ムフロン
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ムフロン(仮称)Ovis gmelini は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)ウシ科ヒツジ属に分類される偶蹄類。
Ovis gmelini | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ovis gmelini Blyth, 1841[1] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Asia muflon[1] Mouflon[1] |
分布
編集アルメニア、アゼルバイジャン南部、イラン、トルコ中部および東部[1]
イランではウリアルと交雑し、正式な分布の境目は不明とされる[1]。地中海の島嶼にも分布するとされることもあるが、分子系統解析などから古い時代に人為的に移入された家畜(ヤギ)に由来すると考えられている[1]。一方でキプロスの個体群は、本種の野生個体群が移入された可能性がある[1]。
形態
編集分類
編集アジアムフロンO. orientalis(アフガニスタン、イラン、トルキスタン)、ムフロンO. musimon(イランおよび地中海の島嶼)、ウリアルO. vignei(オマーン、パンジャブ、ラダック・チベットなど)を本種に含む説もかつては有力とされた[2]。2010年に、ウリアルを独立種とする説が提唱されている[1]。O. orientalisの模式産地がイランで、本種とウリアルの種間雑種個体群を元に記載されたとして裸名とし、本種の学名をOvis gmeliniとする説が提唱されている[1]。
本種の学名を記載の早い家畜ヒツジと同じOvis ariesとする説もあった[1]。2003年にICZNの強権によりO. ariesは家畜種のみを指す学名として、野生種の学名はO. orientalisを引き続き使用することが認められた[3]。
生態
編集海岸から標高5,000メートル以上の山地、断崖など様々な環境に生息する[2]。草食なため草本、木の葉、果実、樹皮などを食べる[2]。
人間との関係
編集本種が家畜化され、ヒツジになったと考えられている[4]。
燃料用の森林伐採、密猟、紛争による影響、家畜との競合などにより生息数は減少している[2]。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l Michel, S. & Ghoddousi, A. 2020. Ovis gmelini. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T54940218A22147055. doi:10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T54940218A22147055.en. Downloaded on 27 July 2020.
- ^ a b c d e f g h i j 小原秀雄 「ムフロン」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、160-161頁。
- ^ Bulletin of Zoological Nomenclature. "International Commission on Zoological Nomenclature, Opinion 2027 (Case 3010). Usage of 17 specific names based on wild species which are predated or contemporary with those based on domestic animals (Lepidoptera, Osteichthyes, Mammalia): conserved". Bulletin of Zoological Nomenclature, Volume. 60, 2003, Pages 81-84.
- ^ 今泉吉典 「ヤギ亜科の分類」『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1988年、86-122頁。