ルイス島
ルイス島(英語: Lewis、スコットランド・ゲール語: Leodhas)は、スコットランド西部、アウター・ヘブリディーズに属する島[1]。島の南部はハリス島(Harris、スコットランド・ゲール語:Na Hearadh)と呼ばれている。2つの名前は同じ島にもかかわらず併用されており、ルイス島の方が一般的である。ハリス島部分も含めたルイス島はアウター・ヘブリディーズのみならず、インナー・ヘブリディーズも含めたヘブリディーズ諸島で最も大きな島である。島で最も大きな町はストーノーウェイであり、アウター・ヘブリディーズの行政の中心になっている。
ルイス島 | |
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島の遺跡 | |
所在地 | イギリス |
所在海域 | 大西洋 |
面積 | 2,224 km² |
プロジェクト 地形 |
気候
編集夏と冬の気温差がわずかで年間通して冷涼である。秋になると降雨量が130ミリメートルを超え、強風が吹く。
自然
編集北極との間を行き来するハマシギなどの渡り鳥の中継地にあたり、また、アメリカ大陸から北ヨーロッパへ向かってふく風の避難地にもなる。海鳥の種類も多い。
アトランティックサーモンが島の河で釣れる。島の湖はブラウントラウトなどの魚のすみかである。ストーノーウェイ港では、アザラシを見ることができ、運が良ければイルカ、サメ、まれにはクジラが見られる。
島固有のほ乳類は、アカシカとカワウソのみである。ウサギも至る所にいるが、これは後世に島外から持ち込まれて繁殖した。
ルイス島にヘビは生息しておらず、爬虫類は唯一、トカゲがいる。
島の北部はロッホが多いが、おおむね平坦な地形である。一方、南部のハリス島側には片麻岩の露頭があり、地形の起伏がより多い。かつて島は森林で覆われていたが、焼き畑と羊の放牧により減少し、今はごくわずかしか残っていない。多種の植物があるが、ヒースが島の至る所に生えている。泥炭(ピート)が島中にあり、燃料として利用される。島の泥炭地は2000年にラムサール条約登録地となった[2]。
交通
編集定期フェリーでスコットランド本土と結ばれている。ストーノーウェイ空港からは、アバディーン、エディンバラ、インヴァネス、グラスゴーへの便がある。
歴史
編集8000年前の泥炭(ピート)を調査したところ、人が定住した証拠が見つかっている。ケルト系のゲール人が定住。マン王国の一部となった。キリスト教の布教は7世紀から8世紀に行われた。9世紀からたびたびヴァイキングの略奪を受け、一時期はノルウェー王の勢力下に下った。スコットランド王国に復帰したのは13世紀に入ってからである。スコットランド長老派教会の信者が多い一方、ケルトの伝説も多く伝えられている。18世紀、チャールズ・エドワード・ステュアート王子の反乱に加わって敗れた後、アメリカ大陸への移民が増えた。
産業
編集現在に至るまで、小規模な農業や羊の放牧が主である。島特産の『ハリスツィード』と呼ばれる織物が知られる。「地元の羊毛を使いアウター・ヘブリディーズで手織りされ諸島内で完成された物」のみ、ハリスツィードの名で呼ばれると厳格に決められている。
脚注
編集- ^ “デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年3月10日閲覧。
- ^ “Lewis Peatlands | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2006年1月1日). 2023年4月6日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- The Isle of Lewis Scotland
- Lewis - VisitScotland(スコットランド観光局)