富永啓生
ネブラスカ大学での富永 (2022年) | |
インディアナ・マッドアンツ No.30 | |
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ポジション | SG / PG |
所属リーグ | NBAGリーグ |
シュート | 左 |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
生年月日 | 2001年2月1日(23歳) |
出身地 | 愛知県名古屋市守山区 |
身長 | 188cm (6 ft 2 in) |
体重 | 81kg (179 lb) |
キャリア情報 | |
高校 | 桜丘高等学校 |
大学 |
レンジャー・カレッジ ネブラスカ大学 |
NBAドラフト | 2024年 / ドラフト外 |
プロ選手期間 | 2024年–現在 |
経歴 | |
2024– | インディアナ・マッドアンツ |
受賞歴 | |
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Stats Basketball-Reference.com | |
代表歴 | |
キャップ | 日本 |
富永 啓生(とみなが けいせい、2001年2月1日 - )は、愛知県名古屋市守山区出身のプロバスケットボール選手。NBAGリーグのインディアナ・マッドアンツに所属している。ポジションはシューティングガード。元バスケットボール選手の富永啓之は実父にあたる。
経歴
[編集]高校
[編集]幼少期からバスケットボールを始め、春日井市立岩成台中学校から桜丘高等学校に進学。3年時の2018年に第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場し、準決勝まで進出した。福岡第一との準決勝では前半だけで31得点を記録し、僅かにリードして折り返したが、後半は6得点に留まり、チームも敗れた[1]。翌日行われた帝京長岡との3位決定戦は46得点を記録して勝利した[2]。この大会では出場した全6試合で35得点以上を記録し、平均39.8得点で大会得点王に輝き、大会ベスト5に選出された[3]。
高校卒業後の進学先について、日本国内と海外留学の両方を検討していたが、3年生時の2018年8月U18アジア選手権への出場をきっかけにアメリカ留学への希望が強くなり、2019年1月にアメリカ留学の意向を表明。留学先についてNCAAに所属する大学からも勧誘を受けていたが、学力なども考慮し、2019年6月にNJCAAの1部に所属するレンジャー・カレッジへの進学を決めた[4][5]。
カレッジ
[編集]レンジャー
[編集]レンジャー・カレッジ1年目の2019-20シーズンは31試合に出場して平均16.8得点、3ポイント成功率47.9%を記録した[6]。
2020年11月11日には、2021-22シーズンよりNCAA1部のビッグ10カンファレンスに所属するネブラスカ大学へ編入することが決定した[7]。
2020-21シーズン、2021年3月3日のグレイソン・カレッジ戦で39得点を記録。チームはNJCAAディビジョンI選手権のファイナル4準決勝まで進出した[8]。富永は27試合に出場し、平均16.3得点、3ポイント成功率48.7%を記録した[9]。2シーズン連続でオールリージョンVチームとカンファレンスファーストチームに選出された。また、NJCAAディビジョンIオールトーナメントチーム、チャールズ・セッシャー・スポーツマンシップ賞、NJCAAディビジョンIオールアメリカンセカンドチームに選出された[10]。
ネブラスカ
[編集]当初の予定通り、2021-22シーズンよりネブラスカ大学に編入した[11]。新型コロナウイルスの影響でNCAAの全学生の在学可能な資格が1年延長され、ネブラスカ大学には最大で3年間在学できることになった[12]。このシーズンは主に同じポジションのブライス・マクゴーウェンズの控えとしてプレーした。2021年11月27日のサウスダコタ大学戦では5本の3ポイントシュートを成功させ、シーズンハイとなる23得点を記録した[13]。シーズン全体では30試合に出場し、平均5.7得点を記録した。
2022-23シーズンはマクゴーウェンズが2022年のNBAドラフトで指名されてチームを去ったこともあり、出場機会が増加した。2023年2月5日のペンシルベニア州立大学戦でキャリアハイとなる30得点を記録すると、この試合から5試合連続で20得点以上を記録[14][15]。ネブラスカ大学が所属するビッグ10カンファレンスがYouTubeチャンネル上に富永を特集した動画をアップロードしたり、しばしば比較されるステフィン・カリーがTwitter上でコメントを寄せたりと、大きな話題を呼んだ[16]。最終的に平均13.1得点と前年から大きく成績を伸ばした。シーズン終了後、大学に戻る資格を維持しつつ、2023年のNBAドラフトにアーリーエントリーした[17]。2023年5月30日にはインディアナ・ペイサーズとワークアウトを行った[18]。しかし、翌31日にアーリーエントリーの取り下げを発表した[19]。
2023-24シーズンにはエースとしての地位を確立した。2024年1月9日、当時全米一位のパデュー大学を破りゲームハイの19得点を記録した[20]。2月4日、イリノイ大学戦で5本の3Pを含むキャリアハイの31得点を記録したが、延長の末チームは破れた[21]。3月10日、レギュラーシーズン最終戦のミシガン大学戦で30得点を記録して勝利した[22]。チームはカンファレンス3位でレギュラーシーズンを終え、カンファレンストーナメントに出場。準決勝まで勝ち上がりイリノイ大学と対戦するが、チームは逆転負けで敗北した[23]。4月4日、NCAAの3Pコンテストに出場し、圧巻のパフォーマンスで優勝した[24]。
2024年4月にネブラスカ州の親善大使に任命されるとともに、同州における最高級の栄誉称号であるネブラスカ提督にも任命された[25]。
2024年のNBAドラフト前にはサクラメント・キングス、ロサンゼルス・クリッパーズとワークアウトを行ったが、ドラフトでは指名がなかった[26]。
代表歴
[編集]高校2年時の2017年7月にU-16日本代表の強化合宿に招集された。アンダーカテゴリー日本代表のトーステン・ロイブルHCは富永のプレーについて、「ダイヤモンドを発見した」と話した[27]。3年時の2018年8月にはバスケットボールアジアU-18選手権の日本代表に選出された[28]。
2022年7月にトム・ホーバスHC指揮下のA代表に選出され、FIBAワールドカップ・アジア予選Window3のオーストラリア戦でデビューを果たし、チーム最多の18得点を記録した[29]。同月のFIBAアジアカップでは、準々決勝のオーストラリア戦で両チーム最多となる33得点を記録した[30]。2023年9月のFIBAワールドカップ本戦にも選ばれ、特にカーボベルデ戦では3ポイント成功率は75%を記録し「プレーヤー・オブ・ザ・ゲーム」に選ばれるなど[31]活躍を見せ、日本代表のパリオリンピック出場権獲得に大きく貢献した。
3x3
[編集]3人制バスケットボール・3x3では2019年にU23 3x3男子日本代表チームでFIBA U23ネーションズリーグに出場[32]。2021年は4月に3x3男子日本代表候補に選出され[33]、7月に東京オリンピック日本代表チームに選出された。同大会では、ベルギーと中国に勝利して準々決勝まで進出した。
個人成績
[編集]略称説明 | |||||
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GP | 出場試合数 | GS | 先発出場試合数 | MPG | 平均出場時間 |
FG% | フィールドゴール成功率 | 3P% | スリーポイント成功率 | FT% | フリースロー成功率 |
RPG | 平均リバウンド数 | APG | 平均アシスト数 | SPG | 平均スティール数 |
BPG | 平均ブロック数 | PPG | 平均得点 | 太字 | キャリアハイ |
カレッジ
[編集]NCAA
[編集]シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021–22 | ネブラスカ | 30 | 11 | 16.5 | .373 | .330 | .842 | 1.5 | .6 | .8 | .0 | 5.7 |
2022–23 | 32 | 14 | 25.1 | .503 | .400 | .868 | 1.6 | .7 | .6 | .1 | 13.1 | |
2023–24 | 32 | 32 | 26.1 | .466 | .376 | .875 | 2.3 | 1.4 | .9 | .0 | 15.1 | |
通算 | 94 | 57 | 22.7 | .462 | .374 | .868 | 1.8 | .9 | .7 | .0 | 11.4 |
NJCAA
[編集]シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019–20 | レンジャー | 31 | 28 | 2.0 | .549 | .479 | .855 | 2.3 | .7 | 1.1 | .3 | 16.8 |
2020–21 | 27 | 24 | 6.8 | .510 | .487 | .883 | 2.4 | 1.6 | 1.0 | .1 | 16.3 | |
通算 | 58 | 52 | 4.4 | .530 | .483 | .869 | 2.4 | 1.1 | 1.1 | .2 | 16.6 |
プレースタイル
[編集]「和製ステフィン・カリー」と称されるほどの圧倒的な3ポイントシュート能力を誇るシューター[34]。3ポイントラインより後方からでも軽々とシュートを沈め、得点を量産する。またカリー本人も2019年6月に来日した際に富永と対談しており、激励の言葉を贈っている[35]。
エピソード
[編集]2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップに出場した際、かまいたちの山内健司やピン芸人のやす子に似てるとネット上で大きな話題となった[36]。
脚注
[編集]- ^ “桜丘初の決勝進出逃す、富永は涙「崩れてしまった」 - バスケット : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “桜丘が初の3位 富永46得点「うまく試合作れた」 - バスケット : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “『半端ない得点力』で大会を席巻した富永啓生、目指すは東京オリンピックとNBA!”. バスケット・カウント | Basket Count. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “大学バスケ - 昨年の高校得点王・富永啓生がアメリカ留学へ 八村塁のNBA入りに未来重ねて | 4years. #大学スポーツ”. 4years. 2020年12月28日閲覧。
- ^ 短大からNCAAのネブラスカ大への編入内定。渡米後も着実にバスケ選手として成長している富永啓生
- ^ “Keisei Tominaga” (英語). Ranger College. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “富永啓生のNCAA1部ネブラスカ大編入が正式決定、21年秋から全米屈指の強豪カンファレンスで力を磨く”. バスケット・カウント | Basket Count. 2020年12月28日閲覧。
- ^ Tigers end RC’s title hopes in semisrangersports 2021/4/26
- ^ “Keisei Tominaga” (英語). 2021年8月16日閲覧。
- ^ Knight (SpartyOnHuskers), Kevin (2021年6月27日). “Nebrasketball: JuCo signee Keisei Tominaga Named NJCAA Second-Team All-American” (英語). Corn Nation. 2023年2月20日閲覧。
- ^ Nagatsuka, Kaz (2020年12月5日). “Keisei Tominaga looking forward to taking next step with Nebraska”. The Japan Times. 2021年6月10日閲覧。
- ^ “DI Council extends eligibility for winter sport student-athletes” (英語). NCAA.org. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “Tominaga Shoots Huskers Past South Dakota” (英語). University of Nebraska. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “Tominaga's 30 Points Power Nebraska Past Penn State” (英語). University of Nebraska. 2023年2月20日閲覧。
- ^ co.,Ltd, FromOne. “富永啓生が5試合連続20得点超え…OTではディープスリーを沈めてネブラスカ大が3連勝”. バスケットボールキング. 2023年2月20日閲覧。
- ^ co.,Ltd, FromOne. “ネブラスカ大学の富永啓生がステフィン・カリーとSNS上で交流「Love it, Keisei!」”. バスケットボールキング. 2023年2月20日閲覧。
- ^ co.,Ltd, FromOne (2023年4月26日). “NBAがドラフトのアーリーエントリー選手242人を発表…富永啓生やウェンバンヤマの名も”. バスケットボールキング. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “ペイサーズのワークアウトに参加したネブラスカ大の富永啓生「NBAチームのコートでワークアウトを行ったのは初めての経験です」”. バスケット・カウント | Basket Count. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “富永啓生の決断は「本当に最後の最後」 NBA挑戦は持ち越しもネブラスカのファンは大歓喜”. 集英社 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (2023年6月5日). 2023年9月2日閲覧。
- ^ “ネブラスカ大・富永啓生が金星に貢献…全米1位の強豪相手に最多19得点で存在感2024.01.10NCAA”. バスケットボールキング. 2024年4月1日閲覧。
- ^ “富永啓生が5本の3ポイント含む自己最多31得点と爆発!チームは敗れるもNBA入りへ最高のアピール<DUNKSHOOT>”. ダンクシュート. 2024年4月2日閲覧。
- ^ “富永啓生がシーズン最終戦で30得点の大爆発…ネブラスカ大はミシガン大に白星”. バスケットボールキング. 2024年4月3日閲覧。
- ^ “富永啓生が18得点も逆転負けのネブラスカ大…カンファレンストーナメント決勝進出ならず”. バスケットボールキング (2024年3月17日). 2024年4月7日閲覧。
- ^ “ネブラスカ大の富永啓生が3Pコンテスト優勝…カリーさながら圧巻パフォーマンスでファン魅了”. バスケットボールキング (2024年4月5日). 2024年4月5日閲覧。
- ^ “富永啓生がネブラスカ州の親善大使に任命 州知事は「あなたを“提督”と呼ぶよ」”. 日テレ. 2024年4月19日閲覧。
- ^ “富永啓生、NBAキングズ&クリッパーズのワークアウト参加 両球団からオファー受け”. スポーツ報知 (2024年5月28日). 2024年7月5日閲覧。
- ^ 平成29年度男子U16日本代表チーム 第8次強化合宿 開催報告
- ^ “大学バスケ - 昨年の高校得点王・富永啓生がアメリカ留学へ 八村塁のNBA入りに未来重ねて | 4years. #大学スポーツ”. 4years. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “次なる存在”富永啓生が上々のA代表デビュー…国際舞台で見せた「いつも通り」バスケットボールキング2022年7月2日
- ^ co.,Ltd, FromOne. “豪州に惜敗も圧巻33得点の富永「自分のシュートが通用することが自信になった」”. バスケットボールキング. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “【バスケW杯】富永啓生、神懸かり3P連発 成功率は驚異の75%「チームを3Pで助けると心に決めていた」”. スポーツ報知 (2023年9月2日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ U23の3x3国際大会に挑む日本代表が発表…男子は玉木祥護や富永啓生、女子は山本麻衣らが選出2019年5月31日
- ^ 東京五輪の3x3男子日本代表候補が発表…アメリカで武者修行中の富永啓生が候補入り2021年4月5日
- ^ “賛否両論の超高校級シューター、富永啓生は和製カリーになれるか。(青木美帆)”. Number Web - ナンバー. 2020年12月28日閲覧。
- ^ co.,Ltd, FromOne. “ステフィン・カリーが将来有望な2人と対談「うまくなることにフォーカスしてほしい」”. バスケットボールキング. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “【バスケット】〝日本のカリー〟富永啓生がアンゴラ戦で躍動 かまいたち山内、やす子と激似「3つ子説」沸騰”. 東スポWEB (2023年8月15日). 2023年9月6日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 富永 啓生 / keisei tominaga (@KeiseiTominaga) - X(旧Twitter)
- 富永 啓生 / keisei tominaga (@keisei.kbz30) - Instagram