990年代のフリーダイヤル化までは日本文化センターのように放送地域ごとに異なっており、本社のある大阪以外にも、東京、名古屋、福岡、札幌、仙台などのバージョンが存在した。
1980年代以降は、「日本直販」名義での通信販売から「高枝切りばさみ」「スーパーはぼき」などのヒット商品を輩出。1995年9月期には年間売上高として約525億円を計上していた。
しかし、バブル崩壊以降はそれによる消費の低迷や、Amazon.co.jpなどの日本国外資本の参入やインターネット専門の通信販売業者の出現、新興勢力のジャパネットたかたの台頭など、日本国内の通信販売事業をめぐる競争が激化。その影響などから、2011年9月期の売上高は最盛期の半分程度(約256億円)にまで落ち込んだ[4]。また、これらの影響は他の通信販売事業者にも及び、ライバルである日本文化センターも大きく売上を落とした他、もう1つのライバルであった二光は2008年に通信販売事業から撤退し、人材派遣事業に専念することになった。
そして、2012年11月9日に大阪地方裁判所へ民事再生法の適用を申請。これを受けて、同裁判所では同月16日に民事再生手続きの開始を決定した[5]。負債総額は約175億円[6][7]。また、申請を機に、業務請負業のトランスコスモスとの間で再建支援に関する基本合意書を締結した。
総通を巡っては、民事再生法の適用開始後に、少なくとも10年前から粉飾決算を続けられてきた疑いが一部報道などで指摘されたが[8]、「日本直販」名義の通信販売事業では、民事再生法の適用申請後も、商品の受注・発送業務を継続していた[9]。
総通では、2013年3月中旬を目途に、再生計画案を同裁判所へ提出する方針を打ち出した[10]。大阪市中央区内久宝寺町二丁目2番1号にあった自社ビルは、2014年3月20日に積水ハウスへ売却された[11]。旧本社の建物は解体され、跡地には38階建てのタワーマンションが建設される。
総通自体も、事業譲渡後は本社を大阪市中央区内久宝寺町から大阪市中央区北浜3丁目へ移転し、2017年7月13日に法人格が消滅した[2]。
日本直販株式会社
編集2012年12月5日に、トランスコスモスが全額出資の子会社「トランスコスモスダイレクト株式会社」を設立。同月19日には、総通が「日本直販」名義の通信販売事業並びにそれに関連する商標権・資産などをトランスコスモスダイレクトへ譲渡する旨の契約を締結した[12]。2013年1月25日に大阪地方裁判所の許可を得られたことから、トランスコスモスダイレクトが日本直販事業を正式に譲受するとともに、同日付で商号を日本直販株式会社に変更。親会社・トランスコスモスの森山雅勝上席常務取締役が、社長を兼務することになった[13]。2014年1月には、総通時代と同じ大阪市中央区内ながら、本社を移転した。
以降、日本直販株式会社が「日本直販」ブランドによる商品の受注・発送業務を担当。総通時代からテレビ・ラジオで放送してきたショッピング番組のうち、「日本直販」ブランドの番組については、放送を続けている。
2015年7月1日をもってトランスコスモスに吸収合併され、同社の「日本直販事業」部門となった。トランスコスモスは登記上の本店は東京都にあるが、上記経緯の名残により「日本直販事業」部門の本部は従来と同じ大阪市の大阪駅前第2ビル内に置かれている。
2022年、トランスコスモスの本業への経営資源集中に伴い、事業をギグワークスグループに譲渡、同7月1日付をもって改めて「日本直販」を分社化し、それをギグワークスの子会社・悠遊生活に事業譲渡を行う[14]。
日本直販名義の事業
編集- 日本直販(生活用品全般)
- 日本直販レコードクラブ(音楽・映像ソフト)
- 日本直販アートクラブ(美術・工芸品)
- 日本直販フーズ(食品)
- 総合通信教育センター(通信教育)
提供番組
編集テレビ
編集- ナショナルセールス
- テレビ朝日系列
- 情報満載ライブショー モーニングバード!(月曜は90秒×2、水曜は90秒×1。2012年9月までは月曜と水曜のみ前半パート90秒、月 - 金曜後半パート90秒で提供していた。[15])
- TBS系列
- フジテレビ系列
- 情報プレゼンター とくダネ!(後半パート90秒、火曜のみ。2012年9月までは月曜と金曜も60秒で提供していた。いずれも各社提供扱い[15])
- ローカルセールス
- 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ 90秒、月・水曜のみ[15])
- 劇的5ch(テレビ朝日 90秒または60秒)
- 午後のロードショー(テレビ東京 90秒、PT扱い)
ラジオ
編集- JFN系列
- FM Radio Shopping[16](ネット局及び各局の放送時間についてはこちらを参照。NACK5でも同名・類似内容の番組が放送されている)
- bayfm
- Radio Pro Shopper[16]
- TBSラジオ
- 日本直販 お昼のショッピング(『大沢悠里のゆうゆうワイド』に内包)
- 日本直販 とことんラジオショッピング(『荒川強啓 デイ・キャッチ!』に内包)[17]
- ラジオ日本
- ラジオ日本 特選ラジオショッピング
- MBSラジオ
- 日本直販 ええなぁラジオショッピング(『上泉雄一のええなぁ!』に内包)
- 日本直販 とことんラジオショッピング(『ノムラでノムラだ♪ EXトラ!』に内包)
脚注
編集- ^ NNN・JNN・ANN系全国ネット番組が中心。FNN系でも一部地域で放送。
- ^ a b 株式会社総通国税庁法人番号公表サイト
- ^ 1980年代後半以降はサウンドロゴをカットし「はい、日本直販です。」とブランド名の紹介のみとなり、1990年代後半以降はブランド名の呼び出しもなくなった。
- ^ “「日本直販」の総通、民事再生法の適用申請…負債174億円”. 通販通信. (2012年11月9日) 2012年11月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “「日本直販」民事再生手続き開始を決定”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2012年11月16日). オリジナルの2012年11月16日時点におけるアーカイブ。 2012年11月16日閲覧。
- ^ “「日本直販」が民事再生法を申請、負債175億円、ヒット商品生み出せず”. MSN産経ニュースWEST (産経デジタル). (2012年11月9日). オリジナルの2012年11月19日時点におけるアーカイブ。 2012年11月9日閲覧。
- ^ “『日本直販』 で知られるテレビショッピング業者 株式会社総通 民事再生法の適用を申請 負債174億円”. 大型倒産速報. 帝国データバンク (2012年11月9日). 2012年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月8日閲覧。
- ^ “「日本直販」粉飾10年超か…架空在庫など計上”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2012年11月13日) 2012年11月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ お客様各位へのお知らせ|日本直販[リンク切れ]や日本直販ラジオショッピングについて|TBSラジオ[リンク切れ]を参照。MBSラジオでも、適用申請後の2012年11月13日に「日本直販ええなぁラジオショッピング」「日本直販とことんラジオショッピング」の放送を再開すると共に、万全を期して商品の受注・発送業務を継続する旨のアナウンスを冒頭に入れていた。
- ^ “トランスコスモス:「日本直販」通販事業の譲渡契約締結”. 毎日jp (毎日新聞社). (2012年12月20日) 2012年12月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “総通本社ビル跡地を取得/解体後に分譲マンションを建設/積水ハウス”. 建設ニュース. (2014年5月8日) 2017年8月11日閲覧。
- ^ “株式会社総通の通信販売事業(日本直販事業)譲り受けに関するお知らせ”. トランスコスモス. (2012年12月20日) 2013年7月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “トランスコスモス/子会社が「総通」引き継ぐ/ネット事業担当役員が社長に”. 日本ネット経済新聞. (2013年1月13日) 2013年3月15日閲覧。[リンク切れ]
- ^ トランスコスモスが「日本直販事業」を売却、BPO事業のギグワークスグループが譲受へ(ネットショップ担当者フォーラム)
- ^ a b c d テレビショッピング枠に関しては、ジャパネットたかたにとって代わられた。
- ^ a b 「総通」名義。
- ^ MBSラジオでは、2009年3月まで5年間にわたって放送された生ワイド番組『さてはトコトン菊水丸』(『上泉雄一のええなぁ!』の前番組)でも同名のコーナーを内包していた(タイトル表記は「日本直販トコトンラジオショッピング」)。
関連項目
編集外部リンク
編集- 日本直販
- 日本直販 ネットショッピング(ヤフーショッピング内) - 閉鎖。(2007年3月24日時点のアーカイブ)
- トランスコスモス
- トランスコスモス (@transcosmos_pr) - X(旧Twitter)
- トランスコスモス (transcosmos) - Facebook
- トランスコスモス - YouTubeチャンネル
- トランスコスモスのECソリューションをお届けするサイト「ECX(イーシーエックス」)
- トランスコスモスのコンタクトセンターサービスをお届けするサイト「Cotra(コトラ)」
- トランスコスモスのデジタルトランスフォーメーション情報をお届けするサイト「trans+(トランスプラス)」
- トランスコスモスのコンタクトセンターの仕事がよくわかるメディア「トラコミ」